その33、任務完了なり
ボスとの決戦、決着の回。
「てぇい!!」
気合と共に、ウィンは一つの首へ集中して矢を撃ちこんでいった。
ハリネズミのごとくなって、ついにその首はダウン。
一本はちぎれ、一本は矢だらけ。残る首は二本だ。
「私、することないよお!?」
「じゃあ後で回復して!!」
後方で愚痴るチェスタに言ってから、わたしはメイスを手に走った。
付け入りやすいと思ったのか。
パスハの首がこっちにやってきた。
だがダメージは大きいのだろう。
隙が多いドタマに、わたしは全力でメイスを叩きこんだ。
後の防御も考えずに。
「うりゃあああ!!!」
すると。
メイスは完全にパスハの顔面にめり込む。というか、突き刺さった。
それで、首は絶命して、動かなくなる。
顔を上げると、1号が残った首を手刀で斬り落としたところだった。
「やった……!?」
「どうやら、仕留めたようだね」
わたしが言うと、角刈りはパスハの胴体に手を当て、うなずいた。
「じゃあ、回収しちゃいましょうねえ~~~」
いつもの調子で、パスハの遺体は素材に分解されて魔法空間へ収納。
「お見事です……」
後ろにいたタフトがわたしの肩を叩いた。
「まあ、召喚戦士のおかげでね……」
「いえ。あなたのパワーが」
「あははは」
「これなら前衛職として、立派にやっていけますよ」
「あんまり痛いのは好きじゃないけど」
マゾじゃないしね。
「っと、いけない……。皆さん、集まってください」
タフトは少し声を大きくして言った。
「ボスが倒れたので、ダンジョンが崩れます」
あわてて集まるわたしたちは、またも透明に球体に包まれた。
「水中のガードはおまかせっすよ!」
そして。ロン毛を残して、召喚戦士たちは送還していく。
見ていると、壁や天井がどんどん砂のように崩れ出した。
いや、粒子状になって消えていく……。
気が付いた時、わたしたちは水中の中に浮かんでいた。
水底には無数の宝箱と、溺れているモンスター。
あわてているらしく、こっちを構う暇はないようだ。
「では、できるだけ急いで戻りましょう」
そう言いながらも、球の動きはスローモーだ。
時折、突っ込んでくる水棲モンスターを、ロン毛が撃退していく。
ようやく、水面を出た時には、ホッとした。
球は水上を進んで、ゆっくり陸地に到着。
「これで、良かったのかな?」
「ええ。おかげさまで厄介なダンジョンを処理できました。感謝します」
「いやあ」
「でも、湖がえらいことになっちゃったね」
チェスタが物悲しそうに言った。
なるほど、あちこちにモンスターの溺死体や宝箱が浮いている。
皆様の応援を切にお願いします。
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