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その70、ミスリルの鉱脈


マイア山の秘密の巻。







 何体もの胴体ロボを通り過ぎた後――

 ようやく奥へとたどり着いてみると……。


「な、なにこれ……!?」


 奥には、うっすら銀色に光る岩の壁が広がっていた。

 まさか、ウランとかそんなもんじゃなかろうな?


「ミスリルだ……」


「え?」


 光る壁を撫でながら、ドラコが言った。


「間違いない……。鉱石をみたことがあるから……」


「ミスリルって、高価で希少な金属? だっけ?」


「うん。鋼鉄よりも強くって、金よりも高価だね……」


「するとムカデは、これを採掘してたんか」


「うーむ……。こんなものがあったとは……」


 タベルナは腕を組んで感心していた。


「あんた、自分の住処なのに気づかなかったの?」


「鉱石のことなぞわからんわ!」


「ああ、そう……」


「ミスリルは、土に埋めるとその土地が栄養素に満ちて豊かにもなるって聞いたことがある」


「うむ。確かにうちの果樹園はよう育っておった……」


「困ったな……」


 ドラコは頭を掻いて、ため息をついた。


「何が?」


「ミスリルの鉱脈があるなんて知れたら、きっと国も土地の領主も黙っていないよ」


「なるほど……」


 でかい油田が発見されたようなもんだろう。

 金の生る木に、色んな連中が集まるのは間違いない。


「そうなると、こいつは本格的に追い出されることになるなあ」


「こ、こりゃ! 薄情なことを申すな! 何とかせい!」


「何とかって……」


「まあ、内緒にしておくのが賢明だろうね」


 ドラコは何か言いたそうな顔でわたしの肩を叩く。


「ギルドには、ムカデの正体も内緒かな。しゃーない、ロボットどもは全部回収するか」


「ムカデは逃げた、とでも言っておきなよ」


 場当たり的だが、ともかくそうするしかないか……。


「もう少し安全というか、念の入った方法は……」


 ドラコが指を顎に当てて言う。


「方法は?」


「ユウが領主になることかな?」


「わたしゃ素性のしれん根無し草ですぜ?」


「まあ、そうだね。でも、このへんはほぼ無視されている土地だから、うまくすれば地方領主くらいにはなれると思うよ」


「うん、お前なら大丈夫そうじゃ、そうしてくれ」


「それってお金かかるんでしょ?」


「まあ、結局は土地を買うわけだからね。あと、だいぶ制限もかかるだろうし」


「税金は?」


「相応に」


「やだなあ……」


「でも、このミスリル鉱山は争いの元になるよ」


「けど、そりゃ。そりゃこの土地の問題だろうに……」


「待て!! 今さら見捨てて知らぬ顔か!?」


 と、タベルナはわたしの足にしがみつくのだった。







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