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転生先が少女漫画の白豚令嬢だった  作者: 桜あげは 
18歳

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230/259

230:白豚狩りから逃げ回る令嬢

2020.09.10 文章修正(ご指摘ありがとうございます)

「嫌なら逃げればいい。逃がさないけどな」

 

 今日のリカルドは、ずいぶん積極的だ。


「違っ……! ぶひゃあ!」


 慌てる私を見ながら、リカルドは感慨深そうに呟く。

 

「獲物を追い詰めるのは、わりと好きかもしれない」

「趣味を変えるべきだと思います! ノー! 白豚狩り!」


 部屋の中で、私とリカルドの全力追いごっこが始まってしまった。


「ゼェ、ハァ!」

 

 これも、ダイエットの一環なのか!? 何気にハードだ!

 結構いい線までいったのだけれど、結局私はリカルドに捕獲されてしまった。


「こ、これもいい運動に、なったかも……」


 荒い息を吐きながらリカルドに伝えると、彼は満足げに笑う。


「そうそう、気負う必要はない。目標は小さい方がいいんだ。それを積み重ねる」

「ドレスのサイズ測定までに、間に合うかな……」

「今のブリトニーならできる。問題ない」


 リカルドにそう言ってもらえると、根拠のない自信が湧いてきた。

 よし、頑張りすぎない程度に頑張ろう。

 私の場合は、もう少し痩せてからドレスを着たいと思うから。

 ダイエットが上手くいけば、私は今の自分に自信を持てる気がする。

 自分自身を卑下するのを止めて、自分を好きでいられるようになるかもしれない。

 そんな希望が見えた。


 ※


 そうこうしているうちに、ドレスの採寸まであと二ヶ月になった。

 私は徐々に痩せてきているけれど、まだまだ目標体重には届かない。

 僅かな焦りがある。

 

 この日の私はリカルドと一緒に真珠の商品の確認に向かう。

 普段はリカルドの部下や業者に任せているけれど、細かな部分で齟齬があってはいけないので、定期的に情報のすり合わせを行う。

 港町へ到着すると、代表の男性が揉み手をしながら待っていた。

 彼らにとっても良い話だものね。


「これはこれは、お待ち申しあげておりました。ブリトニー様は、今日もお美しいですな」


 だから、そんなお世辞はいらぬ。

 

(わざわざ、私の外見の話を持ち出すな、スルーしろ)

 

 そう思ってはいるが、苦笑いを浮かべることしかできない。

 一緒に仕事をする相手なので、余計な波風を立てたくはないのだ。

 けれど、リカルドが……


「そうだろう。ブリトニーは世界一綺麗なんだ」

 

 などと、サラッとすごいことを口にした! 


「リカルド、盛りすぎだよ」

「事実だが?」


 平然と返すリカルドを前に私は羞恥のあまり魂を飛ばし、そのまま彼に現場まで手を引かれていった。

リブートしたコミカライズ版が連載開始されております!↓

今後とも白豚令嬢をどうぞよろしくお願いします。

https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_EB03201795010000_68/

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― 新着の感想 ―
[一言] 追い詰めないと痩せないからね(笑)
[気になる点] > 自分自身を誹謗中傷するのを止めて、自分を好きでいられるようになるかもしれない。 誹謗中傷とは、 「誹謗中傷」は、「誹謗」と「中傷」を合わせた言葉である。 「誹謗」 - 他人を…
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