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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第八章 始まる非道なる事件の捜査

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第47話 パーラの新車と野次馬

 部隊の入り口のゲートを抜けるとそこには人だかりができていた。


 その中で雑談していた整備班員が振り向いた。いつものようにカウラはそれを見て窓を開いた。


「ああ、ベルガー大尉。駐車場はいま満員御礼ですよ。なんでも珍しい車が有るとかで車好きの隊員で一杯なんですから」 


 丸刈りの技術部員が声をかけて来た。


「例の島田が買い込んだパーラの新車か?どんなもんか見てやろうじゃねえか」 

 

 そのカウラの問いに隊員は頷いた。人垣の向こうで叫ぶ島田の声が聞こえてきた。


「まったくこんな新規の任務が始まるなんて言う忙しい時に……アイツ等なに考えてんだか……」 


 かなめの声を無視してカウラは車を走らせる。駐車場が見える前から野次馬の姿が見て取れた。


「おい、停められるか?」 


 そう言ってかなめが身を乗り出した。そのままゆっくりと近づくカウラの車に気づいてブリッジオペレータの女性隊員が脇によけた。そのスペースにカウラは慣れた様子で『スカイラインGTR』を停めた。


 そうするとそこにはタイヤを外されてジャッキで持ち上げられた小型車が見えた。


「ちょっとそこに停めろ。降りるから」 


 かなめの言葉にカウラは小型車の手前で車を停める。ニヤニヤしているアメリアが助手席から降り、誠も追い出される。そのままかなめは苦笑いを浮かべながら見慣れない車に近づいていった。


「ああ、アメリア……見てよ……アタシの新車!なんでも『ランサー・エボリューション』とか言うらしいわよ」 


 取り付けようとする新品のサスペンションを手に得意満面の運航部副部長のパーラ・ラビロフ大尉がいる。だがかなめはそれを無視してエンジンをいじっているつなぎ姿の島田の後ろまで行き思い切り尻を蹴り上げた。


「痛て!」 


「バーカ!いちいち喚くな!痛いように蹴ってるんだよ!」 


 かなめの声に飛び跳ねるように島田が振り向く。隣に立っていたサラとパーラも振り向いた。


「ここは職場だ。仕事をしろ仕事を!」 


「でもまだ始業時間じゃ……」 


 島田は口答えをしようとするがかなめのタレ目の不気味な迫力に押されて黙り込んだ。


「それに嵯峨警部が昨日の件で話があるそうだ」 


 車を奥に停めてきたカウラの言葉に島田はようやく悟った。


「おい!お前等も壊さない程度によく構造を把握しておけ!後で細かい説明はするからな」 


 島田は周りで彼の作業を見ていた整備班員にそう言うとそのまま正門へと走り去った。サラとパーラもそれに続いた。



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