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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第二十一章 待っていた謹慎処分

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第109話 あれから忙しくなるはずが

「あれから……忙しくなるんじゃなかったんですか?こんなことしてて本当に良いんですかって……僕たち謹慎中ですものね。何もしちゃいけないんですよね。僕達って」 


 誠は思わずそうつぶやいていた。寮に着くと待っていた嵯峨は誠達に無期限の謹慎を命じた。


 理由は捜査権限逸脱だった。嵯峨は租界の軍事施設への強行突入に関して司法局上層部からの叱責があったと誠達に告げた。誠は黙認していた嵯峨の突然の変わり身に驚きながら抗議したが、一度決めたことを嵯峨が翻すことは考えられないとカウラに窘められて黙り込んだ。


 そして誠は次の日の朝、出勤する隊員達を見送った誠達はすることも無く食堂でコーヒーを飲んでいた。


「世の中思惑通りに行かないもんだよ。叔父貴も自分の身がかわいいのさ。奴に期待していたアタシ等が馬鹿だったと言うことだ。同盟軍事機構は同盟機構の中でも第一の権限を持っている組織だ。そこを相手にただのお飾りでできたに過ぎない司法局がいくら頑張ったところでできることなんてたかが知れてるってこと。分かったか?良い社会勉強になったろ?」 


 そう言いながらかなめはチョコレートに手を伸ばした。カウラも平然とクラッカーを食べていた。ただ何をする気にも成れない時間だけが過ぎた。


「そうよ、誠ちゃん。焦っても何も無いわよ。それに私の勘ではこのままではこの事件はこのままでは終わりそうにないのよね。いくらパトロンの遼北が絡んでいないとあっても同盟厚生局だけが今回の事件の首謀者だとは考えられないもの。厚生局は所詮は研究開発機関でしかない。法術師を開発したら当然その技術を売りに出すつもりでしょうしね。その売り手として他にいくつかの組織が協力している。私はそうにらんでるわ」 


 アメリアはニコニコ笑いながらさっき一人でコンビニに出かけて買ってきたのチーズケーキを口に運んだ。嵯峨の突然の命令にキレた島田は一通り大暴れして手が付けられなくなったので、簀巻きにされて部屋に放り込まれていた。


 朝、隊に同居しているサラが島田の部屋に居た。おそらくは島田はありったけの不満を彼女にぶつけていることは誠にも容易に想像がついた。二人の青春ごっこは新たなステージに達しようとしていた。


「安心しろよ。捜査権限の委譲は済んでないんだ。ライラ達が出来るのは茜がこれまで厚生局の役人に対してやってたことと同じ任意の事情聴取ぐらいだろうな。むしろレンジャー隊員がその得意とするその現地住民などに対して行われると言う交渉術を駆使して、厚生局の外郭団体などのこれまでアタシ達が手を出せなかったところまで人海戦術で労せずして情報が集めてくれる。良いことだろ?」 


 見た目の子供のような姿からは想像もつかない大人びた考えをランが示して見せた。そして一人日本茶を飲みながら穏やかな顔で誠達を見つめる茜の姿があった。


「みなさん、落ち着いてますね。僕にはそんなに簡単に割り切ることなんてできません」


 一人、誠は苛立っていた。何もできないでいることの辛さを誠は人生で初めて知ることになった。


「落ち着いてないですわよ。はらわたならとっくに煮えたぎってますもの。あとはライラさんのお手並みとやらを拝見させていただきましょうよ。私達が出来なかったことを軍人さんなら見事やってのけると言うことを証明していただかないと気が済みませんわ。本当にお出来になるのか高みの見物をしている最中ですの」


 茜はそう言って静かにお茶を飲んだ。誠が見ていてもこめかみが引くついているところから見て茜はかなり怒っていることだけは確かだった。



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