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仲間になりたそうに見ないで下さい  作者: ヒコしろう


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第57話 街を整備しましょう

さて、ヨルドの町と周辺の領主に成ったのだが、ヨルドの街は先のワルド王国との戦争の時にだいぶ復興出来ているが、周辺に有った3つの村は、ほぼ放棄されたままらしく、村人は、戦争に巻き込まれ死んでしまったり、農地を踏み荒らされ他の地に移住や避難したりと、ダメージを受けたままである。


現在、ヨルドの防衛砦で、宰相のドノバンさんからの領主としての引き継ぎを受けているが、やることが山積みだ…


ヨルドの町の仮設住宅を気に入ってしまい暮らしている住人が多数いる住人が数百人と、村程度の人数しか残っていない。


もう、この地で俺がやりたい放題やるにしても一緒に街作りをしてくれる人間が欲しい…


俺は、


「貴族の世界もよく知らないし、領主の仕事もよく分からないので、ドノバン様が助っ人に残ってくれませんか?」


と無理を承知でお願いをしてみたら、ドノバン様は、


「安心してくれ、私によりは少し劣るが、我が息子〈サントス〉をポルタ君に付ける様に手続きしておるし、執事やメイドもフェルドナの城で編成して既に領主の館に配置しておる。

領主の仕事は息子に丸投げでもソコソコこなすだろうし、

ポルタ君のヨルド家に配属された執事は王家の執事長の次男坊〈テムズ〉だ。

かなり出来る男と評判の人材だし、貴族社会のことは彼から聞けば大丈夫ろう。

騎士団数名を、フェルドナの城からヨルドに移動させようと希望者を募れば、

あの戦争でポルタ君と戦った者が何人も移動願いを出してきて大変だったよ。

戦上手の君主の下でならば手柄も立てやすいし、何より無駄に死ぬ事が少なくなる…ポルタ君は優良領主と判断されたのだろう。

二十人ほど連れてきて、ヨルドの兵士と合わせて、

騎士と兵士で50名程いるので、一つの町にしてはまずまずの人員がいる。

上手く使ってやってくれ…」


と説明してくれた。


味方が居ると解り、ホッとすると同時に、


さて、この戦争の傷痕が残る町をどうしてくれよう…他の町と同じでは駄目だ…どうせなら最先端の町にしなければ…と、改めてヨルドを回り、色々と考えるが、もう、一から壁も道も建物も配置し直してしまおう!!と決めた。


数日後に新たにヨルドの町の今後を決める重要な会議が開かれた。


ウチの町の主要メンバーは


俺を頂点に、

参謀のサントスさんと、文官職三名

執事のテムズさんと、使用人七名

騎士団長〈アベル〉さんと、騎士団二十名

兵士長〈エドガー〉さんと、兵士三十名の領主の館チームと、


ファミリー商会ヨルド支店のヘンリーさんに、

俺の私的な配下としてオーガ組のルルさん、ドドさん、ドテくんの拠点チームと、

ゴングさん、マットさん、ベルトさんと、弟子の方々のガイナッツ王国職人チームに、

ヨルド住人代表の〈マック〉さん

ヨルドの冒険者ギルドマスター、元Aランク冒険者の〈ゼル〉さんと職員さん数名と、

商業ギルドマスター〈パンチョ〉さんと職員さん数名に、

住人300名足らずの町チーム、

それと、アリス率いる城蟻建設部隊が2500程と、

タンバ率いる虫の軍勢数千…なんかジワジワ増えているっぽいけど、確認に行くのが怖い…

これが、ヨルドの町の全てで、一部の一般人と多数の虫魔物という歪な町であるが、これから数年がかりで、魔の森の開拓と護衛にアリスの部下1000と、タンバの部隊を一部貸し出すとして、残りのメンバーで街作りにとりかかる事になる。


会議で俺の構想を話して皆の協力をお願いした結果、先ず、領都を新たに整備し直す事から開始する事になった。


これは、かなり破壊されているヨルドの今ある町を改修するよりも、1から作った方が、引っ越しなどの問題もなく、好き放題出来るからである。


サントスさんを中心とした区画整理チームに、壁や大型の建物は鉄筋を骨組みにした新工法、鉄筋蟻固め工法を提案し、アリス達と職人チームで実験をした後に、強度の強い鉄筋の太さや壁の厚さを決めて、から外壁から水路をなど全てを整備した後に建物を建て始める。


鉄筋同士も接着スキルでくっ付けるし、土を岩の様に固めるアリス達の接着と硬化のスキルが有って初めて出来る工法である。


城蟻達には、ご褒美の砂糖水を沢山用意せねば…


それと、屋敷の運営はテムズさんに任せるとして、騎士団と兵士団は何か特別な強みを作りたい…

当面はヨルドの町の警備業務を主に働いて貰う。


そして、ここからのアイデアがだいぶ無茶なのだが、住人を丸ごと商会の一員として、俺の指定した物の生産や加工に従事してもらい、町の店も商会の一員として、初期投資や人件費を当面、俺の帝国からのお給料や個人的な特許使用料から捻出する。


大人は安定した仕事と、収入が入り、子供には、俺の知識の中から、この世界でも使えそうな知識を教える学校を、領主館で開く予定だ。


文官職のメンバーを鍛えれば先生も出来るだろう…

もう、好き勝手して、新たな特許使用料だけで領地運営が出来るぐらいにしてやる!

それと、帝都より賢い子供を量産して未来も安泰な、技術と知識の都を目指してやるっ!!



と半ば皇帝陛下への当てつけとばかりに最新鋭の町にするべく、領都整備を開始して約半年…お隣の魔の森は順調に整地と、畑での作物の収穫も出来て、じゃがいもやキャベツを魔王国へ送り出している様子である。


昔から森を守る五匹のヌシのおかげで、ドラゴン等の厄介な魔物も寄り付かず、良くない死霊系の魔物も出ない安住の地が再び主を迎える為の土台作りへと移行している。


ちなみにではあるが、魔の森のヌシは、遥か昔、召喚術に長けた一族が、異世界から知識を持った者を召喚して、作り上げた人工精霊のようなモノらしく、住み処にしている霊木とのリンクして五匹のヌシが守る霊樹の力で魔の森を守っているのだとルキフグスさんから教えてもらった。


しかし、魔の森…魔族が長年住んでいたからそう呼ばれているが、彼らからすれば〈神樹の森〉と呼んでいたのだそうだ。


遥か昔、高度な文明を持った他国と戦争をしていたころ、この森には異世界の神の知恵を借りて作り出された天を貫く様な巨木があり、その神樹を中心に五匹のヌシの守る5本の霊樹の力で、結界を構築して、敵の攻撃を退けたらしい…その戦争は長年に渡り、その争いが決着する頃には度重なる攻撃により巨木は失われたらしい。

しかしその神樹が無い状態でも十分に防衛機能は果たしていて、魔族にとっては今も魔の森は神聖な場所なのだそうだ。


そんな魔の森の中心の旧魔王国の都の跡地だけでもヨルド領の倍以上はある、その広大な土地の整備だけでも大変な労力だが、それを城蟻のアリスの一族がお手伝いして、魔王国からの協力料として、開拓の時に伐採した木材を半分頂く事で話がついている。


もらった沢山の木材はヨルドの領都の建設や家具の生産の為に使われる。


ヨルドの新たな都は現在、基礎工事が終了し、

区画割りと、近くを流れる川を使い、堀と水路を巡らせ、そこから出た土を使い壁を作っている。


鉄筋蟻固め工法は大成功で、旧ヨルドの防衛砦と同じ厚みの壁でも防御力は約2倍以上となった。


商業ギルドにこれも登録して特許でウハウハか?などと、考えていたが…蟻を使役しないと出来なくない?と、気がついてガッカリしたものだ…


しかし、鉄筋コンクリートの知識…まさか、異世界に来てから建築の知識を使う事になるとは…

シェラの鳥小屋で発揮した以来、冒険者には不要な知識だったのだが、前世の俺は結局使わなかった知識…いや、使えなかった知識だ。


親の離婚により預けられた父方の爺さんは、田舎で細々と大工をしていた。


親父は都会で仕事漬けの毎日で、小学、中学と爺さんの背中ばかりを見て育った…

いつかは爺さんの後を継ぎたい…

そう思い高校は建築科のある高校に進んだが、高校の時に爺さんがポックリ逝ってしまった。


大学に進学せずに、一刻も早く大工に成りたくて、爺さんの友達の親方に弟子入りした…

しかし、弟子入りして直ぐに入ったリホーム現場で…Gの洗礼を受けて…気を失ってしまったのだ…今思うと、何とも情けない…

親方に、大工は諦めて、勤め人になれ…と勧められて、尻尾を巻いて建築系の仕事から逃げ出して、人生設計が狂ったまま、面白くも何とも無い人生を送ったのだ…

そんな知識が巡りめぐって、やっと役に立っている。


5メートルを超える壁に囲まれた街は、東西南北に二本ずつ走る大通りで、碁盤の目に区切られ、壁に沿ってぐるりと道が取り囲む、九つのエリアに分けられた街を作る予定だ。


一番から九番のエリアは


電話のプッシュボタンの配列で、


一番エリアは、騎士団のエリア


二番エリアは、領主と、役場エリア


三番エリアは、学校や治療院に教会や孤児院などの施設エリア


四番エリアは宿屋に食堂街のエリア


五番エリアは、中央公園で、各種市場や催し物や市民の憩いの場としてのエリア


六番エリアは、商業ギルドと商会や商店街のエリア


七番エリアは、冒険者ギルドと酒場と冒険者宿と、少しアダルティーなエリアも含む


八番エリアは、入り口広場エリア、露店が並び、五番エリアへと続く開けたエリア


九番エリアは、武器、防具の制作、販売も行う工業エリア


と、冒険者や、旅行者を呼び込み、ガッポリ稼げる街を目指す。


そして、ヨルド町から先ずは食い物革命を起こすんだ!

既に放棄された3つの村を壁で囲み、ヨルドの住民で農業が得意な者を派遣して、小麦畑村、野菜畑村、酪農村 として働いてもらっており、それを旧ヨルドの町で加工して、外貨獲得に繋げる予定で動いている。


将来的には旧ヨルドの町は、丸々商会の工房エリアとして、チーズや小麦粉をはじめとして、パスタの生産などもしていきたい…と、領主になって夢は広がったが、ガッカリしたことも有る…


それは、もう、気楽に冒険に出られない事だ。


鉄が足りないからとか、ウチの騎士団にワイバーン騎士団を作るために、ワイバーン狩りに行こうとすれば、サントスさんをはじめとして、家臣団に待ったを掛けられる。


サクッとワイバーンやドラゴンを倒して稼いだりしたいが、そうも行かない…

どうしてもならば、転移のスキルで魔力を大量に使うが、三人迄なら一緒に飛べるので、騎士団員を三名連れて動く様に言われている。


ちなみに、現在、5ヶ所登録出来る転移先は、


ヨルドの町の入り口と、

拠点の入り口、

クレストの町の入り口に、

帝都の入り口が、の4ヶ所登録してある。


転移の約束事として、町の入り口にしかポイントを設定してはいけないルールがあり、これは、暗殺や、密輸のリスクを回避するためらしいが、若干不便だ…


そして、現地に行って登録するしかポイントを設定出来ないのも面倒臭い。


そして、登録先が5件と…便利だが、いまいちのスキルであるが…しかし馬車で1ヶ月以上かかる場所にひとっ飛び出来るのは大きい。


ワイバーンのタマゴを手に入れる為と、レッドドラゴンをいずれ殺ろうと思っているので、ガイナッツの王都〈ミルト〉の入り口にもポイントを設定したい…


よし、騎士団の強化と、ガタ郎達を久しぶりに暴れさせてやるか!!と決めたので、まずは、サントスさんに許可申請を出さなければならない…

ホントにこれが手間だが、仕方ないのかな…


この手続きのせいで、『ヤってやるぜ!』みたいな勢いが二割程削られてしまう気がする…


貴族って面倒臭い…


読んでいただき有り難うございます。

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