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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第三十四章 心無き研究者達

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第157話 絞られた容疑者

「神前軍曹。とりあえずこの三人に絞り込んだ理由を聞かせていただけなくて?」 


 茜の声に頷いたひよこはそのまま全員の携帯端末の画像に資料を落とし込み始めた。


「できればこの機会に法術に関する知識を皆さんにも身に着けていただきたくて、法術の基礎理論の開発の歴史をちょろっとやってそこから現在の研究の流行なんかを語ることになりますが……」 


 ひよこは今一つ状況の緊迫の度合いを理解していないようだった。かなめが明らかに恫喝するような視線をひよこに投げたので、ひよこはとりあえず隊員達の教育は諦めて要点だけを話すことに決めた。


「別に勉強してーわけじゃねーんだ。さっくり説明してくれりゃーそれでいい」 


 ランの言葉にひよこは静かに頷いた。


「分かりました。では容疑者の人となりと、その研究内容について手短に説明することにします」


 ひよこはそう言うと端末のキーボードを慣れた手つきで叩き始めた。


「まずこの生え際が危ない人は工藤俊介博士。生理科学から法術研究に入った法術研究者としては変り種の人物です」 


 ひよこはそう言うと頭髪の後退した一見50過ぎにも見える男の写真を拡大した。良く見れば張りのある肌からその年齢が30位であることが誠にも分かった。


「法術の持つアストラル領域からエネルギーの物質変換を行って体細胞の復元を行う特性に注目した鬼才として知られています。まさに不死に関する研究の第一人者と言っても良いんじゃないでしょうか。五年前にその研究で東都生理学の博士号を取得した逸材と言うことになってます。まあ法術の特性なんかに言及したせいで同盟機構の法術を無いものとして扱いたい事情から冷遇されて、理論研究の論文を東和国防軍に提出して研究費を稼いでいた時期もあったらしいから金が欲しい研究者の筆頭ですね」 


 ひよこはそう言って苦笑いを浮かべた。そして画面には工藤博士が軍に提出した論文の題名が次々とスクロールされていくのが見えた。


「かなりの量なのか?これは。普通の研究者は年にこれくらいの研究論文は発表しているんじゃねーか?」 


 ランの言葉にひよこの苦笑いが真剣なものに変わった。


「そんなに研究熱心な研究者ばかりだったら法術の研究はもっと進んでますよ。まあ異常と言っていいんじゃないですか。東和軍は別に法術研究の部署を秘密裏に組織していましたから。そこにこの人が呼ばれなかったのは論文の一部に致命的な欠陥があるんですが……不死に関する研究の致命的な欠陥については……かなり専門的な話になりますが……しますか?それとも省きます?」 


 相変わらず自信なさそうにひよこはランの顔色を伺っていた。


「オメエの講釈なんか聞きたかねえよ。つまりこの御仁の論文の欠陥を東和軍の連中は知ってて理論を買い叩いたわけだ。ひでえ話じゃねえか。それで売主をより良い値で自分の理論を買ってくれる金回りの良い厚生局に切り替えた訳か……理屈は通ってるな」 


 かなめのタレ目を一瞥した後、ひよこは画面に女性研究者の写真を表示した。



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