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百合×百合オペレーション  作者: 平井淳
第三章:ウキウキお泊り作戦

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06

感想をお待ちしております。

 もう死にたい……。こんなことになるとは思いもしなかった。


 宮園さんの前で粗相をするのは今回が初めてではない。一度だけならまだしも、短期間で同じ失態を晒すなど言語道断である。


 股の緩い女。本来の言葉の意味とは異なるけれど、そんな風に思われたかもしれない。


 私は高校生だ。この歳で何度も失禁するのは異常としか言いようがないだろう。


 今度こそ宮園さんは私に幻滅したに違いない。彼女が未だに沈黙を続けているのは、呆れて言葉も出ないからだ。


「ううぅ……。ぐすっ……」


 地面に広がる水溜まりには私の泣き顔が映っていた。

 頬をつたって零れ落ちた涙が波紋を描く。悲しみの雨が降り注いでいる。


 顔を上げることができない。宮園さんの方を見るのが恐かった。

 

 彼女は今、どんな顔をしているのだろうか。


「大丈夫? 松浪さん」

 

 頭上から宮園さんの声がした。


「ごめん……なさい……」


 私は謝ることしかできなかった。

 みっともない姿を晒したことを。庭園内の地面を汚してしまったことを。


「いいのよ。私は気にしてないもの」

「でも……」

「むしろ、いいものを見させてもらって感謝しているわ。ありがとう。この光景はしっかりと目に焼き付けておくわね」


 何を言っているのだろう? なぜ彼女は感謝するのだろうか。


 そんなことより、目に焼き付けるってどういうことなの? できることなら早く忘れてほしいくらいだよ……。


「どう? やっぱり恥ずかしい?」


 当然だ。恥ずかしくてたまらない。そんなことわざわざ聞かないでほしい。

 私は恥ずかしさで頭がパンクしそうになっていた。


「でも、ちょっと気持ちよかったでしょう?」


 それはないよ。ちっとも気持ちよくなんかない。


 状況が理解できなかった。だって、いきなりだったもの。

 自分の身に何が起きたのか、一切わからないまま漏らしていたのだ。


「ごめんね……。ごめんね、宮園さん」

「だから謝らなくていいの。これは全部、私が仕組んだことだから」

「え……?」


 どういうことだろう。彼女は何をしたというのか。


「私のワガママなの。松浪さんのせいじゃない。普通ならあり得ないことよ」

「待って……。何言っているのか全然わかんないよ」

「わからなくていいわ。松浪さんは何も考えなくていい。ずっとそのままでいてね」


 宮園さんは私の前で正座した。

 彼女のスカートが私の生み出した水溜まりに浸される。


「宮園さん。スカートが……」

「平気よ」


 戸惑う私を愛おしそうな目で見つめる宮園さん。

 彼女の瞳に吸い込まれるような感じがした。

 

お読みいただきありがとうございます。

感想をお待ちしております。

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