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学園会議ーーー①

「やぁぁぁ!!」


「甘い」


 訓練室で、濡羽色の少女と黒色の少女が美しく舞う。しかし、その手に持っているものは全長1メートル以上の対アビス兵器『ジャガーノート』。


 濡羽色の少女ーーー朝凪菜々は、自身の師匠である小鳥遊祐樹に作ってもらった『クラウ・ソラス』を振るうが、黒色の少女ーーーアデル・フランシスカは、瑠璃学園最強の名に恥じない戦い方をして、菜々のジャガーノートを弾き飛ばした。


「菜々ちゃん、元気ねぇ」


「そうですわね。ギルドも結成したのもありますが、何より最近の菜々さんは絶好調ですわ」


 菜々のギルド、『朝凪隊(仮)』が出来て二日。最初は、「私たち『小鳥遊隊』では?」という意見が菜々からでたが、祐樹がギルドに入るのは非公式ということになっているので、祐樹の名前を使うことが出来ない。


 朝凪隊のメンバーは、最終的に七人。


 一年、朝凪菜々、アンナ・フューネ、安達椎奈、二宮梨々花、川瀬加奈恵、そして、非公式の小鳥遊祐樹の六名。


 二年、アデルフランシスカ。


 三年、七瀬神楽の合計八名でとりあえずはやっていくことになった。


 格付けランクは最低ランクのCから。一応、ここにいる大多数のメンバーでA-のアビスを討伐しているが、それは無効である。


「それにしても……皆さんはどこでしょうか?」


 この場にいるのは、アンナと神楽と菜々とアデルのみ。残り四名の姿が見当たらないがーーー。


「梨々花ちゃんと椎奈ちゃん、それと加奈恵ちゃんはのことは知らないけど、祐樹のことなら知ってるよ」


「本当ですか?」


「うん……今頃、空の上じゃないかな?」


「………はい?」


 上空、500メートル。飛んでいるヘリの中に祐樹の姿はあった。


「……あの、学園長……やっぱり電車で行った方が……」


「ゆ、祐樹……別に気にしなくても大丈ーーーウプッ」


 一年に一回、この季節に日本にあるヒロイン育成機関の学園長が一度に集まり会議を行うということがあり、場所は日本中にあるどこかの学園で行われる。


 今回は椿原で行われるので、現在このヘリは石川県に向かっているのだが……美冴はヘリ酔いが凄い。


 だから、祐樹は何回も瑠璃学園島と本土を繋ぐ海底トンネル電車を使いましょうと言ったが、美冴は頑なにヘリで行くと言って聞かなかった。理由はーーーー


「だって!ヘリでいったら皆と早く会えるじゃん!」


 との事だった。


 この学園会議には、護衛としてヒロインを一人連れていくことが出来るのだが、今回は誰にしよっかなぁと美冴が悩んでいた時に、祐樹の取引だったので、タイミングが良かった。


 ピリリ……。


 と、ここで祐樹のポケットに入ってある端末が鳴った。


 ポケットから出して、名前を確認すると、どうや、椿原学園に所属しているフェリシアからだった。


 フェリシア・コーネリア。椿原学園に所属しているヒロインで、ギルド『ヴィクトリア』のリーダーも務めている優秀なヒロインである。


 気絶している時に、いつ電話番号なんて交換したのか。それは祐樹も知らない。いつの間にか六人全員(何故か祐樹を嫌っていた朝霞広夢のまで入っていた)分の番号か登録されており、急に国崎樹莉から電話が掛かってきた時には、端末を思わず落としかけた。


「……学園長。俺今から電話しますけど、絶対吐かないでくださいね?」


「任せるんだ祐樹……ウプッ」


 ーーーいえ、正直何も信用出来ないんですが……。


 そう心に不安を抱えながら、フェリシアの電話に出た。


「もしもし、祐樹です」


「あ、祐樹さん、お久しぶりです」


「久しぶり。どうした、フェリシア」


 フェリシアは、祐樹よりも年上だが、本人から呼び捨て&タメ口でいいと許可をもらっているので、ありがたく思っている。


「いえ、その……あとどれ位で着くのか気になりまして」


 視点写って、石川県海上都市(メガフロート)椿原学園では、フェリシアが困ったように、ヘリポートに立っていた。


『ん?なんかあったのか?』


「いえ、その……何かあったと言うほど大したことは無いのですが………その、できるだけ早く来てくれると、非常に助かります………」


『? どうして?やっぱ何かあったのか?』


「……その、非常に言いにくいのですがーーー」


 ガヤガヤ……ガヤガヤ……


「……その、椿原学園生一同が…待っているのです。祐樹さんの到着を………」


『……………は?』

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