その72、襲撃者の正体
昨日は休んでしまいました。
「ふん!」
わたしが引っ張ると、向こうも引っ張る。
双方譲らないので、そのうちに鞭は真ん中からちぎれてしまった。
「く……!」
向こうはよろけながらも、しつこくこっちを睨んでくる。
「よくわからんけど、ケンカする気か? 私は勝つぞ、おい」
わたしは拳を軽く握り締めながら、ドラコを置いて立ち上がる。
「ぬかせ……!」
と、向こうは腰のモノ……つまり剣を抜いてきた。
「やる気か?」
わたしも背中にしょってた鉄塊を持ち出す。
「そんなもの!」
相手の美女は、笑った。
嘲笑ったというのか、馬鹿にしているというのか。
そして、様子見なのかぬるい剣さばきでわたしに斬りかかってくる。
「ふん!」
それを、わたしは鉄塊で振り払った。
一瞬で剣は砕け散り、刀身は半分以上なくなる。
「うが!?」
獣みたいな声をあげて、相手は吹っ飛んだ。
直撃してないようだけど、腕は痺れているだろう。
右手を押さえながら、歯を食いしばって立ち上がろうとする。
「でや」
その隙だらけの頭に、わたしはチョップを叩きこんだ。
「ぎゃ」
短い悲鳴を出して、そいつはぶっ倒れる。
目を回したようだ。
「おい……大丈夫か?」
わたしはようやく、前後不覚のドラコを起こした。
「う……ん? あれ、ユウ……」
「いきなり変なのが襲ってきたもんだから」
「変なのって……。あ!」
体を起こしたドラコはあわてた顔で、わたしをつかむ。
「ヘッダは……!?」
「は? 何のこと?」
「って、あああ」
ドラコは倒れている不審者を見て、頭を押さえる。
「まいったなあ……」
「なにが?」
何が何やらわからんわたしを無視して、ドラコは不審者の様子を確認している。
「はあ、気絶してるだけか……」
と、不審者の女をおんぶする。
「それ、やっぱり知り合い?」
「うん……。妹」
「え」
てことは、ドラコより年下か?
そういえば、襲ってきた時は目つきのきつさでふけた印象だったが。
気絶してみると、案外若いというのがわかる。
「一体何なの、あんたの妹……。いきなり説明もせずに襲いかかるし……」
「……ごめん。理由は、その。家庭の事情?」
と、ドラコは頭を下げるばかり……。
近々サブ連載も更新予定。ともどもよろしく!




