その77、あくどいことをやってるようで
「どうやら、向こうにとっては姉妹のうち、どっちゃでも良かったみたい」
と、わたしは手を叩く。
「けど、自分が有利に進められるよう、チクチクやってたんでしょ」
「……よくもまあ」
ドラコは怒るよりも、呆れている感じだった。
「そ、そういうことか……」
ヘッダは微妙な顔をしていた。
「安心した?」
「な、なにがだ!?」
私が言うと、ヘッダはあわてて目をむいてくる。
あまり怖くはないが――
「一応女として見られていたってことに」
「余計なお世話だ!」
「あっそ」
可愛くない態度のヘッダから目を外し、わたしは肩をすくめた。
「ま、このまま妹に任せていればいいんじゃない?」
「そ、そうなのかな?」
ドラコも微妙な顔である。
「ガッカリした?」
「は?」
「自分が執着されてるわけじゃなかったから」
「いや、別に」
ドラコは即答して手を振る。
「けど、それはそれとして……。このまま実家があの男に良いようにされるってのは……」
気に入らないらしい。
「そりゃわかるけど、あんたが逃げたのがね……」
「うぐ」
「けど、それはいいとしてさ。やっぱり、ほっておくのもまずいか」
「やっぱり?」
わたしが言うと、ドラコは乗り出してきた。
「あんまり良い趣味の男じゃないみたいだしね。裏ではそらあ好き放題やってるわ」
「……聞きたくない話っぽいね」
「わたしだって、別に詳しく話したかないけどさあ」
けど、一応話したほうが良いのだろうか?
「で、具体的には?」
「金ずくで人妻を脅してアレしてるとか、奴隷を買って変態趣味してるとか」
「ど、奴隷?」
「なんか、秘密の別荘にエルフ奴隷とか買ってるみたいよ」
そう忍者の報告である。まったく、エロゲーみたいな話だ。
「なんてこと……」
「けど、似たようなことしてるのはけっこういるみたいだし、公然の秘密? みたくなってる感じだわねえ。酒のほうでもかなり荒稼ぎしてるようで」
他国から安く仕入れて、高く売ってるみたいだ。
「あとは――」
「まだあるの?」
「ある」
わたしはうなずいて、ちょっとひと呼吸。
「外国に何か色々密輸してるみたいだね。出すのも入れるのも」
「うわ……」
ドラコはたまりかねたように顔を手でおおった。
でも、しょうがないね、事実だから。
ラストまであと少し……!




