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転生先が少女漫画の白豚令嬢だった  作者: 桜あげは 
18歳

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254/259

254:採寸!!

 私とリカルドはやっとアスタール領へ戻ってきた。

 いろいろなことが起きたが、全部解決できてほっとしている。

 この日はいよいよ、ドレスの採寸がある。ごくりと喉を鳴らした私は、静かに体重計に乗った。そして……


「痩せた!!」


 緩やかに体重は減っていき、なんとか平均的な範囲に収まってくれていた。

 今回のダイエットは、さほど苦しくなかった。

 全部リカルドのおかげだ。彼の提唱したダイエットが私に合っていたに違いない。


 痩せなければならないという強迫観念や、何かに追い立てられるような嫌な気分にはならなかったし、ストレスから暴食に走りそうなときは、リカルドがさりげなく別の方向に誘導してくれた。


「うう、結婚式までこの体をキープしなきゃ」


 新たな目標ができてしまったが、当初の希望は叶えられたのでよしとする。

 ドレスの採寸は滞りなく進み、試着用の仮ドレスのボタンを、体圧で弾き飛ばすこともなくほっとした。


 採寸が終わったので、私はリカルドがいる彼の執務室へ移動する。

 リカルドの執務室は、ザ・実用的といった感じ。綺麗に整理整頓されていて、彼の性格がよくわかる空間だ。私はわりと好きである。

 東の国から帰ってきてからの彼はずっと忙しく、開けっぱなしの部屋の扉から、部下の人たちがひっきりなしに出入りしていた。


「リカルド~、いる~?」


 ひょっこり顔を出すと、一番奥にいたリカルドがさっと立ち上がり、私を出迎えてくれた。


「ブリトニー、お疲れ様。ドレスの採寸は終わったのか?」

「うん。リカルドのおかげで、いい感じに採寸できたよ。改めてありがとう」

「礼を言われるほどのことじゃない。ブリトニーが頑張ったから痩せたんだ」

「今回はそれほど『頑張った!』という感じじゃないよ。いつもみたいに無理せず、苦しまずに痩せられた。それはリカルドが協力してくれたからだよ」


 気恥ずかしい気分になりながらも、私は感謝の気持ちを彼に伝える。

 リカルドは愛おしげに私を見つめていた。


「一度、休憩にしよう」


 部下たちに指示を出したリカルドは、私を連れて庭に向かう。

 温暖なアスタール領では、一年中何かの花が咲いている。


「結婚式が終わったら、アンジェラ様たちと一緒に催しの準備もしなきゃだね」

「ああ、また賑やかになりそうだ」


 私たちは顔を見合わせ微笑み合った。


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