その46、ついに護衛依頼が来てしまう件
話が動き出す。
「……そういうわけで、ユウさん。あなたに依頼したいのです」
わたしが傍観している間に、お酒の被害は出まくったようだ。
あちこちで襲撃され、お酒だけが全て奪われる。
中には、外国から来た隊商もあったそうだ。
「二次被害と言うのも出てきてるんですよ」
と、受付は盛大なため息。
それはもう。
見ているだけで不景気になりそうなため息だった。
「アルコール漬けでヘベレケになったところを、盗賊に襲われるんです……」
「ありゃあ」
「クルラホーンはお酒だけですみますが、盗賊だと命も危ない。荷物も根こそぎです」
「ううむ……」
「街道の巡回も、限界がありますからねえ」
「隊商は全部やられるんですか?」
「いえ、URランクの魔法使いが警護していたものは、無事に到着したとか。それから、空を飛んでの……いわゆる空輸も大丈夫ですね」
「空輸、ですか」
「ヒポグリフを使っての快速便です。他にも、飛空艇を使用したものも」
「そういう便利なものがあるんですか」
「ええ、かなりコストがかかりますけど……」
と、受付は苦笑した。
ヒポグリフは、前が鷲、後ろが馬というモンスターだ。
何となくグリフォンの劣化バージョンみたいなイメージがあったけど。
「他にも鳥型のモンスターを使役しての空輸はあります。しかし、あまり量は運べない」
「でしょうね」
「飛空艇は、さっきも言ったようにコストがかかるんです。作る・飛ばす・整備に管理。全部相応の技術者がいります。それに、ルートによっては陸路より危険だそうで」
「で、魔法使いは……」
「高ランクの魔法使いは、強い戦士やアーチャー以上に希少ですよ」
「そりゃそうか」
魔法使いは便利な攻撃力に加えて、知識階級でもある。技能者でもある。
「わざわざ危険な現場に突っ込むわけないか……」
「です……。なので」
「しかし、今回は今までみたいにはいかないかも――」
「ダメですか……?」
「相手のアルコール攻撃が防げるかどうか、ですよね? URの魔法使いはどうやって防いだんですか?」
「隊商を、防御結界で覆いながら移動したそうです」
「……とすると、それに似たスキルや魔法、あるいはアイテムとか」
「短時間なら使える人材はいますけど、どこで使えばいいのかわかないですから」
「何か敵を探知する魔法とかもあるでしょ?」
「それも、絶対というわけではないです……」
「んー。まあ、こっちの浅知恵でどうにかなるなら、とっくに対処してるか……」
とはいえ、今までの戦いは基本物理攻撃というか暴力だからなあ。
大体わたしからして、いまだMPは0だ。
「困ったな……」
召喚戦士も色々いるが、魔法かあ……。
「ちょっと、検討してみます。でも、当てにはしないで……」
「どうか、お願いします……」
わたしはいったんギルドを去ってから、召喚戦士を吟味することに――
特殊攻撃……。魔法かあ……。
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