その58、巫女姉妹と蛇妖精タベルナ
蛇妖精酒飲み。
仕方ないので。
わたしはメリジューヌに監視用の鎖をつけた。
形は、右手首に枷。それに鎖がついている。
これでこいつの動きはわたしにわかるし、何かあればすぐ拘束できる、らしい。
おかげで力士がいなくっても、ある程度は大丈夫。
まあ、念のために待機させておくけど。
「うっす」
そういうことだった。
「おい、ユウ。酒が飲みたい」
こいつの厄介な点は、やたらと酒を飲みたがる点だ。
アル中かよ。
とはいえ、酒を飲ましておけば下手に飯を食わせるより安くはつくが――
こいつが捕まったおかげで、王都への流通は復活。
しかし。
酒への税金は消えることはないのだ。
「あー、ユウ。それが噂の妖精?」
モノニクスへ戻ったわたしに、巫女姉妹も訪ねてくる。
「思わんことで、変なのを預かることになって……」
「変な、とはなんじゃ。わしはマイアの主ぞ」
「今は追い出されてただのモンスターだろ」
「モンスターではない! 蛇妖精じゃ!!」
「わかったからおとなしくしろ。酒やらないぞ」
「うぐ」
「あははは。仲良くやってるねえ?」
どこがだよ。
チェスタののんきな声に、思わずツッコミたくなる。
「でも、預かるのが嫌なら元いた場所に返せば――?」
姉ウィンの言葉は一見もっともらしいけれど……。
「そ、それができたら苦労はないのじゃ……」
メリジューヌは情けない顔になる。
「ところで、この子の名前は?」
「こりゃ、わらわはお前よりも年上じゃぞ!?」
チェスタへ文句を言うメリジューヌ。
名前は確か、
「タベルナじゃ」
「そっか。私、チェスタ。よろしくね」
妹巫女は愛想よく笑って、蛇妖精タベルナと握手。
「うむ。酒のいっぱいも奢ってくれるかや?」
「あははは。お酒好きなんだねー」
「うむ」
「だけど、いつまで預かってるの?」
そう聞いたのは姉のウィンだ。
「こいつが故郷に帰るまでかなあ……」
「そりゃまた気の長い……」
「ムカデのモンスターが山にいるんだって? じゃあ、ユウがやっつけたら?」
「気楽に言うなあ?」
「一応地元から依頼はあるんでしょ」
「割に合わないのさ」
「それかあ」
報酬問題を口にすると、チェスタがうなった。
「そうだ。ねえ、タベちゃん? 何か出せないの、お礼とか」
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