その69、ムカデから脳みそ
もうすぐ70回ですね。
「分解でもしてみるか……?」
わたしは無責任に言ってみた。
「どうやって?」
「うーむ……」
しかし、ドラコの問いに、答えれずうなってしまう。
そんな知識も技術もない。
というか、どうやって組み立てているのかさえわからなかった。
「うっす。自分ならできると思うデス」
力士が言った。
「ほう? じゃ、頼むわ」
「うっす」
「多芸だねえ……」
ドラコが力士を感心したように見るのだった。
「他のみんなは、周りの監視をお願い」
周辺を召喚戦士に守らせ、ムカデの分解が始まる。
「うっす……」
力士は手から波動のようなものを出し、ムカデをバラバラにしていく。
パーツごとに分けられ、ゆっくりとムカデは体内を表していき……。
「あ……」
やがて、サッサーボールくらいの金属球が出てきた。
「開けますデス」
その球も複数に分かれ、何かが出てくる。
ばしゃり。
「水だ……。いや、血?」
鼻を引く突かせ、ドラコは顔をしかめる。
何かの液体が地面を濡らしていく中、さらに出てきたもの。
「なんじゃ、これは!?」
タベルナが悲鳴をあげた。
出てきたのは、黄色っぽい脳みそである。
「脳みそ……? 人間の?」
「確かに。この匂いは人間のようじゃが……」
「こんなものが大ムカデを操っていたの!?」
ドラコは脳みそを凝視して、息を飲む。
「自然物……じゃあないよね?」
「当たり前じゃ!」
「多分、力のある魔法使いの仕業だろうけど……普通じゃない」
嫌悪のある視線で、ドラコは脳みそを見た。
「……ってことは、あの胴体部分も?」
まさかと思って分解すると、やっぱり脳みそが出てきたのだった。
「何ちゅうことじゃ。ムカデの正体がこんな邪術とは……」
「そもそも、こいつらここで何をしてたんだ?」
「調べてみるしかないね――」
ドラコはトンネルを見ながら、ため息をついた。
「しかし、この脳みそ……」
「やむをえん。土に葬ってやろう」
そして。
わたしたちは脳みそを土葬にした後、トンネル内へと入った。
前を1号と角刈り、後ろを力士。わたしたちは真ん中。
力士が魔力で周辺を照らしながら、地下深くへ。
トンネルは大きく、どこまでも続いていた。
途中で、動かなくなった胴体ロボが転がりまくっている……。
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