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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第三章 極秘法術研究施設

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第16話 共通点の無い遺体

 途中のパーキングエリアで茜の車が停まると言うので合流した茜の車の前には、茜から今回の事件の説明を受けている島田達の姿があった。


「つまりだ、共通点を見出せないようにする必要があった可能性があると私は考えているの。これが事故や個別に発動した事件だったとしたら、何がしかの共通点があるのが普通ですわよね?場所は限られていますわ。特に港湾地区はよその住人が喜んで出かけるような場所ではありませんわよね?」 


 茜の言葉の終わり部分しか聞けなかったが誠も茜の意図が理解できた。港湾地区は治安が悪いと言うのは誠の大学時代からよく知られていたことだった。


 再開発から取り残された使われない倉庫と町工場の跡しかない街に通りすがりの人間が立ち寄り、しかも事件に巻き込まれる。偶然にしては出来すぎていることは誠やかなめにもわかった。


「なんだ、今回の事件について説明してたのか。でもなー。誰かが意図的に仕掛けたとして、何のためか?そして誰がやったか?その辺の事情は身元を洗っただけじゃわからねーのも確かなんだよなー」 


 そんな言葉を吐きながらランが大きくため息をついた。


「身元に共通点が無い遺体。どうつなげていけばいいやら」


 運転の疲れをいやすべく、カウラはマックスコーヒーを飲んでいた。


「いや、身元の共通点は有ると言えば有るんだ。例の7人のうち3人は租界の中の住人。しかも全員が女だ」


 ランの言葉を聞いた時、それまでタバコの事で一般客と揉めていたかなめが相手の漢を突き飛ばして戻ってきた。


「やっぱそうか……租界の中の被害者は女か。そんな事だろうと思ってたよ」


 かなめの目には光が無かった。こういう時のかなめは静かにしておいた方が良い。かなめを見ていた誠はいつもの経験からこう察して彼女に話しかけないでいた。


「だから会いに行くんですわ……『彼』に」 


 突然の茜の言葉に誠は興味をひかれた。


「『彼』って誰です?もしかして僕はその人を斬るんですか?」


 誠は直感的にそう言っていた。茜は答えることも無くそのまま運転席の中に消えた。


 慌てて乗り込む島田とサラとアメリア。バックミラーに移る彼女の父惟基を彷彿(ほうふつ)とさせる悪い笑顔が誠の不安を激しく掻き立てた。



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