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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第十四章 官庁街と租界

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第79話 租界と言う名の地獄を見て

 寮の廊下。ピコピコハンマーが転がっているのを見つけたかなめは、それを手に食堂に先行した。そして茜と談笑していたアメリアの背後に回りこむと力任せにその頭にピコピコハンマーをそのサイボーグの怪力で力任せに振り下ろした。


「痛い!何すんのよ!かなめちゃん!かなめちゃんは暴力でしか自分を表現できないのね!私みたいにもっと多趣味になりなさいな!そんなだからかえでちゃんに『もっとぶってください!』とか言われるのよ!」


「だれがオタクになるか!それとアイツがマゾなのはアタシのせいじゃねえって何度言えばわかるんだ!」 


 かなめのサイボーグの腕の生み出す馬鹿力でピコピコハンマーが首からねじ切れて床に落ちた。茜とラーナがその様子を呆れた調子でかなめを見ていた。島田とサラは隣のテーブルで仲良くしゃべっていたがその様子に驚いたようにかなめをの方に目をやった。


「島田、サラ。青春ごっこの最中に驚かして済まねえな。アメリアの馬鹿がゴキブリに見えたからつい叩いちまった。さあ、青春ごっこの続きをやってくれ」 


 かなめの馬鹿力の打撃でまだ痛みが走る頭を押さえるアメリアを放置して島田達にそう言うと、かなめはカウンターに向かっていった。


「でも本当に……冗談は抜きにしてピコピコハンマーにこんな威力があるなんて……痛いよー誠ちゃん!あの暴力馬鹿のサイボーグったらなんかキレてるのよ!なんとかして!」 


 そう言ってアメリアはあまりの突然の出来事に呆然としていた誠にすがりついた。その頭にカウラが無表情のままチョップを振り下ろした。


「何よ!カウラちゃんまで!二人して今日はどうかしてるわよ」 


 アメリアの叫びを無視してランが通り過ぎていった。


「クバルカ中佐も!みんなで無視して!租界でなんかあったの?仲間でしょ?教えてくれても良いじゃないの」 


 これまでの仕打ちに少し苛立ちながらアメリアはかなめ達にそう言った。


「無視しているわけじゃないんですけど。ただ、租界に行ったのが原因なのは確かです。あそこは人間の住むところではありません。あんなことが出来るようになったら人間終わりです。アメリアさんもあのデータとあの光景を見たらきっとそう思いますよ」 


 叫ぶアメリアに仕方なく誠がそう言って痛みに苦しむ彼女の頭を撫でた。話を中座させられた茜とラーナが苦笑いを浮かべていた。


「見たのね。租界の酷さを。私もうわさには聞いてたけど……いいわ。許してあげる。私も一度は地獄を見た人間だもの。人間が何処まで残酷になれるかと言うことが分かる地で神経をすり減らさない方が人間としてどうかしてるわよ。だから、誠ちゃん。甘えるなら私に甘えなさい」


 アメリアは年上ならではの余裕で誠にそう言った。


「どさくさ紛れに何言ってんだ!あそこの地獄はアタシは仕事でうんざりするほど見てるんだ!今更どうなるもんでもねえ!」


「西園寺。声が引きつってるぞ。私は少なくとも心が痛かった」


 かなめとカウラはそれぞれに今の租界の腐った現状について思うところが有るように誠には見えた。



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