第1章・エピローグ
その夜。祐樹は美冴に今日の事を話、ギルドに入ってもいいかということを美冴に聞きに行くと、ものすごく呆れた顔をした。
「………あれだね、祐樹。君、なんか朝凪くんに甘すぎやしないかい?」
「………自覚はあります」
カリスマ持ちは、人から好かれやすい。その性質な、すっかりと祐樹にも聞いており、着実に祐樹の心を開いていた。
「まぁ、ガーディアンの契りを結んだら、基本上級生は守るお姫様に往々にして甘くなりやすいんだが……まさか、それが祐樹にも適応されるとは」
「それに関しては俺もびっくりです」
最初の祐樹は、俺を殺すために~とか何とか言って訓練をつけていたが、今ではただの師弟関係で、祐樹が菜々に対する態度なんて、妹のお願いを断りきれない兄みたいなものである。
「それにね、君。ギルドなんて入ってる場合じゃないこと分かってる?」
「……まぁ、分かってますけど」
こう見えても祐樹は、色々と隠れて美冴から任務を貰っている。フェンリルの研究所をアビスの攻撃に見せかけて破壊したり、フェンリルのの研究所をアビスの攻撃に見せかけて破壊したり。
故に、祐樹はギルドなんかに入っている暇はない。さらにいえば、これが祐樹の仕業だと分かってしまったた時には、迷惑もかかる。だって、既に祐樹は何人もクズ野郎に分類される人間をこの手で直接殺しているから。
まぁ、万一にも分かることなんて無いのだが。
「……しょうがない。もう何回も使っている特例でも出そうかな」
「……こう、何度もあると特別感が全然出ませんね」
「祐樹、君はギルドの《《13人目》》として、そのギルドに所属するんだ」
「……13人目?」
ここでもう一度説明を挟むが、ギルドとは基本六人以上十二人以下が理想とされている。理由は、ギルド最大攻撃技である『ヒロインズ・チェイン』に耐えれるジャガーノートのギリギリだから。
それ以上人を増やすと、魔力の多さにジャガーノートが耐えきれなくなり、全壊してしまう。
「君は、非公式に朝凪くんのギルドに入るんだ。まぁ、私が認めているからほぼ公式みたいなものだけどね」
つまり、公式のデータには祐樹除く12人の名前が記録されが、正式には祐樹はいるーーーまぁ、幽霊部員の逆みたいなものである。
「それならば問題は無いだろう……祐樹、彼女たちをしっかりと守るんだよ」
「……勿論です」
「うん、いい返事だ」
ニコッと笑う美冴。その笑顔に、菜々にいい返事が出来そうだなと自然と祐樹の顔も笑顔になった。
「……あぁ、そう言えば祐樹」
「……?はい?」
なにやら思い出した!とでも言うようにポンッ!と叩いた美冴。
「そろそろ、あの季節がやってくるね」
「あの……? あぁ、アレですね」
祐樹と美冴はチラリと学園長室にあるカレンダーを見る。そこには、瑠璃学園の行事が書かれている。
「もうすぐ、ヒロイン大運動会があるんだけど」
「そうですね。あと一ヶ月後ですね」
「そこで、一度日本にあるヒロイン育成期間の校長が集まらないと行けないんだけど……祐樹、着いてきなさい? あの条件、覚えているでしょう?」
第2章へ続く。
次章予告!
世間はヒロイン大運動会の季節……ってなにそれぇ!?どうやら日本のヒロイン達が学校ごとに別れてポイントを稼ぐ、まるで運動会みたいなものよ!
「優勝しても、特に意味はありませんが、一番輝いたヒロインには、できる範囲でなら願いを叶えるという特典がありますわ」
「そ、それって!お師匠様と1日お出かけできたりとか!?」
「! 菜々ちゃん!そのアイデア貰い!」
の発言から、祐樹がいない間に何故か瑠璃学園内では最優秀賞に選ばれると、祐樹とデートできるというまたまた勘違いが広まる。
そして、肝心な祐樹は、美冴に連れられ、会場である椿原学園へ。
「久しぶだな、ミスター。元気そうで良かった」
「おぉ!祐樹殿!息災だったか!」
「お久しぶりです、祐樹さん……お怪我なくて、何よりです」
久しぶりにあうアメリア達との再会。そしてまたまた新たな出会いが………。
「君は……一体……」
「……?」
次回、『輝け!煌めけ乙女達!』
お楽しみに!




