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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第四十一章 すべての悪意の源に向き合って

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第189話 魔なるものの本能

「なんだ!こいつは!」 


 ランはそう叫ぶことしか出来なかった。彼女が生まれた異世界文明もそんな感覚をランには教えてはいなかった。恐怖、怒り、悲しみ。この生体プラントに生きたまま取り込まれた人々のさまざまな思いがランの心を振り回した。だが彼女はすぐに周囲に干渉空間を展開して思念を遮断して周りを見回した。


 銃口を向けていた研究者はすでに倒れて痙攣していた。女性技官も椅子から投げ出されて気を失っていた。この部屋に連行された武装隊員と研究スタッフも多くは失神するか恐慌状態でただ震えるばかりだった。


 武装解除した厚生局の職員を監視をしていたはずのラーナは頭を抱えてうずくまっていた。その唇が青く染まり口ががたがたと震えている。茜はラーナに手を伸ばす。そのままラーナに声をかけようとしているがその声が出ない事に気づいて焦っているように見えた。


「クバルカ中佐!」 


 ようやく腹部の傷がふさがりかけた島田が衝撃波で飛ばされた銃を引き戻し、弾倉を差し替えている。それは銀色の対法術師用の弾丸の入った銀色のマガジンだった。


「大丈夫か!」 


 隣には気を失ったサラの姿がある。島田はゆっくりと彼女の盾になるように立ち上がると薬室に新しい弾丸を叩き込んだ。


「やれるだけやりましょう!奴は所詮不死人を作り出すプラントだ。不死人本人じゃない!倒せます!絶対!」 


 島田のその言葉でランは本当の意味で我に返った。もはや目の前の生体プラントはつながった干渉空間からのエネルギーを吸い込んで先ほどの倍ほどの大きさとなり、天井を衝撃波で壊しながら脱出を図っているように見えた。


「わかった!」 


 ランはそう言うと自分の銃のマガジンを差し替え、対法術師用の弾丸を装填する。


「一斉に撃て!あれだけ的がでかいんだ、どこでも当たるだろ!」 


 そのランの言葉で島田が射撃を始めた。その銃声で我に返ったラーナが弱々しく立ち上がる。茜もすでに銃撃の体勢に入った。


『アタシ等じゃこれが限界だ。神前……うまくやれよ!』 


 ランは心の中で念じながら銃の引き金を引いた。土砂の崩れる音と銃声だけが地下室を支配した。



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