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宮園さんは泣いている私をトイレから連れ出し、再び部室へと戻った。
私は依然としてショックから立ち直れないままだった。憧れの宮園さんに恥ずかしい姿を見られてしまったのだ。心の傷はそう簡単には癒えない。
「うぅ……」
スカート、下着、ソックスがぐっしょり濡れていた。ベトベトと肌にまとわりついて気持ち悪い。上履きは黄ばんでおり、こちらも水分を含んでグチュグチュしていた。
この格好ではどこにも行けない。誰かに見られたら恥ずかし過ぎて死んでしまう。
今日はどうやって帰ればいいのだろう。
「もしもし、麻衣さん。少し頼みたいことがあるの」
スマートフォンをカバンから取り出し、誰かに電話をかける宮園さん。
隣で彼女の話ぶりを聞いていると、粗相をした私のために着替えを手配してくれていることがわかった。
そこまでしてもらうのは気が引ける。あまり彼女には迷惑をかけたくなかった。
私のことなど放っておいて、さっさと立ち去ってくれてもいいのに……。
しかし、このままでは家に帰ることもできないので、やはり着替えは必要だった。ここはありがたく宮園さんの厚意に甘えるしかない。
彼女は用件を一通り伝えて電話を切る。
それから私の方を見て、優しい声で言った。
「ここで少し待っててね。すぐにうちのメイドが着替えを持って来るから」
そっと私の頭を撫でる宮園さん。まるで小さい子供をあやしているかのようだ。
「ごめん、なさい……。迷惑をかけてしまって……。ひっく……ひっく」
「謝らないで。これは私の責任よ。私が変な冗談を言ったせいで、松浪さんに辛い思いをさせてしまったのだから」
部活中は部室を出てはならない。トイレに行くのも禁止。もしトイレを我慢できなければお仕置きをする。さっき宮園さんはそう言っていた。だが、それは冗談だったらしい。私はがっかりした。その話が本当であってほしかった。お仕置きを期待していたのである。
私は彼女の言う通り、部活が終わるまで部屋を出なかった。トイレを我慢できなかったわけでもない。しかし、花子さんに遭遇した恐怖で失禁してしまったため、結果的にはお仕置きに値するほどの醜態を晒してしまったといえる。
このまま何もされずに終わってしまうのは物足りない。今、私はマゾヒズムの精神がとてつもないほど高ぶっている。かつてない羞恥心を感じており、それを宮園さんの手で弄りまわしてほしいという欲求が溢れ出しているのだ。
「して……ください……」
「え?」
「お仕置き、してほしいです……」
声を震わせながら、私はお仕置きを乞う。
「松浪さん? どうしちゃったの?」
戸惑う宮園さん。
どうもしていない。これが本来の私だよ。
「高校生なのにお漏らししちゃったイケない子にはお仕置きが必要だよね?」
私は松浪さんに問いかける。同意を迫る勢いで。
「そ、そんなことはないと思うわ……」
彼女は私の考え方を肯定しなかった。
遠慮しているのかな? 宮園さんは優しい人だから、それも仕方ないか。
「そんなことあるよ」
スカートのファスナーを下ろす私。
水気を含んで重くなったスカートはバサッと音を立てて床に落ちた。
私は太ももと下着が丸見えの状態になった。
宮園さんは驚いた顔でこちらを見ていた。
彼女の視線は私の顔や全身ではなく、明らかに下半身に注がれている。チラ見どころではなく、ガン見であった。
見られてる。宮園さんに情けない姿をジッと見られてる……。
恥ずかしいけど嬉しい。息が詰まりそうなほど苦しいけど気持ちいい。
快感が私を支配している。宮園さんの前でこんな姿になっているという事実に興奮を覚えているのだった。
友愛部の部室にいると、なぜか変な気分になってしまう。
昼休みに宮園さんとキスをする夢を見たのも、きっとこの部屋のせいだと思う。私の変態的欲求にブーストがかかるようになっているのだ。
今の私はどう見ても変態そのもの。宮園さんに私が変態だということがバレてしまったかもしれない。
でも、それでいいと思う。だって、ここは部室だから。
部室では何が起こっても問題ないのだ。ここは異次元の空間であり、現実世界とは隔離された場所だと私は思っている。だから、ここで何をしてもノーカウントだ。
どういう理屈でそのような理論に至ったのかはわからない。だけど、なぜかそんな気がしていた。この部屋にいる間は自分を思いきりさらけ出すことができる。
宮園さんも興奮していた。目が笑っている。息が荒い。ニヤニヤが抑えきれていない。
「いいの……? お仕置きしても」
お仕置きがしたくてたまらないようだ。
やっぱり彼女は私の女王様でなくちゃいけない。
「いいよ」
ほら、その気になってきたでしょ?
「ふふふっ……」
ゾクゾクと身体を震わせる宮園さん。
いい。その目、すごくいいよ。
「イケない私に教育してくれる?」
私は両足で立ったまま身体を前屈させ、上半身だけを机に乗せた。
宮園さんにお尻を突き出すような恰好になった。
彼女はそれを見て嬉しそうに笑った。
喜んでくれている。私もまた嬉しかった。
「じゃあ、好きにさせてもらうわね」
そう言うと、宮園さんはいきなり私の下着をずり下ろした。
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