その51、撃退したけど美女がさらわれた
今回より一日1回の投稿になります。
それでもできる限り続けていく所存。
「力士、援護してよ!」
「うっす!」
わたしは叫びながら、メイスを手に荷台を降りた。
今回に備えて新調したもの。
両手持ち形で、破壊力を重視した逸品である。
「おりゃああああああ!!!!」
わたしは渾身の力でフルスイング。
鉄塊を喰らったワームはぐらつき、しゅうしゅうと舌を巻く。
「おら!!」
ひるんだところを、胴体へさらに連撃。
でかいから、雑でも当たり所がたくさんだ。
ワームは口を開くが、
「どすこい!!」
吐いた酒しぶきは、力士が魔法陣で押し返した。
「おら、おら、おらああ!!」
続ける攻撃に、ワームはあちこちの鱗がはがしながら、暴れた。
たまりかねたように、尻尾を大きく跳ね上げる。
「うおっと!!」
わたしに迫る尻尾も、魔法陣で防がれた。
と、またもワームは闇雲に酒しぶき。
もはや、無茶苦茶だ。ぜんぜん当たらない。
そう思っていると――
「しまった……!」
いつしか、周辺は酒の霧で包まれていた。
「力士、なんとかできる!?」
「うっす!」
力士の声と共に、周辺を突風のようなものが吹いた。
風は、一瞬で霧を吹き飛ばし、視界を新たに。
「逃げられたか……って!?」
いない。
横で倒れていたドラコが、いないのだ。
まさか……。
「どうもあのワームに連れてかれらみたいデス」
おいおいおいおい。
美女をさらっていくって……。
っていうか、クルラホーンは!?
「周辺に敵はいないようデス」
「状況が悪いと悟ったってか――」
ともかく、みんなをどうにかせんとな。
力士がアルコールを抜くと、みんなすぐに元に戻った。
「なんと、酒を吐くワームですか……」
「そういうことです」
「しかし、ドラコさんがさらわれたなんて……」
代表はかなり心配そうだった。
「ともかく、わたしはわのワームをおっかけるので」
「でも、サモナーさんがいない時にまた襲われたら?」
「ふむ……」
他の隊商メンバーは不安そうだった。
確かに、また襲われたら面倒である。
しかし、あのワーム対策には力士を置いていくわけにもいかん……。
さて、どうしたものか?
応援してくださったかた、まことにありがとうございます。
また、ちょっとでも楽しんでいただければホントに嬉しいです……!




