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ショートショート6月~

おやつ交換

作者: たかさば
掲載日:2020/06/30

ちらっ…。

きょろ、きょろ。

ちら、ちら…。


三人の子供が、神社の境内にいたよ。

三人とも、初対面。

三人とも、お母さんを待ってた。


「ねえ。」

「ね!」

「ねえねえ!」


「「「あーそーぼー!」」」


子供たちはすぐに仲良くなったよ。


一緒に境内の石を積んだり。

一緒にオオバコ相撲をしたり。

一緒に歌を歌ったり。

一緒に手遊びしたり。

一緒にドングリ拾ったり。


「ねえねえ、同じもの探ししよーよ!」

「なにそれ?」

「お互いの、同じものを探すんだよ。」


「目がある人ー!」

「「「はーい!」」」


「おへそがある人ー!」

「はーい!」


「しっぽがある人ー!」

「はーい!」


「羽が生えてる人ー!」

「「はーい!」」


「わっかがのっかってる人ー!」

「はーい!」


「けっこう似てるのに、似てないんだね!」

「同じところを見つけるの楽しいね!」

「違うところを見つけるの楽しいね!」


「ねえねえ、おなか空かない?」

「うん、おなかすいた!」

「おやつたべようか!」


「「「お母さんからおやつもらってるんだ!」」」


「僕ドーナツ持ってるよ!」

「僕いつくしみの心持ってるよ!」

「僕たましい持ってるよ!」


「「「おいしそうだね!!」」」


「そうだ!交換しない?」

「「いいねえ!!」」


「じゃあ、僕はこのドーナツをもらうね!」

「じゃあ、僕はこのいつくしみの心をもらうね!」

「じゃあ、僕はこのたましいをもらうね!」


ぱく、ぱく、もぐ、もぐ・・・!!


そこにお母さん方が戻ってきたよ。


「ぎゃあああああああああ!!!何食べてんのおおおお?!」


人間のお母さんが言ったよ。


「魂なんか食べて!!二重人格になっちゃったじゃないのおおおおお!!!」


天使のお母さんが言ったよ。


「ドーナツなんか食べて!!甘い事しか言えなくなっちゃったじゃないのおおおおお!!!」


悪魔のお母さんが言ったよ。


「慈しみの心なんか食べて!!!憎む心が消えちゃったじゃないのおおおおおお!!!」


お母さんたちはカンカンだったよ。

でも、食べちゃったもんは、仕方がない。


「「「もう!!知らない子と遊んじゃダメっ!!!」」」


ずいぶん時間がたったよ。


神社の境内に、若者が三人いるよ。


「ちーす。」

「やあ。」

「どうも、どうも。」


三人とも、人間みたいだ。


「どうよ最近。」

「やばいですね。」

「まずいですよ、ええ、」


でも影を見ると、角の生えて尻尾生えてるのと、輪っかの乗ってるのが二人いるよ。


「俺完全浮いてるんだよ、あだ名はジキルハイドだぜ?」

「僕悪人しか育てられなくて…。」

「私は魂一つも刈れてないんです。」


「「「おたがいやらかし」たよなあ」たよね」てしまいました」


「どうにかならないもんかね。」

「いい人を育てたらいいんですけど。」

「魂刈れたらいいはずなんですけどねえ。」


「俺ら幼馴染じゃん。」

「そうですね。」

「今でも親友です。」


「悪魔さあ、俺の魂刈れよ。」

「はあ?!できませんよ!!いやです!!」


「天使さあ、俺を育てろよ。」

「はあ?!僕にそんなの無理ですよ!」


「まあ待て、俺の中に魂が二つある。」

「その悪い方を刈るだろう。」

「それで悪魔の問題は解決だ。」


「俺の残った魂はずいぶんヤサグレている、厳しいことを言っても傷つくだけだ。」

「天使は甘いこと言って俺を甘やかせ。」

「俺が癒されれば天使の問題も解決する。」


「俺は今の生きざまを変えたいと願っているからな。」

「お前らに頼みたい。」


「いいんですか。」

「いいんだよ。」


「よろしいんですか。」

「はやくやれ。」


「頼んだぜ、親友。」


ざんっ!!


悪魔は人間から悪い魂を刈り取ったよ。


「…僕はもう駄目だ、僕は、僕は…。」


「「大丈夫ですよ、いいことがいっぱいありますよ、ほら。」」


天使は手のひらに幸運を出したよ。


「今からあなたは幸運の風に吹かれて、困難ない人生を歩み始めますよ。」

「何をしてもうまくいきますよ。」

「いい人と出会いますよ。」


悪魔は人間の目の前に立って言ったよ。


「あなたの周りに現れる悪いものの魂は私が刈り取りますね。」

「あなたが憎いと思うものの魂を私が刈ります。」

「悪い人は排除しますからね。」


ふるえていた人間は、天使と悪魔を見て、にっこりわらったんだよ。


「ありがとう!」


人間は、ずいぶんいい人になったんだよ。

人間の周りには、いい人がいっぱいなんだってさ。

人間の周りには、悪い人がいっぱい来るらしいけど、なぜかすぐに消えてしまうんだってさ。


今でも仲良し幼馴染はずっと仲良しなんだよ。


今日もほら、一緒におやつを食べているけれど。


「僕はやきとり食べようかな。」

「僕はジェラシーの心を。」

「私は嫉妬心をいただきますね。」


絶対に交換したりはしないんだってさ。

それがいいよね、うん、平和だよね。

種族を越えた友情は、まだまだしばらく、続くみたいだよ。


うらやましいね。


僕も友だち、欲しいなあ。

僕のおやつは世界。

僕とおやつを分け合ってくれる友達が欲しいなあ。


君のおやつ、分けてほしいな。



もらいに行っても、いいかなあ…?

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― 新着の感想 ―
[一言] 天使と悪魔に、人間まで参加しちゃいましたね。 幼馴染で、ずっと仲良くしてるんですね。おやつ交換して、他とは特別になっちゃったから、周りに溶け込めないんですよね。まぁ、3人仲良くで、いいと思…
[良い点] なんだかほっこりします。種族を超えた友情は案外なんとかなるもんですね [気になる点] ぼっち神視点かよ。行ったらロクな事ないですよ止めましょうよ
2020/06/30 20:58 退会済み
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