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魔王子は女騎士の腕の中で微睡む  作者: 小織 舞(こおり まい)
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間章

黒幕の独白です。

大変不愉快な内容で、読み飛ばしても差し支えありませんので、苦手な方は本日同時更新の次話からお読みくださいませ。

 ああ、忌々しい!



 なぜあんな賤しい生まれの小娘如きの事で(わたくし)が呼びつけられ、しかもあんな目で疑われなければならないのか!



 やはり毒殺などという手緩(てぬる)いやり方などではなく、もっと直接的なやり方をすれば良かったのよ。もしくは、全員始末してからショコラとカードを置いておけば良かったのに、使えない連中だこと!



 一度しかない機会(チャンス)をふいにしたものだから、やりにくくなってしまったわ。これからはあの小娘だけでなく、お節介な者たちまでもが警戒することでしょう。怯える様を見るのは心踊るけれど、やはりさっさと始末したいわね。



 腑抜けのテオドールのおかげで、陛下の目の届かない部分はすべて手中に入れたはずだったのに。目障りなアウグストはまだ城に留まっているし、テオドールさえも小娘のために立ち上がろうとしている。ふん、でもそんなもの、無駄だわ。



 ああ、あの小娘をどうにかして取り除きたい。城下にでも出掛けないかしら。そうでなければ狩りとか。もうすぐ鹿狩りの季節だし。ふふふ、矢で心臓を射抜かれたあの娘は見物よね。良い射手を用意しないと。





 何か他に嫌がらせがしたいわね。

 思いっきり心を踏みにじって、べそべそ泣きたくなるくらい、そんな何かがないかしら。



 キンバリーの息子は駄目ね、あいつにはギュゼルを殺した犯人として死んでもらわないといけないから。



 あの娘の母親はどうかしら? みっともなくもまだ城の近くにいるみたいだし。使用人として娘に仕えるのって、いったいどんな気分なのかしらぁ?



 親にも勘当されて追い出されて! 惨めねぇ?

 ふっふふふ……、あっははは!



 ああ、でも駄目。

 あの女には嫌みを言うことは出来るけれど、それ以上の事をすればすぐ露見して陛下に話が行ってしまう。また呼びつけられるのはご免よ。



 そうよ、そうだわ!

 いるじゃないの、とっておきの獲物が!



 あの小娘が可愛がっている下級騎士、名前は何だったかしら。アウグストのお手付きなんですってね。これは醜聞だわ、誰だって仕置きを望むはず。



 身の程知らずの騎士に仕置きをしたところで、それは当然なのだから誰も文句は言えないわよね。

 しかも、貴族の夫人と不倫関係にあったんですって。節操のない女だこと。



 あの小娘の母親が受けた仕打ちと同じことを、あの小娘の騎士が受ける、これはとっても効果的じゃないかしら?

 うふふ、(たの)しくなってきたわ!

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