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百合×百合オペレーション  作者: 平井淳
第一章:ドキドキ放課後勉強会作戦

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感想をお待ちしております。

 宮園さんはにこやかな表情のまま、再びお弁当を食べ出した。


 私の一言で彼女が喜んでくれた。私の発言が彼女に影響を与えたのである。


 ただのクラスメイトに過ぎなかった私が彼女の心を動かした。これはとても大きな前進だった。


 いい流れだ思う。しかし、まだ満足はできない。


 いずれ宮園さんの頭の中を私との思い出で埋め尽くしたい。寝ても覚めても私のことを思い続けてほしい。彼女には私だけを見てほしい。


 そのためには、もっともっと努力しなくちゃ。

 私は宮園さんに気に入ってもらうためなら、どんなことでもするつもりだ。


 彼女のために私は生きる。

 彼女が私のすべてなのだ。


 もし宮園さんが一緒に死んでほしいと言ったら、私も死ぬ。

 殺してほしいと言ってきたら、彼女を殺して私も死ぬ。

 病気や事故で宮園さんが亡くなったら、私もすぐに後を追う。


 彼女がいなければ生きる意味などない。


 ――永遠に一緒だよ。


 たとえ、魂がこの世から離れても私は宮園さんと共にありたい。


 地獄の底でも私は彼女を愛し続けるだろう。

 死んでも絶対に彼女を離さない。


 行き過ぎた愛だと自覚している。どう考えても私は異常だ。

 でも、自分の想いに嘘はつかないと決めた。


 後悔だけはしたくないから。


 私たちはほぼ同時にお弁当を食べ終えた。

 食欲が満たされた宮園さんは「ふぅ」と息をつく。


 この時を待っていた。

 やるなら今だ。


「あのっ……宮園さん」


 私は進む。この恋を必ず実らせるために。


「何かしら?」


 言うんだ。私の方から。

 ここで勇気を振り絞らなければ、自分は幸せになる資格なんてないと思っている。


 だから、逃げない。


「私と友達になってください」


 宮園さんとの関係を進展させる。

 まずは友達から始めるのだ。


「何言ってるの……?」

「え?」


 宮園さんは不思議そうな顔をした。


 私はサッと血の気が引いていくのを感じた。

 彼女に申し出を拒否されると思ったからだ。


「私たち、もうとっくに友達でしょう」

「あ……うん」


 杞憂だった。


 彼女はすでに私を友人として認めてくれていた。


 なんだ、よかったぁ……。


 身体の力が抜ける。

 さっきまでの緊張が嘘のようだ。


「一緒にご飯まで食べてるのよ? 友達じゃなかったら、これってどういう関係になるのかしら」

「あはは……。そうだよね」


 言われてみればそうだった。

 私は苦笑いをする。


「言っておくけれど、私は本当に仲良くなりたい人としか食事をしないわよ。誰でもいいわけじゃない。それに、部活に勧誘したのも松浪さんだけ」

「他の人は誘わないの?」

「誘わない。松浪さん以外の人はいらない。松浪さんだけがいればいいの。この部活を作ったのは、放課後に松浪さんと二人きりになるためだから」


 宮園さんはとんでもないことをサラリと言ってのけた。

 私は危うくそれを聞き流すところだった。


 私と二人きりになるために部活を作った……?


 どうしてそこまでするのだろうか。

 そして、なぜ私なのか。


「ごめんなさい。やっぱり我慢できそうにないわ」


 宮園さんは椅子から立ち上がる。

 顔が紅潮しており、息も荒かった。


「我慢?」

「全部私が悪いの。私が臆病で意気地なしだから、こうすることしかできなかった」


 何が言いたいのかまったくわからない。

 彼女は急にどうしてしまったのだろう。


「弱くて情けない私を許してね、松浪さん。今だけ……今だけだから……」

「みっ、宮園さん?!」


 彼女が私に覆いかぶさってきた。

 勢いに押された私は椅子から落ちて背中から床に倒れ込んだ。


 仰向けに寝転がる私に宮園さんが馬乗りになる。それから、両手で私のそれほど大きくない胸を鷲掴みするのだった。


 少し痛い。だけど、すぐに握る力は弱くなった。加減をしてくれているみたいだ。


「んあ……」


 消え入りそうな声を上げる私。

 今までに味わったことのない感覚が神経を伝い、脳を刺激する。


 宮園さんはこれから私をどうするつもりなのだろう。

 戸惑いと不安の裏に潜む期待と悦び。

 

 好きにしてほしかった。こうされることをずっと望んでいたのだから。


「抵抗……しないのね。それって、受け入れてくれたってことでいいのかしら?」


 興奮混じりの笑みを浮かべながら、宮園さんは言った。

 いつもの彼女ではない。あの清楚で穏やかな優等生は、ここにはもういない。


 彼女は私のブレザーのボタンを外した。続けて、その下にあるワイシャツのボタンも外す。

 私の胸元が露わになった。彼女はそこを目がけて顔を埋める。くすぐったい。


 いつかはこういう関係になりたいと思っていた。でも、まさかそれが今日だとは微塵も考えていなかった。


 宮園さんの手は私のスカートの中にまで及んだ。

 誰かに触られるのはもちろん、これが最初である。

 

 スルスルと下着を脱がされる。私は腰を浮かせて脱がしやすい体勢を取る。

 気が早い、なんて言うつもりはなかった。

 すべては宮園さんの思い通りにしてほしい。


 彼女の指は止まらない。

 私は黙ってそれを受け止めた。


 味わったことのない強烈な刺激が全身をビリビリと駆け巡る。

 もしも私の身体が電気回路だったら、今頃とっくにショートしていただろう。


「んくっっっっ!」


 両手で口を塞ぎ、声を抑える。


 やがて快感は頂点に達し、私は背中を逸らしながら痙攣するのだった。


 衝撃が過ぎ去った後は、しばらくぼんやりとしていたが、やがて意識が遠のいていった。

 まるで強制的に眠らされるような感じがした。

 

 その後のことはよく覚えていない。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「松浪さん。そろそろ起きて。昼休みが終わってしまうわ」


 宮園さんの優しい声で私は目を覚ます。

 なんと私は彼女の膝の上で寝かされているではないか。


 慌てて飛び起きる。

 宮園さんの前で居眠りしちゃうなんて……。

 寝顔を彼女に見られていたのかと思うと恥ずかしくてたまらない。


「ご、ごめんねっ!」

「いいのよ。それにしても、とても気持ちよさそうに眠っていたわね」

 

 そういえば、さっきまで夢を見ていた気がする。

 でも、よく思い出せない。


「教室に戻りましょうか」


 宮園さんは笑顔で言った。

お読みいただきありがとうございます。

感想をお待ちしております。

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