その73、ドラコの過去
区切りをつける目標ができました。
「実は――私、リンボッド家の人間なの」
「なにそれ?」
「え?」
わたしの反応に、ドラコは一瞬不思議そうな顔をしたが、
「あ、ユウは勇者候補なんだっけ」
「つまり異世界人。よそものね」
「えーと、ね。リンボッドは、公爵の位にある家なんだ」
「ふーん? えらいの?」
「ま、まあ。一応王族の流れを汲んでるから……」
ドラコは困ったように言うのだった。
「つまり、王様の家系?」
「そうなるね。とはいえ、今は中央からはみ出してるけど」
「ふーん」
現在。
わたしたちはあの襲撃者を連れて、ギルドの宿泊所にいる。
登録している冒険者のみが使える場所だ。
ドラコの妹とかいう不審な襲撃女はまだ気絶していた。
回復魔法もかかっているし、特に大事はないらしい。
「それで……その公爵家のお嬢様が何で冒険者やってんの?」
「……いや、まあ。家出して?」
「お見合いから逃げたの?」
これは冗談だった。
何となく漫画とかでありそうな展開をいってみただけである。
「……まいったなあ」
するとドラコは苦笑して髪をかいた。
「は?」
「図星っていうか、正解?」
「え。ホントにそんな理由だったの?」
「……うん」
「ほーん。その相手ってのは、すげえオッサンとか? ブサイクとか?」
「そんなことはないと思うけど。まだ若いほうだし。どっちかと言えば、ハンサムかな」
「じゃ、貧乏なの?」
「お金はうちよりも断然あるね――」
と、ドラコは苦笑する。
「じゃ、なんで逃げたりしたわけ? 嫌なら断りなさいよ」
「何度もそうしたんだけど。私の意見は聞いてはもらえなかったよ」
と、ため息のドラコ。
「親も乗り気というか、お金に……アレだったし」
「目がくらんだと」
「……ハッキリ言うなあ」
ドラコは苦笑を噛み殺すようにしていたが、やがてため息。
「……戻ったほうがいいんじゃない?」
「ダメ。どうしてもダメだった」
「なんで?」
「人間として、どうしても、ね……」
「そんなダメ人間なの? ヒキニートだったとか」
「ひき……なにそれ」
「まあ、家に閉じこもって、仕事もしないで遊んでるやつ、かな?」
「そういうのとは、タイプが違うね。まだそっちのがマシかも」
「えええ……」
おいおいおい。じゃあ、一体どんなクソ男なんだよ……。
完結まで、応援よろしくです!!




