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悪役令嬢の父の愛と日常  作者:


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52話「自撮り」

 〜 アレンシア視点 〜


 モンドラ外交成功を祝う突発パーティーの後の夜。

 私はベッドの上でなかなか寝付けなくてゴロゴロと何度も寝返りをうっている。



「……はぁ……」



 おかしいわ……生娘でもあるまいし、あの人の手が頬に触れただけであんな……。


 そして急に思い出されるのは、昔ばあやに聞いた初夜の時の心構え……。



「いいですかお嬢様。夫となる人との初夜は大切な事です。もし、万が一にも放置され、白い結婚なんて事になれば妻にとって最悪最低の侮辱となります」

「侮辱……」


「ですが、アレンシアお嬢様はとても美しいのでまあそれはないでしょう。男なら一晩だけでもと思うはずですから」

「そ、そうよね! 私は綺麗だもの! よく言われるわ!」


「そしていざ、ベッドにお入りになりましたら、すべて夫たる方のなすがままに、痛くてもひたすら耐えてください」

「い、痛くてもひたすら耐えろと?」



 その言葉に思わず身が震えました。痛いことは好きではありません。実家の家庭教師が厳しくて幼い頃に膝の裏をムチで打たれたこともあります。


「最初は仕方ありません、何度か身体を重ねるうちに痛みはなくなりますので、それまでひたすら耐えてください」

「な、何回くらいで痛くなくなるの?」


「人によりますが、3、4回も過ぎたらなんとかなるのではないかと……。とにかく高位貴族の妻たるもの、必ず後継者を残さねばなりませんので、お務めですから、そこは耐えるところです」



 ……そして恐怖と苦痛で乗り越えた初夜……でした。夫の容姿が良くなければあの痛みには耐えられず、逃げ出したかったでしょう。

 愛で結ばれたわけではなく、政略結婚ですから。



「……あんなに雰囲気が変わることってあるかしら、もっと硬い雰囲気の人だったのに……でも自分の娘に対してはけっこう優しくしてたわね。欲しいものは何でも買い与えて……。そこは前から変わらないわ……なんなの?」



 でも自分の娘に嫉妬してもしょうがないわ。

 恥ずべきことだわ。


 まあ、私は公爵夫人だし、ちゃんと品位維持費もあるし、欲しい物はたいてい買えますし、悔しくなんかないわ……。


 でも、最近あの人死にかけていたとはいえ、そろそろ元気になってそうなのに、私の寝室に来ませんわね……。


 まだなにか不調なのかしら?

 私は……まだ跡継ぎの男の子を産んでいないのに……。

 このままでは女の子しか産めない無能だと思われてしまうわ。


 どうしたものかしら……。


 ◆ ◆ ◆


 〜 ケーネスト視点 〜


 夏の終わりの頃。


 血を隠す為にマントをさしあげた令嬢から御礼状と、新しいマントの変わりにサファイアが送られてきた。


 流石に公爵家にふさわしいマントを用意するのは困難なので、ひとまず頑張って宝石を入手したのか、元から家にあったのかは不明だが……。


 誠意は伝わった。

 別にそんな気にしなくてもいいんだけどな。

 俺的にはな。でも全く何にもなしだとあちらが社交界に居づらくなるからな。


 これはいずれ加工して妻にでもあげようかな。


 そしてまだ依頼の子供用ドレスは完成しないのだが、手土産に食料品を買ってからまたダンジョン経由で日本に戻ろうと思う。

 ついでに今回は5日間のプチ旅行みたいにしよう。


 あちらのことも気になるしな。

 俺のボディ、まだやはり寝たきりか……などと。


 そしてまた朝になってから、騎士の護衛をつけてダンジョンの壁画の前まで来て、俺だけ壁画の入り口を通過した。


 蔵の鏡から、俺、参上!!


「あっ暑ーーっ」


 セミの鳴き声も聞こえる。

 まだ朝って時間でもかなり暑い。流石日本。暑い。

 どうせ秋も残暑が厳しいと思う。


 俺はクーラーのある部屋に行くべく母屋に向かった。


 部屋に入ってすぐエアコンをつけ、シャワーを浴びる為、異世界の服を脱いだ。


 シャワーの後は甚平を着て、冷蔵庫で冷やしてあった未開封のペットボトルのレモン味の炭酸水を開けて飲んだ。


 ふー、爽やか!


 そしてパソコンも立ち上げ、異世界素材集の売り上げもチェックする。



「お、そこそこ売れてる、ラッキー」



 漫画とかではなく、素材集だからそんなバカ売れってほどではないが、イケメン騎士のページも評判良くて、購入者のコメントにも、騎士がかっこよかったのでもっと写真集とかが欲しいとも書いてあった。


 持つべきものはイケメンの知り合い!!

 って、よく考えたら、ケーネストもイケメンだ。

 壁にかけてある鏡を見て再確認。


 写真館で異世界の衣装を着て、自分の写真も撮って貰って売ってしまおうか? いや、プロに頼むと高くつくか……。

 SNSでカメラマンを募集するにしたって、女性ならともかく今の俺、イケメンでも男だしなぁ。

 やはり姉か姉の知り合いにでも頼むしかないか。

 姉にメールでもしておこう。


 もし姉がメールに気がつかなかったら、タブレットを充電し、少し充電が溜まったところでSNSから連絡をいれてみよう。


 幸いメールにすぐ気がついてくれた姉から連絡があった。

 写真は姉の知り合いで薄い本を描いてる人が以前ポーズモデルを欲しがっていたから、その人に交換条件で写真を頼んでみるとのことだ。


「なるほど、そんで先に自撮りでテキトーな俺の写真を送ればいいんだな」



 このケーネストの顔ならきっと釣れる!

 と、思って鏡の前で自撮りをした。

 できれば筋肉も見せた方がいいと言われたので、上半身だけ脱いで、下はジーンズって姿。


 ケーネストはイケメンでセクシーでかっこいい筋肉までついてて最高に映えるじゃん!!


 ヤッフー!! この容姿ならいくらでもナルシストみたいになれるな。


 俺は早速ケーネストの自撮りを姉に送信した。すると、



『やば、爆イケ!』


 という返信が来た。さもありなん!!






















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― 新着の感想 ―
さてさて、自分の姿といっても、仮の体ですからね。ほどほどに、、奥様への対応もお忘れなく、、
そこのナルシスト、自宅に戻ってそんなもん写す前に夜戦を仕掛けろよ ・・・前に拒否されたから行くに行けない? ツンデレなんだから急襲して何か言われても有無を言わずに押し倒せば・・・アレ?そこはかとなく犯…
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