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百合×百合オペレーション  作者: 平井淳
第一章:ドキドキ放課後勉強会作戦

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03

感想をお待ちしております。

「ご挨拶も済んだことですし、早速本題に入りましょう」


 ユリエルさんは近くにあったテーブルの椅子に腰かけた。それから、私にテーブルを挟んだ向かい側にある椅子に座るように促す。


 何が何だかさっぱりわからないままだけど、こうして突っ立っているわけにもいかないので、とりあえず言われた通り座ることにした。


 着席して姿勢を正そうとしたところで、ユリエルさんが口を開く。

 

「松浪紗友里さん。あなたは今、クラスメイトの宮園由利香さんに恋をしていますね!」


 ウインクをしながらユリエルさんは言った。


「こ、ここ……恋……?!」


 私は動揺した。思ってもみなかったことを指摘されたからだ。


 宮園さんに恋をしている? この私が?

 そんなことあるわけないじゃん。いきなりどういうことなの?


「ふふふ。お顔が真っ赤ですね。可愛らしい反応を見せていただき、ありがとうございます。ユリエルは眼福です。それだけでご飯三杯はいけちゃいます」

「ち、違います! 恋なんかじゃありません! 私は宮園さんと仲良くなりたいだけで……」


 咄嗟に否定する。この天使さんは勘違いをしている。

 私は宮園さんと恋人同士になりたいと思っているわけではない。普通の友達になりたいのだ。


「おやぁ? 往生際が悪いですねぇ。恋じゃなければ何だというのです? あなた、さっき心の中で叫んでいたじゃないですか。宮園由利香さんとエッチなことがしたいって」


 ニマニマと笑いながらユリエルさんが言う。


「なっ……!」


 顔がカッと熱くなるのを感じた。

 どうしてそんなことまで……。他人の心を読めるなんて聞いてないよ。


「恥ずかしく思う必要はありません。悪いことではないのですから。もちろん、誰にも言いふらしたりはしませんよ。私は恋する女の子の味方です」


 優しいのか無神経なのかわからないけど、悪い人ではないみたい。

 でも、恥ずかしいものは恥ずかしい。彼女は私が他人に知られたくないことまで知っているのだ。


「本当に誰にも言わないでくれますか……?」

「もちろんです。天使は嘘をつきませんし、人の心を弄ぶような真似はいたしません」


 ユリエルさんのことを完全に信用したわけではない。だが、ずっと一人で悩んでいても仕方ないので、ちょっとだけ相談してみようかなと私は思った。


「どうすれば宮園さんと仲良くなれるかな?」


 一番の悩みを解決したい。憧れの宮園さんとお近づきになるためには、具体的に何をすればいいのか。アドバイスがもらえたら、少しは前に進むことができるかもしれない。


「それを一緒に考えるのが私の役目です」


 そう言って、優しく微笑むユリエルさん。

 なぜだろう。彼女の笑顔からは心強さと不気味さの両方を感じてしまう。


 ユリエルさんは私の味方だと言っている。多分それは本心だ。では、なぜ私に協力するのだろうか。


 私は彼女には何か裏の目的があるような気がしてならなかった。

お読みいただきありがとうございます。

感想をお待ちしております。

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