05
久々の投稿となります。大変長らくお待たせしました。申し訳ございません。
※閲覧注意です。
学校を離れて約十分。目的地の宮園邸に到着した。
私たちを乗せた車は大きな鉄格子の扉で閉ざされた門の前で停止する。
門の陰から使用人と思われる二人の男性が現れた。彼らは車の到着をここで待っていたらしい。すぐに扉を開けてくれた。
門扉が完全に開き終えると、車はゆっくりと前進し、敷地の中へ入っていく。
前方に立派な建物が見える。
白い花が咲き誇る庭園。その向こう側にレンガ造りの屋敷がそびえ立っていた。
あれが宮園さんの家なんだ……。想像していたよりもずっと大きいなぁ。
敷地もかなり広い。とんでもない豪邸である。
お屋敷の前で停車すると、助手席に座っていたメイドの小田原さんが先に降りた。それから左後方のドアを開け、私たちに降車を促す。
「頭上にお気をつけください」
宮園さんは小田原さんの手を借りながら降車した。
今度はこちらを振り返り、私にそっと手を差し伸べてくれた。
彼女の白くて細い指に釘付けとなる私。
その指で弄ばれたい。思い切りかき乱してほしい……などと思い始めていた。
ああ、いけない。こんな時に何を考えているんだろう。
全身が激しく疼く。いやらしい気分が続いていた。頭がおかしくなりそうである。
なんでこうなったの? さっきまでは……車に乗るまでは普通だったのに。
飴玉に変なものでも入っていたのだろうか。思い当たる原因はそれしかない。
宮園さんにもらった飴玉を舐めた途端、急に体の中からじわじわと熱がこみ上げ始めたのだった。
とても甘くて美味しい飴だったのに。宮園さんが変なものを私に食べさせるとは思えないし……。
「お手をどうぞ、松浪さん」
宮園さんが言った。
「……ありがとっ」
身体を火照らせる私であったが、我が身に起こった異変を彼女に悟られまいと必死に平静を装う。
差し出された手を握る。ひんやりと冷たい指が私の指に絡みつく。
刹那、静電気のような刺激が体中を駆け巡る感覚に襲われた。
「ひゃあぅぅ……!」
今のは……何?
何が起こったの?
肩を震わせながら、私は宮園さんの表情を伺う。
ただ手を握っただけなのに変な声を出してしまった。そのせいでおかしな子だと思われたのではないかと心配になっていた。
幸い、彼女は今も優しく微笑んでいる。怪訝そうな顔をするわけでもない。
それどころか、どことなく嬉しそうに見えた。
「立てる?」
「あっ、えっと……」
ダメだ。どうしても足に力が入らない。まるで下半身の神経がどこかでプツンと切れてしまったかのようである。脳からの電気信号が腰の辺りで途絶えているのではないか。
車を降りなければいけないのに、力が抜けて立ち上がることができない。
早くしないと今度こそ宮園さんに変だと思われてしまう。
動いて……。動いてよ、私の下半身!
「はぁっ……はぁっ……」
焦りと混乱で緊張し、息が荒くなる。
「失礼するわね」
パニックを起こしかけていた時だった。
宮園さんは両腕を私の背中に回してきたのである。
そのまま私を抱き寄せるような形で、車外へ身体を引っ張り出した。
私の右足が自然と動いた。続いて左の足も。
両足で地面に着地する。宮園さんに支えられながら私は立っていた。
「ずっと座っていたから、脚が痺れちゃったのかしら?」
プルプルと両脚を震えさせる私を見て、宮園さんは言った。
痺れはない。腰を抜かしたのだ。
私の肩を掴んでいた彼女の手が下へと流れていく。ほんの一瞬だけだが、胸元を通り過ぎた時、再びビリビリと刺激が走った。
次にその手は私の腹部を抑えていた。おへその辺りにほのかな温かさを感じる。
クイッとお腹を押されたような気がした。私は「んっ」と短い声を上げた。
急に全身を寒気が走った。かと思えば、今度は太ももが熱くなり始めるのだった。
ビチャビチャビチャ……。
「ふええっ?!」
足元に広がる水溜まり。どこからともなく溢れ出る温水が滝のような勢いで垂直に落下していく。
え? 何これ?
その温かな泉の発生源は紛れもなく私の体内であった。
私は何の前触れもなしにお漏らしをしてしまったのである。
「な、なんでぇ……」
流れでる液体を止めようと試みる。が、それは一向に止まらない。
意味がわからないよぉ。一体、何がどうなって……。
「宮園さんっ……! お願い、見ないで……」
私は涙目になりながら、宮園さんに懇願する。
こんな姿を見られるなんて、死にたくなるレベルの恥ずかしさだ。
羞恥に悶える私の姿を見つめながら、宮園さんは……。
「あはっ……」
恍惚とした表情を浮かべていた。
ピチャッ……ピチャピチャ……。
「はぁぁっ……」
ブルッと身体が震える。
すべて出し終えると、私はストンと膝から地面に崩れ落ちた。その場でへたり込みながら、水溜まりの中で両手をつき、体を震わせて泣いた。
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