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仲間になりたそうに見ないで下さい  作者: ヒコしろう


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第27話 走れガタ郎!

帝都のすぐ近くの川の側に来ている。


「わーい、新装備がすっごぉぉぉい!」


と、ご機嫌な俺…


「ふふふっ、あははっ…」


と、笑いが込み上げる。


『旦那様が、ぶっ壊れたでやんす。』


とガタ郎が心配しているが、俺は至って普通である。


「ふりぃぃぃぃだぁぁぁぁむ!」


と、心からの喜びの叫びを上げる。


『王様、獲物が逃げますわよ…』


とミヤ子まで心配しているが、もう一度言う、俺は普通である…普通のCランク冒険者に戻れたのだ。


バンザァァァァイ!と喜ぶ俺に、クマ五郎が、


『王さまぁ~、ジャイアントフロッグ捕まえたよぉ~。』


と、でっかい蛙を四本の腕でがっちりホールドしてトテトテ歩いてくる。


「でかしたよ、クマ五郎」


と、クマ五郎を労い、俺はアイテムボックスから魔鉱鉄の槍を取り出して、


クマ五郎が地面に押さえ込む蛙の脳天をザクっと刺すと、一撃で倒す事が出来た。


うん、魔鉱鉄の槍の貫通力も上がってる…と、全ての武器を使ってみたが、問題なしである。


昨日の新装備発表会のあとで、


「次は良いこと有るから…元気だして…」


とタッグさん親子から渡された〈幸運のミスリルペンダント〉運気上昇(中) という週刊誌の通販コーナーの商品の様な名前のアイテムだが、あちらと違い、ペアさんの付与で効果が保証されたアイテムで、俺の装備の全てが揃った。


現在は肩慣らしの、ジャイアントフロッグ10匹の討伐依頼をこなしている。


何故か、ガタ郎とミヤ子は少し離れて見学しているが、クマ五郎は元気に狩の手伝いをしてくれている。


あれかな?純粋な虫魔物さんはぁ~蛙ぅ嫌いなのかなぁ~?

嫌だよね、キライな奴に近づくの…解るよ。


俺もGと皇帝陛下は苦手だから…

もう、装備も出来たから一旦クレストの街に戻り山を購入して、マリー達と合流して、本拠地の整備を初めても良いのだが、


「もう帝都から離れる。」


と言ったら、王様に


「ゴング達の技術指導があと少しで終わるから、せめて最終日のパーティーには出てからでも良いではないか。」


と言われて、渋々了解したのだが、街に居たくないので、簡単な依頼を受けて、街の外に出ているのだ。


ついでに、ちょっとでもお金を貯めて、山を買う!

俺の拠点とミヤ子やクマ五郎の住み処を作り、皆を従魔召喚で出し入れできる様にするのだ!!


簡単な依頼で、試し切りのつもりで受けた依頼だが、装備の性能と、スキルの効果が以前とは桁違いで驚いている。


これならば、少し難易度があるCランク推奨クエストにそろそろチャレンジしても良いかも知れない…と考えながら、蛙をアイテムボックスにしまい、クマ五郎の引く荷馬車に揺られて、冒険者ギルドに向かう。


やはり、この馬車は本当に快適だ…と感心しつつ、蛙の討伐報告と、買い取り依頼を出して、小金貨二枚程度の報酬を得る。


クエストボードで次の依頼を探していると、銀鉱山に出たゴーレムの討伐という依頼が有った。


図書館で調べ、記録で手に入れた知識に検索をかけると、

鉱山の場所も片道三日と、時間を潰すにはもってこいだし、報酬も中々で、ゴーレムならば、魔鉱鉄のツルハシや新たに取得した水魔法のアクアショットが効くと解った。


「ヨシ!これにしよう。」


と決めて、カウンターで依頼を受け、翌日から帝都の西、約三日の位置にある山岳地帯の銀鉱山に向かった。


鉱山の現場監督に、敵の位置を聞くと、鉱山の最深部の採掘現場で、たまたまゴーレム1体を掘り起こしてしまったらしい。


働いていた人間は退避済みだが、鉱山のが稼働しないと、大きな損益になるらしいので、なるべく早い討伐をよろしくお願いしたいと言われた。


まぁ、現場までは坑道に灯りも配置されているので、見張らしは良いし、迷う事も少なそうだ。


現場監督が鉱山の坑道図も見せてくれて、頭に記録も出来たので、道の心配は完全に無くなり、早速、俺は、お供を連れて鉱山に入っていく。


メイン坑道に沿って進み、片道二時間の緩やかな下り坂を歩き、坑道の最深部に到着した。


そう、到着したのだが、話が違う。


ゴーレムが複数居るのだ2メートル程の奴が3体と、少し大きめの奴が1体がたたずんでいる。


頭の中でゴーレムの資料を探すと、近づくと活動を開始して、敵を排除するか自身が破壊される迄活動を続ける鉱物魔物、魔石かゴーレムコアの破壊、またはアイテムボックスや、マジックバッグに魔石かゴーレムコアの又はその両方の収納にて完全に活動が停止する。


魔石とゴーレムコア、希に鉱物資源も手に入る。


と記録のスキルの情報が確認できた。


便利だな脳内ウィキは…

でも、参った…数が多すぎるよ…

一体と聞いていたのに、計4体…

勝てるかな…さて、どうしよう?

頭数だけ見れば4対4ではあるが、ウチのミヤ子さんは生身の方にはほぼ無敵だが、状態異常にかからない、しかも、呼吸すらしていない敵にはほぼ無力…

ガタ郎の顎も、岩には対抗出来ないのは岩亀の時に確認済みだし…

クマ五郎だけは、対抗出来る可能性が有るが、すると2対4の構図になる…不利だ…

4体なんて、聞いていない!依頼文に偽り有りだ!!と言ってキャンセルも出来そうな案件だが、復帰早々、往復6日も掛けてキャンセルは…何か嫌だし…と頭をフル回転させて考える。


現在敵は待機状態で、近づけば起動して敵を排除するか己が破壊されるまで活動する為に力を蓄えている状態で、鉱山の職員さんが全員逃げれた事から、足は早くはないと考えられる。


しかも、ある程度離れば排除とみなされるみたいだ。


それが証拠に現在彼らは活動を停止している。


つまり、ある程度逃げれば仕切り直しが出来るはずである。


広い採掘現場では無くて、一体ずつ坑道に誘き寄せれば、数の不利は何とかなるし、最悪、ダッシュで逃げれば何とか成りそうだ。


関節も硬そうなゴーレム君は、坂道とか苦手そうだし…狭めの坑道では一体ずつしか襲ってこれなさそうだ。


ヨシ、決定!広場では戦わないで、一体ずつ引き寄せて倒す!!と、いうことで、


ガタ郎、君に決めた!一体ずつ引っ張って来て!!と心の中で指示を出すと、


『えっ、アッシでやんすか?……了解でやんす。』


と、渋々採掘現場に飛んで行く。


途中で振り向いて、


『全部動き出したら、どうしたら良いんでやんす?』


と不安そうだ、


『ダッシュで逃げる…かなぁ?』


と心の中でいうと、ガタ郎は、


『かなぁ?って何でやんすか!

ゴーレムが腕とか飛ばしてアッシがプチっとされたらどうするんでやんす。』


と、軽い文句をいうので、


『すっごく、悲しい。』


と、俺が伝えると、ガタ郎は、


『…悲しい…くそぉ~、旦那様のそう言うところ…大好きでやんすっ!!』


と、半ばヤケクソで、命がけのだるまさんが転んだを始めた。


手前の三体のゴーレム君は、先頭に一体と、奥が二体の配置だ。


多分先頭のゴーレム君は鉱山職員を追って手前迄来たが、奥の二体は手前のゴーレム君が邪魔で、一足先に排除判定を出して停止したのだろう。


だとすると、結構ゴーレム君の警戒範囲は結構狭そうだ。


採掘現場の入り口から息を殺して、ガタ郎を見ている俺たちと、待機状態のゴーレム達…現在この空間で活動しているのは、飛ぶのを止めたガタ郎が、地面をカサカサと動いているのみだ。


カサカサっとゴーレムに近づいては停止し、様子を伺うのを繰り返しガタ郎に遂に、「ガガガッ」っと動き始める一体目、ユックリと立ち上がり、ズシン、ズシンとガタ郎を追いかける。


『ヒイィィィィイィィィィ!連れて来たでやんすぅぅぅぅぅ!!』


と、一体のゴーレムをトレインしながらカサカサ逃げてくるガタ郎…

一瞬、闇の一族にも見えて思わずブレイブハートしそうになる。


そして、一体目が狭い坑道に入るのに少し手間取っている瞬間に、俺が、アクアショットでゴーレムの土のボディーを濡らして脆くして、ボクサーの様な構えのクマ五郎が、熊の様に舞い、熊の様に刺す見事なクマパンチで弾けるゴーレムの胴体…現になった魔石をクマ五郎が掴み後にポイっと投げる。


体から魔石が抜き取られたゴーレムは、ガラガラと崩れて小山になり、


俺はそれをアイテムボックスにしまう。


投げ飛ばされた魔石は、ミヤ子が、えっちらおっちら運んでくれて、


「有り難う、ミヤ子」


と、今回の出番の少ないミヤ子に労いの言葉をかけながら回収し、アイテムボックスのリストを頭の中で確認すると〈土〉・〈石〉・〈ゴーレムコア〉・〈ゴーレムの魔石〉と、出た。


うーん、銀鉱石は無いか…ハズレだな…はい次と、配置に付く俺たちと、


『もう、次でやんすか?』


と、ガッカリするガタ郎は、再びカサカサと死のだるまさんが転んだを始めた。


しかし、次なる鬼さんは、仲良し二人組…

案の定、二体共に動き出し、ガタ郎を追いかける。


『ヒイィィィィイィィィィ!!、ごめんでやんすぅぅぅぅ!二体でやんすよぉぉぉぉ!!』


と騒ぎながら帰ってくるガタ郎に、


「そのまま来い!!」


と指示をだすと、


『了解でやんすぅぅぅぅ!』


とガタ郎は半べそで坑道に戻ってきた。


坑道は狭い為に、どう足掻いても一体ずつになる。


同じ手順で、濡らして、クマパンチをお見舞いして敵を沈める。


そして、二体の片付けも終わったが、残念ながら銀鉱石は出て来なかった…


幸運のペンダントはあまり効果が無かったのか、ゴーレムからの鉱石はゼロだったが、


魔力の腕輪は凄い、あれだけ魔法を撃ち込んでもまだまだ魔力が有る。


外部魔力タンクは凄い効果だ…

そして残るは、少し大きなゴーレムのみに成った。


「ヨシ、アイツは広い場所で俺が、一対一で倒す!」


と宣言すると、


『もう、走らなくても良いんでやんすか?…ホッ…』


と、精神的にも、肉体的にもクタクタのガタ郎が、安堵していた。


お疲れ様、ガタ郎…


読んでいただき有り難うございます。

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