解散の危機!?
その後、玲音と霧江がカタリナの首根っこを引っ付かみ、ハミングバード一員は菜々達と離れることに。
ギルド作った際に与えられる控え室にて、カタリナをようやく入れることに成功すると、ズーン、と効果音が着くぐらいに落ち込み始めた。
「あちゃー……こうなったらカタリナ、しばらく機能しないね」
「祐樹くんをここに入れたがってたもんね、仕方ないと言えば……仕方ないかな」
と、玲音と霧江がカタリナを挟み込むようにソファに座った。
「ほーら、カタリナ。元気だしなって」
「そうだよ。余り気にしないでもいいと思うよ。これで今生の別れという方じゃないし、警備任務とかでも一緒になるかもしれないでしょ?」
と、二人がカタリナに抱きつきながら慰め始めたが、カタリナは落ち込んでいてそれどころでは無い。
「同じクラスにもなれなかったですのに、更に同じギルドにもなれないなんて、私ってなんのためにいままで生きてきたのでしょうか。私ってこんなに運が悪かったでしょうか?それともーーーー」
「ま、まずいよ霧江。カタリナが病みモードに入ってる!?」
「う、うん!こうなったカタリナを戻すのは祐樹くんしかいないよ!?」
中等部三年生ーーーより正確に言えば、祐樹とカタリナが初めて別のクラスななった時から起こるようになったカタリナの精神不安定状態、通称病みモード。目のハイライトが無くなり、いつもの金色がくすんで見える。
「ゆ、祐樹くん呼ぶ?」
「で、出てくれるかな……」
「ーーーーはっ!そうですわ!!」
「わわっ」
「キャッ!」
珍しく早い時間で回復したカタリナ。それに関しては嬉しいのだが、それを見ていたハミングバードのメンバーはそこはかとなく嫌な予感がした。
「祐樹さんのギルド……ということは、私が入れば解決ですわ!」
「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」
と、カタリナのびっくり仰天なセリフに全員が声を上げた。
「か、カタリナ!?」
「一体何を言っているの!?正気に戻って!」
と、慌てて二年生がカタリナに詰め寄って肩を揺らした。
「私は至って平常です!ということでごめんなさい!私、ハミングバードを抜けさせていただきますわ!」
「「いやいやいやいや!そういう発想にはならないから!」」
と、玲音と霧江が今にもこの控え室を出ていこうとするカタリナに抱きついて止めた。
「お離しになったください!二人とも!祐樹さんのギルド……祐樹さんのギルドが私を呼んでいるんですわ!」
「お馬鹿!私だって行きたいのに、あなただけ許すはずないでしょう!?」
「は、ハルモニア!?」
と、慌ててカタリナを止めたハルモニアだったが、こちらもこちらで色々と問題発言をした。
この後、危うくジャガーノートを抜きかけるまでの事件になったのだが、少し席を外していた三年生によって止められた。
この事件は、後々、瑠璃学園で史上最高のおバカな解散危機事件として語り継がれるのである………。




