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※閲覧注意です。
これも宮園さんのため……。
自分は間違っていない。自分は正しい。
すっごく恥ずかしいけど、何も悪いことはしていない。
覚悟を決めた私はホットパンツと下着を膝まで下ろし、サッと便座に腰掛けた。
宮園さんは立ったまま私を見下ろしている。彼女はどことなく嬉しそうだった。
けど、そんなにじっくり見つめられたら、出るものも出ないよ。
「あはは……。緊張してるのかなぁ。全然出なくって……」
私は笑って恥ずかしさを誤魔化した。
「やっぱりそうよね。見られてると恥ずかしいものね。焦らなくていいのよ」
彼女は私の心境に理解を示す。
無理に急かさないところが彼女の優しさでもある。
「私は恥ずかしがる松浪さんが見たい。誰にも見せない姿を私にだけ見せてほしいの。そうすれば、特別な関係になれる気がするから」
真剣な眼差しで宮園さんが語りかける。
その言葉を聞いて私は妙な興奮を覚えた。また、彼女の気持ちには大いに共感できるのだった。
なぜなら、私もずっと同じことを考えていたからだ。
宮園さんが他の人には見せない姿を見てみたいと。
自分しか知らない宮園さん。誰も見たことがない宮園さん。
そういうものを私は欲していた。
自分だけが特別でありたい。自分にだけ全部見せてほしい。
これはまさに独占欲の最終形態ではないだろうか。
宮園さんも同じ欲望を私に抱いている。
つまり、彼女が求めるものを私は提供することができる。私の行動一つで彼女の欲望が満たされるのだ。
とても光栄である。そのおかげで私は自分の存在意義を感じる。
本来、排泄なんて他人には絶対に見られたくない行為だ。だから、それは一人でするものである。
見られたくない行為を他人に見せつけるのは変だといえる。
でも、宮園さんが見たがっているのなら、見せてあげるしかない。
とてつもなく恥ずかしいけれど、決して嫌ではなかった。
私は嬉しかったのだ。彼女が私の隠された部分に興味を持ってくれているということが。
誰にもさらけ出すことのない私の深部。彼女になら見せてもいいと思っている。
それが「特別」の証だから。
「いいよ……。ちゃんと見てて」
きっと二人は特別な関係になれる。いや、もうなっていると考えてもいいだろう。
普通の関係だったら、こんな恥ずかしいことなんてするはずないし。
放課後に勉強会をしたり、休日に遊園地へ行くだけなら、それはただの友達だ。どこにでもある典型的な友情である。
でも、私たちはただの友達ではない。誰にも見られたくない姿を見せ合う仲だ。
私たちはお互いをオンリーワンでナンバーワンだと認め合っている。
「んっ」
ブルッと身体を震わせる私。
出したいのに出せなかったものが、一気に溢れてくるのを感じた。
「ああっ……」
下腹部の力が抜ける。それと同時に清流のような音が響き渡った。
それは徐々に勢いを増してゆき、私は解放感を覚えるのだった。
ショロロロロ……。
「あは……」
宮園さんは笑っていた。すごく嬉しそう。
喜んでくれている。私は彼女の期待に応えることができたのかな。
すべて出し切ると、再び身体が震えた。
恥ずかしさと気持ちよさが入り混じる。私は息を荒くさせながら宮園さんの方を見上げた。
「いっぱい出たわね」
彼女はいつもの優しい笑みを浮かべながら、私の頬を撫でる。
「宮園……さん……」
「ありがとう、松浪さん。私を特別だと認めてくれて、本当に嬉しいわ」
宮園さんは私のおでこに手を当てた。
その瞬間、急な眠気が私を襲った。
目が回るような感覚。真っ暗になる視界。
まただ。また謎の意識障害が起こってしまった。
しかし、私は一つだけ確信を得た。
この現象を引き起こしているのは、宮園さんであるということだ。
彼女が私を強制的に眠らせている。
その方法や目的は……わからない。
「おやすみなさい」
意識を失う寸前、宮園さんの甘い声が聞こえた。
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