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その50、酒しぶきの蛇龍(ワーム)


アルコールを武器にするドラゴン種モンスター登場。






「敵!?」


「うっす」


 と、うなずきながら、力士はわたしに手をかざした。

 すると透明な膜みたいなものに覆われる。


「これでアルコールは除去できるデス」


「敵は……?」


 横から、ドラコが叫んだ。


「あなた、大丈夫なん?」


「よくわからないけど、お酒には強いから……」


 そう言うけど、彼女も頬を桜色になっていた。


「一体どういう攻撃なの?」


「アルコールを薄い霧にして、相手に吸わせるもののようデス」


「それで……」


「一気に酔ってしまうデス」


「なるへそ……」


「そっちのお嬢さんも長い時間は危険デス」


「じゃ、ボンヤリしてないで、バリヤーはって! アルコール抜いて!」


「うっす」


 わたしは周辺を睨むが、敵の影はない。


「一体、どこから……」


「あそこデス」


「え!?」


 力士が斜め横を指し、指からビーム。

 と、街道から離れた草原地帯に、小山のようなものが……。


「ワーム!!」


 ドラコが叫んだ。


 なるほど……?


 その小山に見えたものは、長い胴体を持つ蛇だった。


 いや、蛇じゃないかな?


 後方に突き出した角が数本。 

 顔つきもどこか獣じみているような。


 手足のないドラゴン。すなわち蛇龍ワームか。

 確か毒を持っているタイプも多いそうだが……。


 そう思っていると、ワームはカッとそのでかい口を開いた。

 途端に、怪物は霧のようなものを吹きだしてくる。


 それを力士がバリヤーで防ぐ。


「これは……!?」


「アルコール。いえ、酒の霧デス」


「酒!?」


 そうか、こいつで隊商をアルコール漬けにしていたわけか……。

 てなことを思っているうちに、ワームは酒しぶきを吐きながら接近。


「このぉ……!!」


 ドラコは剣を抜いて、横からワームに斬りかかる。

 しかし。


 すぐさま向きを変えたワームは、酒しぶきをもろにドラコをぶっかけ。


「ふぎゃ!?」


 ドラコは猫みたいな声を上げて、地面を転がった。


「こりゃ、他の召喚戦士もやられるかな?」


「危険は危ないデス」


「さようか……」


 ともかく、まずはこの酒蛇をなんとかせんことには……!







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