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『祈現の碧』Prevalent Providence Paradigm  作者: 宇喜杉ともこ
第4章 痾裡栖─アリス
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第4節 #1

 

4/

 

「よし、これで最後ね」

 

 崩れ落ちる金剛石。

 シャルディーンの作り出した最後のゴーレムを倒した幸斗たちは彼の位置を探る最中にあった。

 

「それじゃあ、ウチはこっちで調査を続けるから先生に連絡をよろしくね」

 

「おう、わかった」

 

 幸斗は携帯電話を取り出す。その傍で薫が美佳に疑問を投げかけた。

 

「それで、調査って何をやるの?」

 

「ああ、これ? まあ言われた通りコイツの魔力を辿って製造場所を当てるんだけど……言ってしまえば錬金術ね。コイツらの核を触媒にして、反応した魔力が強くなるほど持ち主の魔力が濃い場所ってことだから、それで場所を探るのよ」

 

 川の水を汲んで、宝石の入った容器に淹れる。すると、水が淡い薄紅色に変色した。

 

「やっぱ、ここは本拠地から遠いようね。とりあえずは川に沿って方向を確かめた方が良さそうかな。もう一個同じものがあるから、薫は下流の方を調べてくれる?」

 

 そう促されて、指定の方向へ向かう薫。それと同じくして、幸斗が電話を終えた。

 

「先生と連絡は繋がった?」

 

「それが、先生とは繋がらなくて荒志郎に聞いたんだけど……驚かないで聞いてくれ。——先生が空中で爆発四散した」

 

「——は?」

 

 その驚きの様は顎が外れそうな勢いだった。

 

「ばくはつ、しさん?」

 

 オウム返しになる美佳に同情を示しつつ、幸斗は言葉を続けた。

 

「なんでも、みんなを守るために空から降ってきたジンベエザメを消滅させようと自爆したんだとか」

 

 ただでさえ可笑しすぎる字面に加えて、それを幸斗が真面目な口調で話すのだから、美佳は冗談だと笑い飛ばせばいいのか、真剣に考えるべきなのかわからなくなって、余計に面白く感じてしまうのだった。

 

「……えっと、それはマジなやつ?」

 

「荒志郎が言うにはそうらしいよ。でも前みたいにすぐ戻ってくるだろうから先に集まってくるってさ」

 

 笑いを堪えてようやく紡いだ言葉に対しての幸斗の回答はイエスだった。

 

「へ、へえ……まあ、あの人のことだから問題はないんだろうけどさ。心配よりもどうしてそうなった感の方が強いわね」

 

「そこの詳しい話は聞けなかった。知りたければ荒志郎が来た時に聞けばいいんじゃないか?」

 

「いいっつーの。どうせさらに可笑しい話がくるだけだし。ウチは上流の方を調べるから、手が空いてるなら手伝ってよ」

 

 ——それから十五分ほど過ぎたかというところで、荒志郎と浄が合流した。

 

「とりあえずわかったのはアイツの本拠地はここよりも北——川の上流方面にあること。となれば一番可能性があるのは山の中ってところね。魔術師らしい、素直な場所取りと仮定して、そこにある建物を一つ占拠してアジトにしているか、急造の拠点を作って隠蔽しているか。私は前者の方があり得ると思うわ。あそこには廃工場や廃校とかいろいろ使えそうなところはあるし」

 

「じゃあ今から手分けして場所を特定次第、潜入というわけですか」

 

 という荒志郎の質問に美佳は「半分正解で半分間違い」と答えた。

 

「今から手分けして場所を探るのはいいんだけど、それだと孤立したタイミングを狙われちゃうでしょ? だから先生も合わせて二人一組、ちょうど探知用のゴーレムのコアが三つあるから。場所を探り当て次第全員合流ね。あと今日潜入してもシャルディーンと直接対決はしないわ」

 

「それはどうしてです?」

 

「まずは防御壁を破ることから始めなきゃでしょ。あらかじめバレない程度に削っておけばその段取りが楽になる」

 

「そうですか、そういうことであればその方針で行きましょう」

 

 方針が固まったところで、一同は八敷先生を待ちながら更なる調査を進めることにした。

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