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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
298/655

祭りは終わらず……④

◇◆◇◆◇


「で、いったい何が起こったんですか?」


 ネフィリカが不思議そうな顔でオレ達に尋ねる。


「俺のような立場の人間が言うのは気が引けるが、どうしてこうなったか説明してくれるとありがたい」


 こちらは、はっきりと不満の表情のユールだ。


「……えと、今じゃなきゃ駄目かな。ちょっと調子が悪くて……」


 実際、今のオレは頭痛と気持ちの悪さで話すのも億劫だった。

 今すぐ倒れるようなことはないけど、いろいろな面でそんなに長くは持たない気がする。


 ちらりと横にいるクレイを盗み見ると仏頂面で黙っていた。極めて、ご機嫌斜めだが、たぶん原因はオレなので、助けを期待するのは無駄だと思う。




 オレ達は『桃色の口付け亭』で、決勝戦の反省会を開いていた。

 祝勝会でないところからもわかる通り、オレ達『アルサノーク傭兵団』は決勝で敗れた。


 それについて申し開きするつもりはない。全面的にオレの責任だ。

 だから、説明を求められれば、すぐにでも応じたいところなのだが、体調がそれを許してくれそうにない。

 と言う前に、そもそもオレ自身、事の顛末に関する記憶があやふやなので、答えるべき内容を持ち合わせていないのも事実だ。


「リデルさん、大丈夫ですか? もし、お辛いようなら無理しなくてもいいんですよ」


 気がつけば敗戦していたことに戸惑うことはあっても、怒る素振りも見せないネフィリカは心配げにオレの体調を気遣う。

 本当に純粋な意味で「何が起こったのか」知りたがっているネフィリカの質問に答えてあげたいのやまやまだけど、正解を持っていないオレは返答に窮した。


「では、私から説明いたします」


 困っているオレに代わってソフィアが説明を買って出てくれた。


「ざっくり申しますと、リデル様がお酒に酔ってクレイ様に体当たりをし、二人とも海に落ちた……そんな感じです」


 ホントに、ざっくりだなソフィア。


 いや、オレの恥ずかしい言動や行動を省略してくれて、ありがとう。

 ソフィアの優しさを感じるよ。


「すみません、あまりに簡単すぎて、よくわからないんですが?」


 けど、やっぱりスルーしてくれる訳もなく、ネフィリカから疑問の声が上がる。

 ソフィアがオレに視線を向けたので、頷いて見せるともう少し詳しい説明を加えた。


「実はリデル様、とてもお酒に弱いんです。強いお酒ですと匂いを嗅いだだけでも酔ってしまうほどで、普段から飲まないように気をつけているのです」


 弱いのもあるけど、ルマでの若気の至りを反省して飲むのを控えていたのは事実だ。


「酔ってしまわれると、どうなるのですか?」


 アルサノーク傭兵団でのお酒の席では、付き合い程度にりんご酒を嗜むぐらいで、本格的にお酒を飲んだ姿を見せていなかったので、ネフィリカの疑問も当然と言えた。


 ネフィリカ本人は見かけによらずお酒が強かったりするので、オレの酔っ払う姿に興味を覚えたようだ。


「……その、とても明るく素直になります」


 うん、かなり好意的な表現だ。


「酒乱だ、酒乱……」


 対してクレイがポツリと漏らす。


「なるほど、それでクレイさんのところへ絡みに行って、二人とも海に落ちたと……」


 両者の意見を勘案して、ネフィリカは結論付ける。

 ま、概ね間違いではないけど。


「そのような事態だったのですね。それでは、さすがに私一人では守りきれるはずもありません」


 ヒューが得心したように苦笑する。


 それはそうだろう、攻撃の主力の二人が揃って脱落してしまっているのだ。

 いくらヒューでも手練れの傭兵四人相手に勝てる見込みは少ない。しかも、被り物のせいで視界も制限されているなら尚更だ。

 それでもヒューはかなり善戦したと聞いたので、オレとしては頭を下げるより他はなかった。


「ごめん、ヒュー。オレのせいで……」


「いえ、決してリデルのせいではありませんよ。相手の策が功を奏しただけでしょう」


 チーム戦ということもあるかもしれないが、ヒューは今回の敗戦にこだわっていないように見えた。

 試合は実戦とは違うと、割り切っているのかもしれない。


「ただ、少し妙ですね」


 ヒューは小首を傾げて思案顔になる。


「今回の件はリデルがお酒に弱いことを前提に考えられた策です。実際、非常に効果的でしたが、でも何故そのことを相手側が知っていたんでしょう」


 確かにそうだ。

 あの大男がオレに酒をぶっかけたのは、明らかに意図してやったものだ。


 とても偶然とは思えない。

 まさか、誰かが情報をリークしたのか?


 ガイウスか? いや、奴もネフィリカ同様、オレが酒に弱いことは知らないはずだ。


 じゃ、いったい誰が……。


「いやあ、儲かった、儲かった。ホント、リデル様々だね」


 ご機嫌なサラが鼻歌交じりにオレ達のテーブルにやって来た。

 何だか急に頭痛が酷くなってきた気がするけど、あえてサラに聞く。


「ご機嫌だね、サラ。何かいいことでもあったの?」


「いや、ちょっと賭けで大勝してね。え、ああ……今回はルビシール傭兵団に賭けたんで、もうウハウハだよ」


「……サラ、ちょっとそこへ座れ」


 オレは目を三角にして疑惑の解明を始めた。


ちょっと短めですみません。

次回も短めになりそうです。


何故だろう、連休の方がいろいろやることがあって、忙しい気がするぞ。

でも、いいのだ。

明日(今日)は久しぶりに後輩たちと会うことになっているので、楽しみなのです。


連休は皆さんいかがお過ごしですか?(お休みじゃない方、ごめんなさい)

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