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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第五章 異様に過ぎる『彼』

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第29話 『不死人』のなれの果て

「以前クバルカ中佐から聞いたんですが『不死人』て……中佐達もたしか……」 


 そう言って誠はランを見つめる。


「その名の通り不老不死。年をとることも死ぬことも出来ない半端な生き物さ。多くは法術適正が高いから暴走すればその部屋の兄ちゃんと同じようになっても不思議じゃねー」 


 ランは笑った。その笑いには誠でも明らかに虚勢が見てとれた。


「いつまでも若いままなんでしょ?良いことじゃないの……でも、ああはなりたくないわね」 


 そう言って見せたアメリアだが、にらむようなランの視線に黙り込んだ。


「この中の人にはもう理性も何もないんですわ。ただ壊したいと言う衝動があるだけ。鉛の壁に覆われて干渉空間も展開できず、かといって餓死も自殺も出来ない……」 


 茜の言葉はあまりにも残酷に中のかつて人だった存在に向けられていた。


「じゃあ、僕も……」 


 誠は目の前の『不死人』を見て自分の運命を考えた。


「それはねえ。が、法術の暴走で先ほどの塊の様になっちまうことは考えられる。もし、オメーがうちに来なくって、この研究をしている連中に捕らえられたら十中八九こうなってた。それだけは言えるな」


 ランは誠に向けてそう言って『特殊な部隊』に入らなかった誠の運命を暗示して見せた。


「おい!ラーナ!」 


 かなめがそう言うと一人端末をいじっていたラーナに詰め寄る。小柄なラーナが跳ね上がるようにして目をかなめに向けた。


 かなめの目には怒りが宿っていた。自分の為に怒りを持ってくれる仲間がいる。誠にはその事実だけで満足だった。



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