表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第四章 東都都庁別館

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/206

第22話 東都警察での研究

「人体実験でもやっているのかねえ。東都警察も結構ヤバいことに手を出してるのかも……あ、そうださっきの死体。東都警察が作ったんじゃねえの?違法研究の為に」 


 かなめの無責任な言葉に茜が振り向いて棘のある微笑を浮かべた。かなめはそのまま後ろに引っ込みカウラの陰に隠れた。


 ようやく人の気配を感じて誠達は安心した。しかし、研究者たちの表情は暗かった。


 何かの人の為になる技術を開発していると言う前向きな研究はここでは行われていない。白衣の人々の顔を見れば誠にもその事実がありありと分かった。


「最近のここの研究は例の遺体の解析が主なものですわね。誰か法術に関する高い技術を持っている研究者の悪行の方法と、彼等が吐き出した汚物を研究する。ここの皆さんの心中を察してあげてくださいな」


 誠の心を読んだように茜はそう言って静かに歩みを続けた。


「汚物ねえ……確かに人体実験に失敗した試験体なんて汚物だよな。研究者にとっては見たくもない存在。消えてほしい存在。それを捨てるには『租界』と言う一つの国が滅んだことで生まれた汚物人間の住む場所がちょうどいいって訳だ」


 かなめは最初に見せられた遺体を思い出しながらそう言った。その言葉には感情と言うものが感じられないように誠には感じられた。


 ただあるのは深い絶望だけ。ここで行われている研究がただ絶望を拾い上げるだけの作業なのだと悟って誠の心は次第に凍り付いていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ