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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第三十二章 退路を断っての退職願

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第151話 追い詰められた男達

「おう、お前がいたのか」 


 島田の声がしたので振り向いたが、すでに島田は隣のシャワーに入っていた。


 彼の声で島田が嵯峨達と同じ法術再生能力の持ち主であることを思い出して誠ははっとする。それがわかっても誠にどう島田に声をかけるべきかと言う考えは浮かばなかった。


 シャワーの音だけが響く。沈黙が続いた。


「島田先輩……」


 誠は沈黙に耐えられずに隣のシャワールームの島田に声をかけていた。


「昨日は眠れた。この身体は便利なんだ。疲れを知らねえし眠りたいと思えばいつでも眠れる。神前。テメエは眠れなかったって面だな」


 島田の言葉に誠は返す言葉もなく黙り込んだ。


「あの現象はオメエには起きねえんだ。つまり他人事だ。安心しろ。オメエはむしろ、あの三人の勝った方の法術師のようになれるように努力しろ。オメエならあのぐらい瞬殺できるようになれる。俺からいえることはそれだけだ」


 島田はそう言うとシャワーを止めた。


 しばらくの沈黙。島田は黙々とタオルで身体を拭いていた。誠は耐えられずに頭のシャンプーを流し終わると、急いでタオルで体を拭いて出て行こうとした。


「今日からが正念場だな。厚生局の連中は証拠の隠滅を始めてるだろう。それが終わる前に俺達がそこにたどり着けるかどうか。それが勝負だ」 


 シャワー室から出ようとする誠に島田はそう言って笑いかけた。誠は大きく頷くとドアを開けた。そしてそこでドアに顔面を強打して倒れているかなめとアメリア、そしてサラの姿にため息をついた。


「何してるんですか?覗きならやめてくださいよ。そんな日野少佐じゃあるまいし」


 思わず誠はそう叫んでいた。


「何でもない!何でもないって!ちょっと二人の様子が変だったから探りに来ただけだって」


 アメリアがそう叫んで食堂に消えていった。かなめとサラは取り残されまいとそそくさとそのあとに続いた。


「なんだかなあ……心配してくれているのはうれしいんだけど。もっと別の方法があるような気がするんだけどな」


 誠は苦笑いを浮かべながらタオルに手を伸ばした。誠はようやく自分が自分を取り戻していつもの自分に戻っていることが分かって、心の中でアメリア達に感謝した。



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