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仲間になりたそうに見ないで下さい  作者: ヒコしろう


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第71話 新婚なのに…

ヨルドの街の教会で、皆に祝福されながら、無事にシシリーとの結婚式を挙げている。


しかし、新郎が魔力タンクの宝珠装備を複数と、マジックポーションをがぶ飲みして、拠点の仲間やお客様を連れて来るって…


まぁ、馬車での移動に1ヶ月くらいかかるし、生き物の世話とか有る人もあるから仕方ないけど…


そして、式が終わり、むしろ皆様の本当のお待ちかね…結婚披露パーティーが始まる。


館にて立食パーティーと、街の広場では炊き出しと振る舞い酒に屋台が建ち並び、ヨルドの街は、どこもかしこもお祭り騒ぎである。


解らないのは…現在ただの伯爵なのに各国の王様や要人達が、このパーティーにもれなく参加しているのか…


サントスさん?…何が、


「招待状を出したという事実が大事なんです。全員は来ませんので…」


だよ、確かにフェルド国王は勿論、アルトワ国王やガイナッツ国王も呼ぶからと他の国の王様にも招待状は出したけど…


皇帝陛下が、俺の横で、


「ぷぷっ!見てみろポルタよ、奴らヨーグモスの一派だった国の連中だ、そなたに睨まれるのを恐れて南の果てからやってきたのだな…

ポルタよ、挨拶してやれ、一人一人丁寧に顔を見ながらな…」


と、ご機嫌だ…


試しに挨拶してまわったが、全員変な汗をかきながら祝いの言葉を述べている。


グループの最後の一人などは、


以前の会議の席でヨーグモス王と並んで、何やら魔族の事をかなりきつく罵倒していた国の王様だったのだが、


「命ばかりはご容赦を…」


と小柄な体を更に小さく小さくして謝りだした。


マジで止めて欲しい…お祝いムードが一瞬凍り付いたよ…


ムカついたからヨーグモスを滅ぼしたとでも思っているのだろうか?…失礼な…


周りの他の国王も、


「ヨーグモス王の腰巾着のそなたのせいで!」


とか追撃をかけ始める…


『いい加減怒るよ?!』


と、俺はイライラしはじめるが、そこをグッと堪えて、


「皆様その辺りで…本日は、私の門出の祝いの席ですので、この顔に免じて一旦宴を楽しんで下さいませ。」


と微笑むと、


「私は、許されたのですか?…神よ感謝いたします。」


と小柄な王様は膝をつき、俺に祈りを捧げだした…


『だから止めろよ…俺が苛めてるみたいじゃねーか?!』


と、コイツは更に俺をイライラさせる…それに遠巻きに何だかヒソヒソされている気がして、俺は、気まずくなりその場を退散したのだが、

皇帝陛下が、まぁ、ご機嫌で、


「プークスクスクスっ。

命乞いに感謝の祈り…よほどポルタが怖かったのであろうな…」


と…俺は、少しイラッとして、


「皇帝陛下、今後は皇帝陛下がキッチリ先頭に立って魔族と人間、それに人間同士も仲良くするようにしてくださいよ…

怠けたり、放置していたら…」


と言いかけると、


サッと青い顔になった皇帝陛下が、


「わかった、わかった!

ポルタよ…あれ以来、自分の影にも居るのでは?と、頭を過る…

そなたの不興は余も買いたく無いのでのぅ…」


と言ったあと、陛下は


「イルよ、ポルタが苛める…」


とカーベイル様のもとへ逃げて行った…


アレで十五の国を纏め上げる帝国の長なのだから参ってしまう。


各国の王様に挨拶まわりをしていると、アルトワ国王の所で、ロックウェル伯爵様夫婦と現在はアルトワ王国の他の街のダンジョンショップの店長に昇進したニールさんも俺の結婚に駆けつけてくれていた。


ニールさんは、


「ポルタさん…いや、ポルタ伯爵様、誠におめでとうございます。」


と祝いの言葉をくれたので、俺は、


「止めて下さい、ニールさんのおかげで俺は、冒険者として何とかなったんだから…今まで通り、ポルタとして付き合って下さいよぉ」


とお願いすると、ニコリと笑ったニールさんが、


「新婚さんにオススメの逸品をお持ちしましたよぉ~!」


と始めた。


『なんだか懐かしいな…』


と感じつつ、俺は、この茶番劇に参加する事にした。


「えぇ~、なんですかぁ~?」


と俺が聞くと、ニール店長は、


「若いのに…まだまだ若いはず…

なのに、日頃の激務で元気が出ない夜…有りすよねぇ…」


と、語りはじめる。


おいおいマジか…ナイトグッズとか止めてくれよ…と願う俺だが、乗り掛かった船は降りれない…俺は、


「そうなんですよねぇ~」


と、困った顔をしてみる。


するとニールさんがマジックバッグから箱に入った指輪をとりだして、


「そこで、アルトワ王国、イルデダンジョンの下層にて手に入る精力の指輪です。

本人が魔力を流せばあら不思議…」


『って、やっばり際どい商品じゃねぇ~かよ!』


と呆れる俺だったが、しかし、来ていた各国の要人の方々、男女問わずにバカ売れだった…


『なんだかなぁ…』


と思いながらも、会場の多くの購入者を眺めていたら、

お妃様達と指輪を片手にキャッキャと話している皇帝陛下御一行がいた…


『おい皇帝陛下…陛下は要らんだろ!?』


と思って見ていたら、


「ポルタの子が生まれたら、何がなんでも婚姻を結ぶぞぉ~!…

そのために…」


と…円陣を組み「ファイ、おー!」している皇帝一家に呆れながらも、

会場をよくみると、他の国王達も指輪を片手に俺を見つめている…


『婚姻狙いか!!』


怖い…しかし、予定も何もない未だ見ぬ俺の子よ…この世界は厳しいが嫌がらず生まれて来て欲しい…

君を狙っている〈嫁・婿〉ハンターが居るが、パパが守ってやるから…と将来が少し不安になる俺だった…



それから数日後…

新婚…新婚なのに…新婚旅行も未だなのに…と不満をもらす俺は現在、旧ヨーグモス王国、今は俺の国として丸投げされた、もう、何もかもが、ガタガタの国に来ている。


ヨルドから一週間…久々の馬車の旅だ…

転移を使うにも一度現地に行かなければならないし、転移先の設定は5つ…既に空きが無い。


悩んだ末にクレストの街の登録を消した。


最悪、拠点から行けば何とかなるしね…


そして、やって来たのが旧ヨーグモス王国の都、海に面した街〈オーツ〉…って…


絶対300年前の勇者は〈滋賀〉に縁のある方だったのだろう…ならば、勇者パーティーの忍者も何となく…理解が出来る…うん…中二病と馬鹿にしたが、本当に甲賀流の末裔かも…悪いこと言っちゃったかな?…


でも、これだけは言える、

300年前の勇者は若くして飛ばされて来たか、又は、相当のおバカさんであると!


なぜなら、帝都は勿論、自分の領地にすら地球の知恵を使った品物がまるで無い…まぁ、おかげで俺が沢山の特許で潤ったのだが…


唯一見つけた前世っぽいしなものが、オセロである。


小学生ぐらいで飛ばされたのか?…


しかも、セールスに失敗したのか、地域で局地的に流行った昔の遊び的なポジションだ…


気の毒なオセロだが…すまん、特許が外れた物に今は興味が無いんだよ…俺…


さて、現在俺が困っているのが、とりあえず、ウチの奴隷…というか、ウチの保護下に入った千人…


今は、とりあえず空っぽになったこの海の見える城に帝都から向かって来ている予定である。


街の入り口で転移の登録を済ませて、マット爺さんの工房にお願いして、アリス達と共同制作の簡易ベッド1000個を運ぶ為に、一緒に来た5名の騎士団員を残して俺は、再びヨルドに移動した。


ヨルドに帰ってきたが、


「貴方おかえり、ご飯にする?お風呂にする?…そ、れ、と、も…」


的なアレもなく、ヨルドの地下倉庫に山積みになったベッド等の物資をアイテムボックスにしまう、


集めてもらった大量の毛皮もあるので、布団が集まらなかった場合でも何とかなるだろう。


アイテムボックスに入れ終わればトンボ帰りで、

オーツの街の城や貴族街の没収された家々を仮設の住居にして、


なんとか暫くは千人が食べていける様にするのと、この国を運営していける様にしなければならない…


城の部屋にベッドを並べ、家族毎に住んでもらいうが、せめて冬は凍えない様にしなければ可哀想だ…


しかし、


正直な話し、街の住人はあまり好意的では無いように思われる…


勇者の末裔の国が自慢の種だったのに、その王様が戦に負けて、しかも罪人として処されたのだ…そして、負かした人間が国王…まぁ、『どうしろって言うんだ!』って言いたいわな…


なので、ここは港町としては使うが、別の所に街を作り、その街を拠点に国を立て直す予定だ。


皇帝陛下との約束で、整備が済むまでは天領のままで、三年後迄には何とかしなければならない…


何か街を作ってばっかりだな…領主ってこんなに建設ばかりなの?

街に居るよりか現場にいる方が長いかも…

あれかな?貴族って書いて、ゼネコンって読むのかな…

など、ブツブツ言いながら城を生活出来る様にしていく…


有り難い事に、無職に成った城のメイドさん達は皇帝陛下が雇ってくれており、現在移動中の元王族のお世話をしてくれているし、


職を失った他の貴族の使用人達も再就職先としてファミリー商会で預かる様に募集をかけている。


なので、この城などを含めた家を回せるだけの使用人は確保できそうだ。


…アホ程の人間が商会預かりになるが、なんやかんやで、この周辺の新規の職員だけでも、だいたい二千人…この人数を食わすには、普通の事では間に合わない…


今ある強みは、海が有り、海の幸が手に入り、塩が作り放題…無駄に広い土地が使いたい放題…


『でも…どうすんの?』


と知恵を絞る俺だが、


昔の日本人勇者がこだわって開発した温泉町があるのは嬉しが、オーツの街からも遠い…


「交通機関が徒歩か馬車…日本人なら頑張れよ先代勇者達…

もっと、こう!列車通してもっと物流とか…!!」


と、自分で言って気がついた。


「列車だ!もう列車を走らせよう!!」


と、ベッドを並べる手を止めて、叫ぶと、何事かと騎士団が集まって来てしまった。


俺が、


「ごめん、何でもない…」


と、大声を出した事に少し照れて謝ると、同行してくれたシルバ副騎士団長が、俺に近づいて、


「分かります…新婚で、いきなり他国を丸ごと領地にされて…イチャイチャも出来ませんもんね…

良いですよ。

ベッドは俺らで並べますから帰って奥方様を喜ばせて下さい。」


と気を回してくれた…


イチャイチャ出来ずに発狂した訳では無いが、

列車計画の打ち合わせもしたいので、お言葉に甘える事にした。


見送ってくれた騎士団がなんだかニヤニヤしていたのが凄く気になるが…


あれだろうな、イチャイチャしに帰ると思ってるんだろうな…


『そうだよ!イチャイチャもするよ!!

めっちゃするよっ!!!』


読んでいただき有り難うございます。

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