その40、お風呂で褐色美女と交流なり
気づけば主人公ヒロインはマッチョに。
「よく来られるんですか?」
「ええ、好きなんです。お風呂」
「ほー」
「特に楽しみもないので、これが趣味かもしれません」
湯船の中に浮かぶ褐色のけしからん肢体。
しかも、肌はきれいだった。
「ここのお湯は、ちょっとした工夫で美容効果があるそうですよ」
「へえ……。初耳」
「この街の名所かもしれません。上流階級のかたもけっこう多いのです」
「ははあ」
そういえば。わりと裕福そうな人が多かったな。
二階は別料金の休憩所もあるようだし。
まあ、それでも。今は昼間ということもあって、人は少なめだが。
しかし……。
隣に並ばれると、差がひどくてなあ……。
カビが生えた表現だけど、ボンキュッボン……なのである。
そこを行くとわたしゃあ――
「すごいですね」
「え」
「いえ、とてもたくましいです」
「はあ……」
ほめられた、のだろうか???
あまり観察もしたくはないが、今や腹筋は割れてしまっている。
元はガリだったのが、ムキムキになってしまった。
表面は脂肪が残っているけど、それでも腹筋はえらいことに。
このまま進むと、ボディビルダーというか格闘漫画みたくなるのでは。
さすがに手足がごんぶとになってないのが救いだが、
(それも時間の問題、かもしれない)
「わたしはお肉が多いので、スッキリした体型には憧れます」
と、タフトは淡々と言うのだった。
「そ、そうっすか? あははは……」
わたしはロン毛みたいな言い方をしながら、内心ちょっとむかつく。
正直な話、嫌味にも聞こえるのだ。いや、嫌味か?
が、相手の顔というより、雰囲気はそうでもないようで……。
後衛職だけどMPがなくって、HPが高くって、マッチョで。
しかも、呼び出すのはもっこりパンツの益荒男なのだ。
一体どうなっているのか……。
そんなことを話しているうちに、上がることに。
タフトと並んで体をふいていると、
「あっ」
でかいおばさんの尻にタフトが突かれ、バランスを崩した。
「あぶない……」
わたしはとっさに、彼女を抱きかかえてしまった。
……図らずも、褐色の美女をお姫様抱っこ。
されるんじゃなくって、する側かよ。
まあ、今さらこのボディじゃなあな。
元から男には縁がなかったが、これでますます縁遠くなったかも。
「あ、ありがとうございます……」
タフトはちょっと頬を赤くしていた。さほど嬉しくはない。
抱き心地は良かったけど、バストにはつい目が行くが――
それでも、別に女性が好きなわけではないからなあ……。
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