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第10話






■side:京都府立田神高校 3年 泉 那奈






 山岳基地と呼ばれたマップでは、現在基地内での激しい撃ち合いとなっていた。

 機体が通れるほどの大きな通路をブレイブファイターが走り抜けると曲がり角で壁を利用したカバー姿勢を取る。

 そして自分が走ってきた通路に向かってマシンガンを連射した。


 激しい銃撃音と共にマシンガンの薬莢が大量に落下する。

 弾を撃ち切るとマガジンが外れて下に落ち、代わりのマガジンが脚部から上に撃つ出されて綺麗にマシンガンに刺さる。

 リロードを完了させたブレイブファイターだが、スグに何かを察して後ろに下がった。

 そして後ろにあった荷物搬入用の大型斜行エレベーターに乗って起動させる。

 次の瞬間、先ほどまでカバー姿勢を取っていた通路の曲がり角の壁が勢いよく吹き飛んだ。


「……3……2……1」


 私はカウントを取りつつ動く大型斜行エレベーターから身を乗り出すと、下に向かって腰のトイフェルファウストを1つ発射する。

 エレベーター乗り場の少し奥に命中すると爆発音と共に爆風がエレベーターシャフト内を駆け抜けた。


「今ので少しは―――」


 警告音がコックピット内に鳴り響く。

 咄嗟に後ろに下がりながら左右を見ると、右側に大型通路らしき道を発見する。

 動く斜行エレベーターから飛び降りるように通路へと逃げ込む。

 すると次の瞬間、斜行エレベーターが爆発して炎上しながら停止した。


「……危なかったわ」


 この調子だとまだまだ健在だろうなと思いながら、センサーを起動しつつ移動した。






■side:京都私立華聖女学院高等学校 1年 早乙女 可理菜






 先ほどエレベーターに対して使用した滑腔砲を通常状態に戻すと、思わずため息を吐く。


「不愉快ですわ」


 山岳基地は射線の通りやすい場所も多いが複雑で迷路のようになっている場所も多い。

 先ほどから鬼ごっこのように狭い場所を移動しながら撃ち合いをしているだけだ。

 斜行エレベーターに乗った時はようやく逃げ場が無い場所に追い込んだと思ったが、まさか側面に通路があったとは。


 エレベーターが壊れた斜行エレベーターシャフト内を強引にキャタピラで登っていく。

 先ほどのやり取りでマシンガンを1丁潰されてしまったが、武装はまだまだ問題ない。

 タンク脚部内にある専用のスペースから小型のガトリングガンを取り出す。


「いい加減にして欲しいですわね」


 相手が逃げ込んだ通路の入口まで来ると、そのまま通路へと侵入する。

 派手に撃ち合うこともなく、相手のペースでの戦闘のみ。

 流石にストレスが溜まるというものだ。


 色々と考えているとコックピット内に警告音が鳴り響く。

 左腕のシールドで上半身をカバーしつつ小型ガトリングで正面通路奥に対して撃ち返す。

 撃ち始めた直後ぐらいに奥からマシンガンの弾が大量に飛んでくるが、防御重視に改造した雷鳴はほとんど装甲を削られることはない。

 まったくのノーダメージとはいかないが通常の機体なら既に中破ぐらいしていてもおかしくないレベルの弾を受けているのに、小破すらしていない状態こそこの雷鳴の強さを示していると言える。


 撃ち返しながらキャタピラで前進する。

 ジワジワと詰まる射撃距離。

 すると相手の方から何か銃撃音とは違う音が聞こえたと思ったら銃撃が止んだ。

 チャンスと見て背中のブースターを使用して全速力で前に出る。


「……まあ攻撃能力を奪ったと思えばマシかしら」


 通路奥にはガトリングの弾が当たって使い物にならなくなったマシンガンが2丁捨てられていた。

 相変わらず相手は鬼ごっこが好きなようで逃げ回っている。

 しかしジワジワと相手は追い詰められているはず。


「さて、そろそろ終わりにしましょうか」






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