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仲間になりたそうに見ないで下さい  作者: ヒコしろう


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第24話 買い物とストーカー

帝都にあるガイナッツ王国の館で寝起きさせてもらっている。


ゴング爺さん達が技術指導を約1ヶ月の予定でする間、ガイナッツの王様達も含めて帝都に残る事になったからだ。


ゴング爺さんの息子さんのタッグさんに、奥さんで付与師のペアさん、そして、金細工職人の娘、ビューティーさんの三名も合流して、皆でガイナッツの館の鍛冶工房で俺の剣などの制作をしてくれる予定だ。


楽しみだな~と、なるべくその事に集中すると決めた俺にタッグさんは、


「ポルタ君、ミスリルがあと少し有れば総ミスリルの剣でも作れるし、

魔物素材で良さそうなモノが有れば混ぜる事も出来るけどどうする?」


と聞かれたので、アイテムボックスから大金貨十枚を取り出して、


「タッグさん、俺、アイテム鑑定とか出来ないので、偽のミスリルとか掴まされそうだし、魔物素材の知識も有りませんので、コレで何とか成りませんか?」


と言ってタッグさんに渡すと、じっと手のひらの大金貨を眺めて、


「親父の可愛がっている子供冒険者からの依頼だと舐めていた訳ではないが、この予算だと付与までやってもお釣りが出るぞ、母ちゃん!ビューティー!作戦会議だ。」


と、何やら相談を始めた。


会議の途中で、ペアさんが、


「ポルタ君、予算内なら何しても良いの?」


と聞いていたので、


「大丈夫です。何でもお願いします。」


と答えておいた。


そして、会議の結果、剣は総ミスリルで作り、ドラゴンの牙等の素材を加えて強度を上げる事になり、余った素材やミスリルで、ミスリルコーティングなどのサブウエポンや装飾品の制作をする事になり、そして、付与するスキルを探しにペアさんとお買い物に向かう事になった。


タッグさん達は、


「予算ギリギリまで使って最高の装備を作るゾ~!」


「おー!!」


と円陣をくんでいる。


仲良いね家族だな…と眺めている俺にペアさんが、


「ポルタくん、付与するスキルを一緒に買いに行くんだけど、強力なスキルとかは予算からはみ出ちゃうから、購入は実費になるかも…いい?」


と申し訳無さそうに聞いてくる。


俺は、


「全く問題無いです。

むしろ、付与するスキルは全部俺が購入しますから、目一杯素材購入に宛てて下さい。」


と答えた。


なんたってトレントでかなり儲けましたからね。


ビューティーさんもそれを聞いて、


「やった。ミスリルの腕輪も作れる!」


と喜んでいる。


ペアさんが、


「総ミスリルの剣だとスキルが5つ程度付与できるけど、どんなのが良いとかある?」


と聞いてくれたので、アイテムボックスから、ダンジョン産の魔鉱鉄の片手剣を取り出して、


「コイツの飛爪ってスキルが良いんですが…」


と答えると、ペアさんは、


「イケる、イケる。

でも、ポルタ君は、渋いセンスしてるわね。

玄人好みのスキルよ…

子供ならもっとドカーンと派手なスキルとか好きなんじゃないの?」


と言っているが、うーん…と考えたあと、


「耐久力上昇に切れ味上昇、修繕も付けて…

あと1つ、ポルタ君はどんな感じが良い?」


と聞いてくるので、俺が、


「そうですね、余り傷つけずに相手を制圧出来れば嬉しいですね…今回で懲りましたから…」


と遠い目をすると、ペアさんは俺に構わずに、


「アンタぁ、片刃の剣に出来るかい?

雷魔法を付与して、傷つけないで制圧出来るようにしたいのと、奥の手は〈飛爪〉だって。」


とタッグさんに確認をとっていた。


タッグさんは、


「出来るよ。

本当に実用的な良いスキルを選んだね、イメージが湧いてきたよ!

さっそくミスリルインゴットと魔物の素材を買いに行くよ、ビューティー、手伝って。」


と言って買い出しに向かった。


ペアさんも


「アタシらも買い物に向かおうか。

まずは、スキルショップだね。」


と言って俺に声をかける…

スキルショップに行けるのは嬉しい…嬉しいのだが…


警戒中のガタ郎から既に報告が入っている。


『あの姫様が館の前で侍女を連れて待機してるでやんす』


と…


『も~面倒臭いよぉ~!』


でも、マルス帝国の姫様だから雑には扱えないし…皇帝陛下も、


「もう、縁談も一巡りやって駄目だった娘だ…自由に人生を楽しませてやりたい…」


と放置宣言をされたあとだし…誰が止めるのよ?

マリアーナ嬢の属性に〈ストーカー〉が付与されてますよ、皇帝陛下!


と少し悩んだが、

俺は腹をくくりペアさんと二人で館の門をくぐると、


マリアーナ様が、


「あら、愛しのポルタ様、偶然ですわ。

たまたま街に行く途中で、会えるだなんて、私たちはやはり運命の赤い糸で結ばれているのですわ!」


と…


朝から居たの知ってるよ…

俺としては、運命の粘着テープに巻き付かれた気分ですが…と思いながらも、前世で培った営業スマイルで、


「本当に、偶然ですね。

買い物に出掛けて初めに会えたのが姫様とは、

今日は何か良い商品とも出会えそうです。

ハハハ…」


と俺がいうと、真っ赤になってモジモジしだして、


「では、ポルタ様、ごきげんよう…」


と、去って行くマリアーナ様…

強引について来るとかでは無いのよね…あのお姫様は…抗議しづらい絶妙なラインを攻めてくる。


ペアさんが、


「あれ、アタシお邪魔だった?」


と気を遣うので、


「鑑定が出来るペアさんがお邪魔な訳ありません。

むしろ、頼りにしまくってますので宜しく。」


と頭をさげて、スキルショップに向かった。


心強いアドバイザーと一緒に帝都のスキルショップにやってきたのだが、帝都は、アルトワの国と違い、ダンジョンで手に入れた商品をダンジョンショップが買い取るのではなくて、スキルはスキルショップ、武器は武器屋だし、ポーションは薬屋と、専門店で扱っている。


スキルショップこそ国営で値段が決まっているが、その他の商品はライバル店の影をちらつかせ、上手に値切れる強者のみが得をする修羅の国だった。


帝都に来たばかりの俺には荷が重い…

まぁ、スキルショップで値切ることはまず無いので、ある意味安心だが…

ペアさんは付与師という事で、歩くスキル図鑑の様にオススメのスキルや、スキルに対しての素朴な疑問にも即座に対応してくれる。


ペアさんのオススメは、

並列思考という同時に2つの作業が出来るスキルで、剣で戦いながらの魔法発動や、違う魔法の同時発動にも使えるらしい。


そして、従魔召喚というスキルは従魔にしかつかえない上に、召喚すると送喚しなければ再び召喚できないという縛りの多いスキルで不人気だが、何処かに拠点を作り、そこから召喚して、そこへ送喚すれば、つれ歩く手間が不要になるらしい。


将来的には、マリー達の山に拠点を作る予定だし、影に潜れるガタ郞は良いとして、ミヤ子やクマ五郎は、かさばるから良いかも知れない。


あとは、剣に付与する〈雷魔法のサンダー〉

魔力を抑えて纏わせるとスタンガンみたいな効果になるし、フルパワーで纏わせると、魔法剣の様にもなる浪漫武器になるらしい。


久しく忘れていた中二心が擽られる…

しかし、並列思考が有っても魔法が使えないと意味がない…

雷魔法を俺自身が取得する手もあるらしいが、魔法剣の発動にはかなりの集中が必要で、スタンガンみたいな使い方をする場合は、もっと繊細な作業になってしまうので、実用的ではないらしい。


剣にスキルを付与すれば魔力の供給量のみで、ほぼ自動発動してくれるそうだ…

難しいなスキルって…


では、本人用の魔法という事で、


エアカッターという風魔法、云わずと知れたカマイタチと、

アクアショットという水魔法で、硬い土系の魔物を脆くしたり、濡らして雷魔法の効きを良くしたりと、応用が効きそうな魔法だ。


全てを購入しても、お値段なんと、大金貨11枚…

グフッ…一千百万円…まだだ、まだ俺は戦える!

まだ俺の財布へのダメージは活動限界に達していない!!

ありがとうトレントさん達…君たちの死は無駄に成ってないよ。


そして、スキルを購入したあとは、ペアさんオススメのガラクタ市場を回る。


壊れた魔道具や壊れたダンジョン産の武器が並ぶ露店の集まった場所なのだが、壊れていても、スキルが生きているモノもあり、付与師には宝の山が、捨て値で買える場所とのこと…

しかし、鑑定の無い俺には、ただのガラクタの山に見える…

だけどペアさんは目を輝かせながら、


「やった。修繕のみ付いてる指輪がある。」


とか、


「嘘、運気上昇のスキルがまだ生きてる首飾りだ…

ポルタ君の今装備してる腕輪も性能を上げれるわ…」


などとルンルンである。


そして、お会計は俺が、払うのだが、大銀貨数枚…金銭感覚がバグったのか、駄菓子くらいに感じてしまっている。


俺は、


「ペアさん、気にせずガンガン購入してください。何なら追加で料金を支払いますので、ゴング爺さん作の防具にも付与をお願いします。」


と、提案すると、ペアさんは、


「いいの?本当に…?!ヤッタァー!」


と無邪気に喜んでいる。


それから俺は、俄然お買い物モードが加速したペアさんについて歩くのがやっとだ。


ペアさんが購入した物をこちらの店で支払いをしていると、既にペアさんはあちらの店で値切っている…


『待って見失いそう。』


と焦る俺は、すでに人混みで酔いそうになっており、今夜はグッスリ眠れそうな程に、もう、クタクタ状態だったのだが、ペアさんは


「宝珠だ!少し小粒だけど…

ねぇ、ポルタ君、宝珠も買って良い?魔力を貯めておける効果が有るの。」


と、元気なご様子で露店のおっちゃんに、


「もっと良いの隠してるでしょ?いいから出しなよ。」


とカツアゲみたいな交渉をしている…

凄いタフだな…と感心していると、


『旦那様、市場の入り口の方に姫様がいるでやんす。』


とガタ郎が影の中から報告する。


『マジか!?』


と驚く俺は、商品を見るふりをして入り口付近を確かめると、

ハンカチをギリギリと噛みしめるストーカーとその侍女の姿が確認できた…


何故かご立腹のご様子だが?と俺が、考えていると、


『ちょっと調べてくるでやんすっ』


と、ガタ郎がスルスルと影を渡りガラクタ市場の入り口の柱からこちらを伺う姫様の元へと移動し、暫くすると、


『戻ったでやんす。

姫様は、何よあの女!ポルタ様と仲良く買い物なんかして…ミーシャ!何とかならないの?ぐやじぃ~!!

との事でやんした。』


と報告してくれた。


ペアさんとかに被害が及ばない様に手を打たないと駄目かなぁ~?



読んでいただき有り難うございます。

頑張って投稿しますので応援ヨロシクお願いします。


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