第13話 どんな時でも頑張ろう
ヤル気になった周りの冒険者達は肉弾戦部隊がキングをメインに殴り込み、魔法チームはその援護と、苗床になっている女性の解放とその防衛、そして、残った俺は遊撃で側近を狙う予定になったのだが…
『俺だけ一対複数で不利じゃない…肉弾戦チーム全員でキングでしょ?』
少し、いじける俺をガタ郎が、
『まぁ、まぁ、旦那様っアッシもお供するでやんすから…』
と慰めてくれたので、少し気持ちを持ち直し、『じゃあ、頑張るよ…』と半分諦め気味に坑道の突き当たりまで進むと、急に開けた空間に出た。
多分、この鉱山が現役の頃は足場か何かがあり、二階や三階構造の採掘現場の様な、縦横どちらも広い空間の、二階部分の辺りだったと思われる。
覗き込んだ足元には、裸の女性が十数人に、ジェネラル風のデカいのが2匹に、片手剣や槍の金属武器を装備したナイト風が6匹と、杖を持っているメイジと思われるゴブリンが2匹と、それに女性を集めたり、何かをはこんだりしながら、せっせと働く下っぱゴブリンが数匹この広い空間から出たり入ったりしている。
そして、広い空間の一番奥の位置には、デカい剣を握った一際でかいゴブリンキングと思われる奴が一匹偉そうに座っているというなかなかのメンバーを揃えているゴブリン達に、俺は頭の中で、
『肉弾戦チームがキング…
魔法チームは下っぱと女性陣…
俺は、側近の上位種祭りか…メイジから潰すしかないな。』
などと作戦を立て、先ずマジックバッグから弓を取り出して出して構え、ガタ郎に
『肉弾戦組が飛び降りたら、俺は手前のメイジを殺るから、ガタ郎は出口近くのメイジをお願い。』
と心の中で指示を出すと、
『ガッテン!承知でやんす。』
と言って、ガタ郎はカサカサと気配を消しながら移動を開始した。
そして、アタックチームが配置に着くと、髭の斧使いが、
「行くぞぉ!!」
と、雄叫び声をあげながら飛び降りた。
するとゴブリン達は、いきなり上空から現れた斧使いのオッサン達に一斉に注目した、その瞬間、俺とガタ郎のコンビがゴブリンメイジを倒す。
俺の弓はなおも、唖然としているゴブリンナイトに向けて放たれ、二匹を行動不能に追い込む。
その間に魔法チームは下っぱを魔法で焼き払い、貫き、切り裂いた。
魔法チームも広場へと降下をはじめて、部屋の端に固められた女性陣を守るように配置している。
奥では肉弾戦チームとキングの攻防が始まっているし、俺も上からの弓攻撃では、もう倒せそうにないと悟り、弓から片手剣に持ち替えて、盾を構えて飛び降りた。
鎧を着けて飛び降りると足の裏から駆け上がる衝撃が滅茶苦茶痛かったが、ゴブリン達はそれに文句を言う暇すら与えてくれない。
ゴブリンナイト達が、見回した中で一番弱そうな俺にターゲットを決めたようで、四方から、
「グゲ、グゲ」と、『雑魚み~つけた。』みたいな顔で楽しそうに集まってくる。
剣2匹に槍1匹とナイフ1匹の4匹のゴブリンの上位種だが、よく分からないがナイフの奴だけスピードが早い、
『アイツはナイトじゃ無いのかも…』
とも思うが、今は、どうでも良い事だ…
後方からノッシノッシとノロマのジェネラルが来る前に、ナイト達、武器の扱いに長けたゴブリンの上位種を1匹でも減らさないと…前回のゴブリンとの戦いのように足止めからの一撃の連携攻撃が、ジェネラルが2匹居るので、単純計算で二倍量、俺達に振る舞われる事になる。
ナイフの奴がいち早く此方まで駆け寄り、俺に飛び付こうとナイフを構えたままジャンプする。
俺は盾を構えて、完全に勝ち誇った顔で襲いかかるゴブリンのナイフを一度受け止めてから切り払おうとするのだが、その時、黒い影が俺の近くを横切り、それと同時にニヤケたゴブリンの首が宙に舞い、ナイフを握った首無しの胴体が力無く俺の手前に転がった。
驚く俺の頭の中に、
『やっふぅー!でやんすぅー。』
と、ご機嫌なガタ郎の声が聞こえた。
『やるなぁ…あんな攻撃もできたんだぁ』
と、感心するが、俺にはまだ手下三匹と本命のジェネラル2匹が待っている。
しかし、雑魚と判断したからか、ジェネラルも俺を狙ってくれて良かった。
俺の想像よりも遥かに、ゴブリンキングは強敵らしく、屈強な冒険者チームが複数名で相手してるのに、互角以上にやりあっている。
あそこにジェネラルが混ざるよりはキング戦の勝率が上がるが、その代わりにジェネラル2匹に狙われた俺が、ヤバい…
しかも、メインの前の前菜からして上位種…胸焼けしそうである。
やはりナイト種は連携が得意らしく、ゴブリンナイトの槍をかわしても、左右から同時攻撃してくる片手剣のゴブリンナイトに、俺が盾と剣を使い左右のゴブリンナイトを何とか受け止めた瞬間に、ガラ空きになった正面から槍を持ったゴブリンナイトが突撃してくる。
『ヤバい?!』と思った次の瞬間、槍ゴブリンナイトに炎の矢が突き刺さり燃え上がる。
驚きながらも、俺の視界の端にチラリと見えた魔法チームのリーダーが親指を立てている。
「サンキューです。」
と、叫ぶ俺は、いきなり燃え上がった仲間である槍使いのゴブリンに一瞬怯んだ左右のゴブリンナイトに、俺はチャンスとばかりに飛爪を発動させ袈裟に斬りつける。
一方のゴブリンナイトが斬り伏せられた事を理解した、残りのナイトが俺の間合いから飛び退こうとするが、奴は、俺の切っ先が飛爪の効果で伸びているのを知らない。
避けたはずなのに、上下が別れて斜めにズレ落ちる最後のゴブリンナイトは物凄く不思議そうな表情だった。
しかし、ゴブリンナイトを蹴散らしても、あと大物が2匹…もしもが有るので、ダンジョンショップの主任さんから、おまけで生活魔法と一緒に貰ったマジックポーションを飲み干し、2匹のジェネラルを迎えうつ為に構える。
すると、
「遅くなってすまん、防御魔法が張り終わったから手伝いに来たぞ。」
と魔法使いパーティーの三人が加勢にきてくれた。
残りのメンバーは女性達の周りにうっすら光る透明なドームを張っている。
『防御魔法ってあんな感じなんだな…』
と感心しながらも、
「ありがとうございます。心強いです。
では、一気にジェネラルを潰して、キングの加勢にまわりましょう。」
と俺がいうと、魔法使いのリーダーが、
「おっ、頼もしいねぇ、じゃあサクッと殺りますか!」
と大剣を振り回すジェネラルに魔法を飛ばし、俺は斧を持ったジェネラルに向かって走りだした。
ゴブリン達は、体のサイズが人間より小さいか、大きいかの極端な為に武器は人間のを使いまわせるが、防具はそうもいかない…そう、それこそが、コイツらの弱点の1つだ。
防御がおろそかな上に…攻撃のみに特化したジェネラルは、足止めや連携に長けたナイト達部下も全て倒されており丸裸も同然!
俺はジェネラルの懐に潜り込み、防具の無い胴体を目掛けて飛爪を放つ。
片手剣では到底輪切りに出来ない刃渡りだが、飛爪の能力で刀身が倍以上に伸びた俺の剣は、ジェネラルを上下真っ二つにする。
もう1匹も魔法を雨の様に打ち込まれフラフラ状態だ、魔法使いのオッサンが、
「こっちは任せて、行け!!」
と叫び、それを聞いた俺は、その勢いのままキングに向かい走りだし、肉弾戦チームに合流し、
「加勢に来ました。」
というなり俺は、止まる事なくキングの足を飛爪で斬りつけた。
片足にダメージをくらいバランスを崩したキングに、肉弾戦パーティーが一斉にとりつき武器を突き立てる。
完全に膝を折り、痛みに項垂れるゴブリンの王様に、肉弾戦パーティーのリーダーの斧が振り下ろされた。
そして、王の斬首により、このゴブリンの王国は終わりを告げた…
しかし、広場の入り口では、今もゴブリンの残党を倒しているガタ郎が見えるので、クタクタで魔力も少なく気だるいが、メイン坑道組が到着するまでは女性達を守る為に頑張らなければならない…
『マジ疲れた…早く帰って休みたい…』
と、思いながらも俺は、縦横無尽に飛び回りながら王を頼って逃げてきた下っぱゴブリンの首をはね飛ばし続けているガタ郎無双を眺めつつ、俺も残党ゴブリンを、プチっと減らす作業を続けるのであった。
くたびれる仕事も何とか終わり街に戻ってこれたのだが、結果として、今日は休みにして宿の部屋でゴロゴロすることに決めた。
何故なら、レイドバトルでキングを撃ち取った肉弾戦パーティー〈鋼の肉体〉と、女性達を無事に保護した魔法使いパーティー〈暁の魔導書〉に挟まれ、特に目立つ働きをした訳でもない俺は肩身の狭い気分なのに、ギルド酒場を貸しきって行われたお疲れ様会の中心に座らされ、
「まぁ、飲め!」
「子供に酒を薦めるな!」
の、ラリーを何度も見せられながら、愛想笑いをしている苦行から、やっと…本当に、つい先ほど解放されたばかりなのである。
夜通し飲むとか冒険者はタフだ…
確かに、ジェネラルは1匹倒したが、別にあんなウスノロは倒しても自慢にならない。
それなのに、「主役は最後までいろ!」とマントおじさんに言われて、マジでいい迷惑だった。
『まぁ、レイドに参加した女性冒険者さん達にチヤホヤしてもらったのは、悪くはなかったが
…』
後日ちゃんと査定してギルドポイントが割り振られるらしいが、依頼達成報酬は、前金の小金貨一枚と合わせて、一律小金貨五枚…
疲れた分には見合うけど、後口の悪さを差し引くと、当分は遠慮したい案件だった。
保護された女性達や、助けれなかった男性達…なんか、あえて考えていないつもりでも、グルグル考えて気分が沈む…
もう、何も考えないで体を動かしたい気分がに成ってきた。
「明日にはダンジョンにでも行くか…?」
と、俺が呟くと、ガタ郎が
『おっ、良いでやんすね。行きやしょう!』
と俺の意見にのってきた。
そうとなれば、問題はどこのダンジョンに行くか?だが、お肉ダンジョンは正直、人気過ぎてしんどいし、かといって魔法ダンジョンも人気ではあるらしいが、それよりも敵が魔法を撃つので、魔法防御力がないとキツみたいだ。
一方、鉱石ダンジョンは不人気で人が少ない、理由は、敵が硬い事と、採掘が大変な事らしい。
まぁ、どこのダンジョンも俺には厄介そうだ。
やっぱり肉ダンジョンかなぁ?ボス倒してないし…などと積んだり崩したりしていた。
とりあえず、ダンジョンショップに行って、主任さん…今は室長さんかな?
に、〈高速移動〉とか滅茶苦茶助かったとお礼を言ってから食糧買ってダンジョンに行こう。
と決めて、翌朝一番に出かける事にした。
そして翌朝、開店して間もないダンジョンショップに到着すると、人だかりが出来ていた。
気になって近くに行くと、
「うーん、どうせなら何かオマケが欲しいです。」
「困ったなぁ、…今回だけですよ…」
と、安い芝居をしているが、大人気のようだ。
順調そうだな…と眺めていると、
「ポルタさん、ようこそおいで下さいました。」
と声をかけられたので振り向くと、するとそこには、よく知らない店員さんが立っていた。
?と首を傾げると、店員さんは、
「ひどいなぁ、マジックバッグ購入の時に担当したナッシュと申します。
最近は室長まで出世したニールさんばかり贔屓して…
私も担当した事あるのに、ポルタさんの福の神パワーを私には分けてくれないんですもの…
悲しい…。」
と恨み節を聞かされた。
『知らんがな…』
と、思う俺は、
「べつに、俺が何かした訳ではなくて、室長の…ニールさんでしたっけ?
が、頑張った成果ですよ。」
と話していると、予定量の販売が終わったらしくニールさんがやって来て、
「ポルタさん、ようこそ、
あれ、ポルタさん、ナッシュ君と知り合いでしたか?」
と聞かれたので、
「初めてダンジョンショップで買ったマジックバッグの時の担当をね…」
と、俺が答える。
『まぁ、さっきまで完全に忘れてたんだけどね…』
すると、ニールさんは、
「ナッシュくん、丁度良かった。
私、朝と昼の即売会とかで色々忙しくなってしまって、お見合い市場の司会を誰かに代わって欲しいと思ってたんだよ。
良かったらやってみない?
上手く出来る様ならば、専属で頑張って欲しいんだけど…どう?」
と、提案すると、ナッシュさんは、パァっと嬉しそうな顔をして、
「やります!やらせてください!!」
と、ニールさんに頭を下げたあと、俺の手を握り、
「本当に福の神だった…俺、頑張りますから!」
と、涙を流している。
俺はよく解らないが、一応、ナッシュさんに、
「そ、そう、頑張ってね」
とだけ応援しておいた。
それから、ナッシュさんはヤル気十分で自分の持ち場に帰って行った。
『何だったんだ…今の?』
と、思いながらも、
『まぁ、本人がやる気になったのならいいかな?』
と、俺なりに結論を出した後に、
「室長さんはニールさんって名前だったんですね。」
と、室長さんに言うと、ニールさんは、ホヘ?っといった表情で、
「あれ、私、自己紹介して?…ませんでしたね!
えー、ニールと申します。」
と、今更ながらの自己紹介をしてくれたので、俺は、
「少し前にナッシュさんから伺って、存じ上げておりますニール室長さん。」
と、言っておいた。
それから俺は、ニールさんに前回売ってもらったスキルのおかげで、ゴブリン退治の時に命拾いしたことを伝えて礼を言った。
するとニールさんは、とっても喜んでくれて、
「また、サービスしますよ。」
と言ってくれた。
通販チャンネル風の即売会は好評らしく、お見合い市場と、二枚看板で、街の人や旅人の方々が、買わなくてもダンジョンショップに足を運ぶのが流行りになっているらしくて、ニールさんが、
「忙しくて、嬉しい悲鳴を上げております。」
と、笑っていた。
すると、ニールさんはスッと商売人の顔になり、
「で、本日はどのような物を?」
と聞いてくるので、
「鉱物ダンジョンか魔法ダンジョンに潜ってみようと考えたのですが、鉱石回収の知識も道具もないし、魔法ダンジョンに潜る用の魔法耐性装備もないので、ニールさんの知恵をかりに来ました。」
と、俺がいうと、ニールさんは、「クックック」と笑ったあとで、
「待ってましたその台詞…」
と言って売場の奥に走って行き、再びワゴンを押して現れた。
そして、ニールさんは、
「はい、本日オススメしますのは、こちら!
商品番号1番、鉱物資源鑑定メガネです。
あー、採掘したいけど鉱物の種類や名前がわからないよー…って時、有りますよね?
そんな時はこれ、鉱物資源鑑定メガネです。」
と、実演販売を始める。
『ニールさん、俺の為だけに練習したのかな?コレ…』
と、考えながらもニールさんの実演を眺めている俺に、イキイキとしたニールさんは、
「ここに取り出した魔水晶を眼鏡をかけて見ると、あら不思議!名前が…」
と、やり続けているのだが、
『なんか、もうひとつだ…』
と感じてしまった俺は、
「ニールさん、おしい、おしいよ!
もっと、引き付けるやり方があるはず…
一度替わって下さい。」
と言ってニールさんと立ち位置をかわりワゴンの前に立ち、今度は俺がニールさんに向かい、
「さーぁさ、よってらっしゃい、見てらっしゃい!
ちょいと、そこ行くお兄さん、
鉄に金、銀、宝石などなど、採掘したいそこの貴方!
採掘したいけど鉱物資源の名前が解らない…
名前は知ってるが姿形が解らない…
そんな事って有りますよねー。
でも、大丈夫…もう、心配することはございません!」
と、前世でよく見た通販番組の様に、実演販売ゴッコを始める。
ニールさんは、真剣な目で俺の仕草を脳に刻みこもうとしてでもしている様子で、微動だにせず見ている。
俺は、
「さて皆さん、鉱物資源鑑定メガネ、〈鉱石解る君〉ひとつあれば、採掘中の鉱物の鑑定も、彼氏がくれた指輪の宝石の鑑定までどんと来い!」
と遊んでいると、ニールさんの隣に次々と人が集まってきた。
『ヤバい…もう、後に引けない…コレは、やりきるしかない。』
と、内心で少し焦る俺だが、腹をくくり、
「えっ、嘘だと思う?ならばそこの綺麗なお嬢さん、お嫌でなければ此方にどうぞ。」
と高齢な貴族風の奥様に、前に来てもらい、
「では、お嬢様、こちらの拳大の塊が一体何なのか、メガネをかけて見て頂きましょう。」
というと奥様は、メガネをかけて、
「えっ?!、魔水晶と書いてますわ!」
と驚いてくれた。
『ナイスリアクション。』
と、心の中で奥様に言ったあとで、俺は、
「ありがとうございます。
此方の塊は確かに魔水晶でございます。
あぁ!お嬢様、くれぐれもご自身の手に輝く宝石を鑑定なさらぬ様にお願いいたします。
まずあり得ないかと、思いますが、お嬢様のようにお綺麗な方に見栄を張りたい殿方が水晶をダイヤだと偽った贈り物が有ったとしたら大変です。
どうしてもと仰るのでしたらどうか、1つご購入をお願いいたします。
では皆様、お嬢様に暖かい拍手を…」
と、言って奥様を客席に返したが、俺はニールさんに、
「どうしよう?あのメガネ何個ある?」
と小声で聞くと、ニールさんは、
「あれを抜いて倉庫に八個あります。小金貨二枚です。」
と、小声で教えてくれた。
俺はニールさんに、
「全部持って来て」
とお願いして、ワゴンの前に戻り、
「さて、皆様、この鉱物資源鑑定メガネ、〈鉱石解る君〉欲しく成ったんじゃありませんか?
ダンジョンから出る商品のため、数はご用意出来ませんでしたが、売場のニール室長に無理を言いまして、小金貨二枚と大銀貨四枚と小銀貨三枚のところを、お値段、バスッっと綺麗サッパリお値引きしまして…
えっ?!小銀貨三枚?
いえいえ、大銀貨四枚もバスッっとやりまして、
なんとお値段、小金貨二枚!小金貨二枚です。
数に限りがございます。」
と、実演販売ゴッコから、マジの販売になり、メガネは売れに売れて、9個全部売れてしまった…
『俺も欲しかったのに…』
何故か現在、ダンジョンショップの他の売場の職員さんからも憧れの目で見られている…
『仲間になりたそうに見ないで下さい…ニールさんに相談して下さい。』
と、ダンジョンショップの職員さんからの熱い眼差しに混じり、またしても、店長が見ていたらしく現在、ニールさんとなにやら打ち合わせしている…
『帰りたい…』
と、俺が思っていると、
『今回のは、旦那様がやり過ぎたからでやんす。』
と影の中のガタ郎に呆れられた。
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