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その28、バロ湖のダンジョンと調査員


10日目となりました。





「バロ湖?」


「うちの近くって、いうか……。目の前じゃん」


 話をした途端、巫女姉妹は驚いたようだった。


「うちって……」


「つまり、実家? 故郷ふるさと。出身地」


「ああ、なるほど」


「……。ねえ、ユウ? 良かったら、そのクエスト私たちも連れて行ってくれない?」


「うん?」


「自分の故郷だから、気になるんだ。しばらく帰ってないし」


「けっこう厄介で危ないクエストっぽいすよ」


「覚悟してる」


「んー、わかった」



 てなわけで。


 わたしたちはバロ湖へと向けて出発することになった。



「こ、これに乗るの?」


「大丈夫、喰いついたりしないから」


 チェスタはポポバワにちょっと引いた。


「こっちが連れて行ってもらうんだから、ワガママ言わない!」


「だって、不気味だよぉ?」


「ちゃんと飛べて運んでくれるなら、姿なんかどうでもいいの」


「ふえーん……」


 アホっぽいやり取りの後、3体のポポバワは飛び立つのだった。


 しかし、こいつらも複数呼べるのは発見というかありがたいな。

 おかげで今回みたいなことができる。



 しばし空の旅をへて、わたしたちは無事バロ湖までやってきた。



「……約束だと、ここで調査の人が待ってるはずなんだけど」


 バロ湖近くの村――サルタ。

 上から見ても、何だか寂れた感じのするところだ。


 あまり人も見えない。


「うわあ、久しぶり……」


 村の入り口あたりで着地すると、チェスタは元気よく飛び降りた。

 ふむ。半分漁村で、半分農村ってとこだな。


「召喚士の、ユウさんですか?」


 歩いていると、声をかけられる。

 フードを目深にかぶった女性が立っていた。


「調査員の、タフト・アルアルドです」


 言うなり女性はフードを脱いで、素顔を見せる。


 褐色の肌に、ウェーブのかかった物静かな美人さんだ。

 背が高くって迫力があり、能面みたいに表情が見えない。


 調査員は、右手の甲を見せてくる。

 そこに、ギルドの印が浮かび上がった。


 顔立ちも聞いていたものと一致する。間違いないようだ。


「はい、クエストを受けてきました」


「助かります。何しろ場所が場所なもので」


「……場所?」


「ええ、ダンジョンはこの近く、バロ湖の湖底なのです」


「はあ!?」


 何それ、初耳なんですけど!?


「み、水の中にあるんですか……?」


「ええ、おかげで水棲系のモンスターが湖で大量発生を」


 聞いてないぞ、おい……。








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