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仲間になりたそうに見ないで下さい  作者: ヒコしろう


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第64話 戦のあと片付け

さて、やっとユックリ出来るか?と思ったが、我がヨルドには大問題が一つ残っている…

それは手足をイナゴに食われた隠密騎士団メンバーが二名いるのだ。


人質を庇っての負傷…なんとしても治してやりたい!

エクストラポーションを皇帝陛下にお願いして譲って貰おうとしたのだが、宮殿に有るのは、いざ!という時のフルポーションと、国宝のエリクサーだけらしい…


ったく使えない皇帝陛下だよ…エクストラポーションの方が安いんだから常備しといてよ…と思わなくもないが、冒険者なんていう危なっかしい仕事をしている人間が沢山いるので、頑張れば手がだせるエクストラポーションは、常に需要があり、余分がなかなか無く、王族が買い占める訳には行かないらしい。


オークション等で年に何本か扱われるが、冬越しクランがダンジョンごもりをしたあとだから半年以上の時間があるし、待ったからといって必ずオークションに出てくる保証もない…

しかし、それでは、手足を無くした部下が気の毒だである。

なので、皇帝陛下にフルポーションを分けてくれませんか?と頼んだら、


「余の養子に成ってくれる?

なってくれるのならば、王族としてフルポーションもやれるし、国も興せるぞ。」


とか、面倒臭い事を言ってきたのでパスした。


もう、ケチンボの皇帝陛下に頼むよりは、カーベイル様を頼ろうと、騎士団を連れてフェルドナのお城に行くと、


「一本だけなら常備が有る。」といって、頑張ったご褒美と、陞爵祝いや婚約祝いとして、気前良くプレゼントしてくれた。


やはり、頼るならカーベイル様だ…


皇帝を引きずり降ろす際はお声がけを…と、心で思いながらヨルド戻り、一人だけでもとエクストラポーションを出すが、二人とも、


「二人共でなければこのままで居ます。」


と…確かに、自分だけ治って各国のオークションでエクストラポーションが出回るシーズンを待つのは気が引けるか…と考え、


『もう、こうなりゃ自力でゲットだ!』


と、エリクサーも出る上級ダンジョンにチャレンジしてやろう!と、準備をしていたらウチの知恵袋サントスさんに、


「領主が上級ダンジョンに潜っていい訳など無いでしょう!!」


と、ウンコをチビるほど叱られてしまった…

確かに、危ない戦争に送り出して、無事に帰ってきた矢先…勘弁してくれと、なるわなぁ…

と、なんだかんだ有って、結局、エクストラポーションは各国の冒険者ギルドに依頼をだす事になった。


翌日、ヨルドの街の冒険者ギルドに行って、カウンターでエクストラポーション一本の依頼をお願いしていると、


「困り事かい?」


と夢の狩人のメンバーが声をかけてきた。


『何でいるの?』と驚く俺に、夢の狩人のメンバー達は、


「酒と飯にやられて、移住してきた。」


と、話してくれた。


そして、エクストラポーションの話しをすると、


「その依頼、俺たちに指名依頼で出さないか?」


と言ってくれて、


何処の冒険者かわからない人に払うより、知っている冒険者に大金は払いたいと考えたので、


「引き受けてくれますか?」


と聞く俺に、


「鋼の肉体と、暁の魔導書とクランを組んでダンジョンに潜ってやるよ!」


と、快く引き受けてくれた。


ちなみに、あの二組も同じ理由で拠点を移したそうだ。


近々、ダサいマントのギルドマスターに酒でも届けておこう…

しかし、クレストのギルマスのエイムズさんも困ってるだろうな…高ランクが三パーティーいっぺんに拠点を移したのだから…と、クレストのある南の空に向かい、


「なんか…ゴメンね…」


とだけ謝っておいた。


さぁ、頼もしい冒険者にエクストラポーションの依頼も出せたし、


「のんびりするかぁ!」


と屋敷に帰ると、執事のテムズさんに、


「婚礼の準備を始めませんと、ご主人様は伯爵になられた上に、()()二十歳なのですから…」


と、言われた。


二十歳かぁ…こちらの世界では(もう)なんだなぁ…にしても、結婚かぁ…

シシリーさんと帝都に長期旅行はしたが、ろくにデートもしていない気がする…

でも、魔族のお城もバタバタしているだろうし…


「デートでも行かない?」


って雰囲気でもないんだよねぇ~。

でも、とりあえず、ユックリは絶対出来ない事が判明した。


諦めて働く事した俺だが、婚礼うんぬんの前に、ウチの騎士団の装備をワンランク上げておきたい…

今度は易々と四肢を食い千切られない程の物を用意してやりたいのだ。


御披露目パーティーの時のメインお肉のレッドドラゴンの革があるし、せめて、潜入する隠密騎士団の装備は、最上級の物にしてやりたい…素材を集めて装備を整えるか!?と、思いつき…叱られた後で言いにくいが、


サントスさんに相談すると、


「騎士団をゾロゾロ引き連れて行くのならば許可します。」


と、少し呆れ顔で言ってくれた。


そこから騎士団と兵士団、それに、ゴング爺さん達を集めて、装備についての会議が開かれた。


各団により要望が異なり、


軽くて機動力が有るのを好んだり、


なんならワイバーン自体にも面や鞍に付与の付いた防御力の高い物が用意できないか?とか、

今回あまり出番がなかった兵士団は、騎馬隊や弓隊や重装隊を発足したい…との意見が出た。


ならばと、兵士団から騎士団に一部繰り上げて、新たに兵士団を募る事になった…。


人が増えたし、魔王国の警備の助っ人に行く場合もあるから兵を増やさなきゃな…という事に決まり、先ずは、遠征で各地を巡る前にクレストの街に行き、冒険者ギルドでアゼルとメリザに指名依頼で以前のようにミスリルの納品クエストを依頼する。


ついでに、ギルド職員さんにお茶菓子と、エイムズさんに酒を一本届けておいた。


まぁ、エイムズさんには、だいぶ恨み節を聞かされたが、


「ポルタの街に主要メンバーを奪われたが、そのかわりアゼルとメリザに仕事回して、助かっているから許してやる…」


と、言っていた。


それから、転移で拠点にもどり、色々報告したのだが、


〈自称魔王と戦争して、〉


〈マジ魔王と婚約して、〉


〈伯爵に陞爵して、〉…


と、説明することが沢山有ってノーラさんには、


「えっ、ちょっ、情報量が多い?!」


と困惑された。


カブトムシ勇者ポルタの本を子供組の最年少ダミアンに渡すと、


「ポル兄ぃ、俺もう八歳だぜ…」


と言われてしまい…子供の成長は早いと痛感した俺だった。


知らない間に子供組も成長し、13に成った弟のトムは大工のネルソンさんに弟子入りし、

12のミミはお裁縫に目覚め、服屋さんのオープンを目指しているらしい…


「お兄ちゃんが店持たしてやるけぇ~のぉ~」


と、提案したら、


「私の力だけで頑張る!」


と言われてしまい、

嬉しい…兄弟達が立派に成っていると思う反面、少し寂しくもあった。


ダミアンの一つ上のポロは、オーガ村のゴルグさんに弟子入りして、どこかの国の騎士団に入りたいと日々鍛錬している…


俺が、


「ポロぉ、将来お兄ちゃんとこの騎士団にくるか?」


と誘うと、


「自分は、コネとか使いたくないので、遠慮しておきます。」


とキッパリ断られた…


あれ?自分の力を試したいだけだよね…お兄ちゃんがキライな訳じゃ…無いよね?…あれ、なんだろう、何で涙がでるんだろう…と、少し不安になるが 、将来店を持ったり、旅に出たりするかもしれない兄弟の為に、もしもの時用のお金をノーラさんにそっと託して帰ろうとすると、シェラが大きなカバンを背負って、俺にしがみつき、


「一緒に行く!」


と、言い出した。


卵農家は大工の〈ネルソン〉さんの奥さまの〈アマンダ〉さんとオーガの子供達に任せて、鬼娘ルルさんみたいなポジションで俺の近くに居たいらしい。


シェラは、ノーラ母さんに、


「絶対第三婦人に成ってくる!!」


と誓っていたが…まだ、第一婦人も仮の状態なのですが…と、複雑な気分で妹を見ていた。


血は繋がってないけど、オシメを替えた事が有る妹なんだよなぁシェラは…

お兄ちゃん大好きなのは嬉しいし、目に実際入れても痛いが我慢出来るくらい可愛い妹ではある…愛して居ると言っても過言ではない!のだが…う~ん…

しかし、シェラの中ではルルさんは既に第2婦人枠なんだぁ…と、色々あったのだが、とりあえず、本人の強い希望なのでヨルド連れて帰ってきたのだが…

まぁ~、シシリーさんと、ルルさんと、シェラが気が合うみたいで、仲が良いこと、良いこと。


安心して遠征に行けるが、一周回ってシシリーさんが完璧に俺要らずで楽しい毎日をエンジョイして、いずれ捨てられないか心配になる…

しかし、考えていても仕方ないので、女性陣三人の事は一旦棚上げにして、素材集め遠征に出発したのだが、魔王軍とガチでやり合った騎士団員は度胸も力量も上がり、しかも、皇帝陛下からもらった褒賞金の分け前と貯金を使い、みんな実費でスキルスクロールを購入したらしく、一段と強くなっていた。


固有スキル付きの武器等を揃える猛者もいるし、目的の魔物を討伐する前にかなりの素材が手に入りそうだ…

素材が集まれば、予備の武器や防具も作れるから良いのだが、


「ボーナスやお給料は自分の為に使って良いけど、将来の為に残しとかなくて良いの?」


と俺が聞くと、アベル騎士団長は、


「騎士団にいる間は衣食住の心配は無いし、騎士団で使い物にならなくなったら、既に与えて頂いたアイテムボックスとテイマースキルで運送屋にでもなるので問題なしです。

主より先に結婚するのも悪いというのを言い訳にしている間は家庭も持つ心配も無いので、貯金が無くても大丈夫です。」


と笑っていた。


この素材集めが終われば、俺の婚礼準備が始まるぞ…先ずはアベル団長から家庭を持って貰わないと…って、アベル団長はバツイチだったような…どうしようかな?再婚をオススメするのもアレかな?…と色々なことを考えてしまうが、まぁ、今は遠征に集中しよう!との結論にいたり、

狙うはアサシンバイパーという索敵にかかりにくい大型の蛇の皮と、金剛亀という魔法も物理も殆ど効かない甲羅を持つ亀の甲羅と、あとは、アダマンタイトというクソ硬くてクソ重たい金属で金剛亀の甲羅を削るヤスリを作るらしいので、色々な国に出向き希少金属を購入してまわる…

ついでにドラゴン皮ももう少し欲しいので情報を集めて…

隊長格の装備は、ペアさんに依頼して付与をお願いしても良いかもしれない…


あとは、転移を使った遠征用に大容量の魔力タンクを作って貰いたい…本当に遠征の度にマジックポーション腹でチャップンチャップンになるのは辛いからね…



読んでいただき有り難うございます。

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