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俯棺風景  作者: ししゃもふれでりっく
第十話 ゲヘナにて愛を謳う者達 上
93/116

09





 以前見た兜、鎧とは違い、代わりに真新しい白銀の鎧を身に纏ったあくまが嗤っていました。


 重厚さの欠片も感じられなくなった軽装鎧。けれど、それの持つ豪華さとでもいうのでしょうか。それを思えば防御性能は以前の物よりも高いように思えました。更には保護色というわけでもありませんが、大地の白さとその鎧の白さ、曖昧な境界に視界がぶれました。陽光に輝いているのも頂けませんでした。眩しさに目がくらみ、勘を頼りに引き金を絞れば、巨大なマズルフラッシュと共に弾丸がそこに吸い込まれていきました。それを、嗤いながらあくまが斜め前方へと避けました。避けた勢いのままに私へと走ってきます。それに向かって牽制した所であくまにとっては豆鉄砲。ソレら全てを切り落とすとばかりに巨大な剣を、嗤いながら振るあくま


 焦りと恐怖。


 それらが綯い交ぜになった感情に支配されそうになる自分を必死に抑え、眼前を横切る剣を寸での所で避けます。


 直後、ぶん、と風切り音が耳朶に届きました。それが脳髄へと伝わり、直前までそこにいれば顔の半分が持って行かれたであろう、そんな別次元の私を想像して全身が震え出しました。


「イクス、今のあんたじゃ無理よ。貴女は下がって!」


「でも、キョウコ一人でなんて!」


 残念ながらこのあくまを彼女一人で押さえられるとも思えません。私達が二人で掛ってなんとか戦える程です。


 戦闘前に得られた情報に焦りが産まれている私達だからこそ、尚更、劣勢でした。




―――




 戦闘は明け方からはじまりました。


 決戦の場はDEMON LORDの城から少し離れた広い平地でした。辺りに何もないただただ広く、雪に埋め尽くされた場所でした。ここを決戦の場として選んだのは私でした。


 見晴らしの良いこんな場所で戦う事の無謀さは分かっています。けれど、彼らの城で戦うよりましでした。奇襲戦ならまだしも、大規模戦闘においては地の利を奪われたまま戦う事程馬鹿な事はありません。勿論、この場も彼らの土地であるのは重々承知の上ですが、城よりはましでした。


 ですから、少しでもこちらの都合の良い場所を選ぶ為に、DEMON LORD達を誘い出しました。


 半ば冗談でキョウコと話していた事を実践してのけました。長距離ライフルでもって、窓際に立ったDEMON LORDとそれが必死に守ろうとしていた天使に弾丸という名の祝福のろいを送ってやりました。撃った瞬間に戦闘が始められるよう、東北への連絡が終わり、NPCの補充が終わった後にそれを行いました。成功するまでには数日かかりました。その間、一日中休むことなくずっとスコープ越しに窓を見ていました。月のなくなった目に感謝したのは初めてかもしれません。


 スコープ越しに、折角治ったであろう天使あくまの羽が数枚飛び散るのが見えました。


 そう。そこはもう私の射程範囲だと示させて貰いました。


 実際の事を言えば、あんなに離れた場所から攻撃したところで、私のDEXではそれ程ダメージは与えられません。ですが、攻撃は届きますし、弾丸は幾らでもあります。ですから……出て来たくないようでしたら、いっそ出て来られないようにライフルで攻撃を続けます、そんな意志を込めて何発も同じ場所に撃ちこみました。嫉妬が混じっていなかったとは言えません。スコープ越しに、DEMON LORDと仲睦まじい姿を見させられたので……


 そんな私のご挨拶のあと、暫く待てば---キョウコ曰く、夜があけたと同時に―――DEMON LORDが現れました。


 DEMON LORDと例の死神、そして目を覆う様に眼帯をつけ、和風な甲冑に身を包んだ背の高い妖精のような……それでいて幽霊のような悪魔を先頭にして彼らは現れました。


 千の悪魔がいました。


 海岸線に居た悪魔達が引いたという情報は手に入れていました。だから、それらが出て来るのも織り込み済みです。その対策に、こちらとて、200体の精鋭NPC―――ネージュ君がかなり無理してがんばってくれたようでした―――を背後並べています。勿論、数では敵いませんが、戦力としては十二分です。あの天使ぐらいなら何匹来ても大丈夫です。それぐらいのメンバーです。


 これが最後です。


 これで決着が付けられなければ私達は終わるでしょう。


「おいおい、SISTER。まがりなりにも修道女シスターの癖に、そんなに大量の生贄エヌピーシーを捧げて良いのか?まして悪魔に捧げるなんて修道女シスター失格にも程があるだろ。まぁ、でも、お前みたいな戦闘狂にはそれがお似合いかもな。……犠牲の上に成り立つ正義なんて、もはや正義でも何でもない。お前らに正義なんかねぇよ。お前らはただの戦闘狂だ。手段と目的を履き違えた狂人でしかない」


 以前とは違う鎧を身に纏い、剣を私に向けてDEMON LORDが大きな声を出しました。


「減らず口を。悪魔を憐れみ、戯れる人間など、もはや悪魔とかわりません。私達の正義のために、どうか死んでください」


 レイジングブルを相手に向け、言ってやりました。


「……ふんっ。そんなだから人間せいぎのみかたは嫌いなんだよ。矛盾を見て見ぬふり。最低だよ、SISTER。本当、お前、人間とNPCと悪魔、どれだけ死体を作り上げれば気がすむんだよ。そんなに殺しがしたかったなら戦場にでも行ってりゃ良かったんだ。こんなゲームに来ずに。その方が人山ひとやま幾らか貰えるんだろ?」


 よもや私の両親が傭兵であった事など知らないでしょうが、しかし……その嘲笑染みた言葉は少しばかり私に突き刺さりました。両親は決して、殺したいから傭兵をしていたわけではありません。傍から見れば同じでしょうけれど。金のために人を殺す者達なんて最低以下の何かでしかないでしょうけれど。その金で育ち、生きてこの場にいる私もまた……最低なのでしょう。


 けれど。


「悪魔を使って人間を蹂躙するのが好きな奴に言われたくはありません。そんなに悪魔と戯れたいなら、冥府ゲヘナに落ちてからにして下さい」


 それでも、私は逃げる事などしません。


 これより後ろには私たちの仲間がいます。


 希望を胸に、いつかこの世界から解放される事を夢見る仲間達がいます。家族、兄弟、友人、恋人、夫婦、色んな人達が私達の後ろにはいるのです。大事な、とても大事な人達がいっぱいいるんです。ネージュ君だってその中の一人です。だから、私は引きません。何と言われようと、私は……前へ進むのです。


 それを希望と呼んで良いのかは分かりませんけれど。


 それでも、私は……私達の正義のために、この悪魔を殺すために前へと進むのです。


「……まぁ、今更お前みたいな殺人狂と会話した所で何の意味もない。俺とお前は不倶戴天。殺すか殺されるかでしかない。呵責なんてない。お前を殺す事に、お前達を殺す事に呵責など、ない。そうさ。俺はこの世界を、この列島を支配し、悪魔の楽園を作り上げるんだ」


 その悪魔にんげんは自分に酔っていました。


 自分がゲームの主人公だとでも言うかのように自分に酔っていました。悪魔なんかのために、作られたデジタルデータなんかのために命を張り、人を殺すと言うのです。もはや、人とは思えませんでした。その異形の鎧姿もまた、それに拍車を掛けました。


 死神と同じく、前とは違う鎧。


 やたら尖った角状のものが生えた鎧でした。直接触ればダメージを貰ってしまう事でしょう。ですが、遠距離攻撃を主とする私には関係ありません。心を持たないNPCには何の恐怖心も与えられません。


「あぁ、ただし、だ。そこの女。……キョウコと言ったか?お前だけは生かしたまま捕えてやる。精々、手加減してやるよ」


 その場違いな言葉に一瞬、呆然としました。


 呆然としたまま、キョウコへ目を向ければ、キョウコはキョウコでDEMON LORDの言葉におかしそうに笑っていました。


「私に何の用があるのかしらね?性欲を発散したいならそこらの悪魔相手にしておけば良いのに。あぁ、やっぱり悪魔だと物足りないとか?……そんなに私に相手して欲しかったらがんばって捕まえてみることね。腕の一本、足の一本落としたぐらいじゃ捕まってやれないわよ?……伊達や酔狂で忍者スタイルしているわけじゃないしね」


 鼻で笑っていました。


 挑発的な視線をしていました。


 そして、挑発ついでに腰に差したアロンダイトを抜き、その切っ先をDEMON LORDへと向けて横に引きました。


「腕二本、足二本、覚悟しておけよ。この『裏切り者』め」


「うらぎりもの?何の事よ。世迷言は死んでから言ってよ。あぁ、死人に口なしだからそれだと聞けないわね。まぁ、聞きたくないから良いけど。じゃあ、さっさと……殺すわね」


 キョウコの口元が三日月のように歪んでいきました。


「ふんっ……まぁ、良い。始めよう。だが……その前に一つ、俺からお前らに情報提供してやろう。俺は寛容な王だからな」


 ふざけた口調だった。


 私達を苛立たせるために何を言うつもりだろうか。そもそも会話をする程の仲なんかじゃない。愛用のレイジングブルを取り出し、その引き金を引きます。


 轟。


 猛る雄牛が戦場に鐘を鳴らす。


 戦争の始まりだった。


 歓声が響く。事前にNPC達に伝えておいたものだ。相手は悪魔、何の意味もないかもしれない。だが、NPC達自身の鼓舞にはなるかもしれない、と。


 そして、弾丸の行きつく先。


 がんっ、という鈍い鉄と鉄の重なり合う音と共に、


「こんの戦争狂!いいかっ!お前ら―――お前らの城、NEROが襲っているぞ?こんな所で呑気に戦争していても良いのか!」


 DEMON LORDが言いました。


「っ!?」


 駆け抜けるNPC達。


 それを援護するように引き金を引きながらも、しかし、その言葉に脳裏が揺さぶられました。


 真っ先に浮かんだのは、ネージュ君が危ないという事でした。DEMON LORDの言葉の真偽も不確かなのに、私はその言葉が真実だと確信してしまいました。


 私達はNPCを戦争に使っているのですから。今までNEROが出てこなかっただけでいつかは訪れる事でした。それが今、というのは何て不運でしょうか。


 走り抜けたNPC達が悪魔を襲い始めました。


 襲われ始めました。死神には手を出さないように言っていた御蔭でその被害は……予想通り、大したことがなさそうです。けれど、大したことがないだけで……


『うぐぁぁっ』


『あぁぁっ』


 死んでいきます。


 悲鳴をあげて死んでいきます。


 私の命令でNPC達が死んでいきます。構いません。所詮、システムに作られた紛いものの命です。ですが、それをそうとは思わない人間もいるのです。それが暴君NERO。


 ソレに狙われたら、今、城に残っている人達では到底敵いません。


 せめてでも私達がいかなければ戦いにすらなりません。蹂躙でしかありません。城の方にも高レベルのNPCはいるでしょうけれど、NERO相手には敵わないでしょう。


 焦りが産まれました。


 焦りが、私の行動を後押ししてしまいました。


 いつしか私の体は雪上を駆けていました。両手に拳銃を握り、いつでも引き金を引けるようにしながら、駆けていました。


 さっさとこの戦いを終わらせようと、無謀にもDEMON LORDの下へと駆けてしまいました。


「いきなり主様を狙うなんて―――そんなの私が許すわけがないでしょう、人間」


 巨大な剣が振り抜かれました。


 咄嗟にそれを避ければ、キョウコが私へ罵声を浴びせ掛けながら、私と死神の間に入りました。






―――






 そして、現在。


「イクス!焦るのは分かるけれど、冷静になりなさいっ。ここで大将が焦ったら勝てるものも勝てないわよっ」


「……私に勝てるつもりというのが笑えるわね、人間」


 剣と剣が交差する音が響き渡りました。


 次いで、キョウコと死神の攻撃が何度も、何度も交差します。


 ですが、いつまで持つでしょうか?DEMON LORDがキョウコを捕えると言っていた以上、手加減されているのでしょうけれど---手加減されるほどの力量差でどれほどの時間が稼げるというのでしょう。それに、死神の後ろにはDEMON LORDや例の幽霊染みた存在もいます。


 キョウコを援護するようにレイジングブルの引き金を引きます。が、


「なん……で」


 銃口があらぬ方向を向き、弾丸の射出と共に腕がぶれました。


 こんな事……最初にこれを撃った時以来のことでした。


「馬鹿イクス!何処狙っているのよっ!」


 キョウコの罵声が再び私へと。


 それが更に私の焦りを産み出しました。どうしよう、どうしよう、と。早く倒さないとネージュ君が死んでしまう。早くこいつらを倒してしまわないとネージュ君がNEROなんかに殺されてしまう。


 あぁ……どうしよう。


 そんな私の隙を見逃すわけがありませんでした。


 地面を、雪原を滑るように薙刀を持った甲冑姿の妖精が迫ってきます。それを避けようと身を翻そうとして、足がもつれました。


「……あちらは楽しそうですのに、こちらはこんなものを相手にしなければならないとは……しかし、らくなのは良い事かもしれませんね」


 足がもつれ、倒れかける私に薙刀が―――


「っ!?ぁぁぁっ」


 腕に刺さりました。


 ぶすり、と二の腕に薙刀の切っ先が突き刺さり、血が流れて行きます。痛みが私を侵していきます。このままでは何もしない内に殺されてしまいます。


 殺されます。


 私が殺されてしまいます。


 私が殺され、キョウコが捕まって慰み者になり、ネージュ君も殺されてしまいます……他の皆も殺されてしまいます。


 私が、ここでこんな悪魔に殺されてしまったら……皆死んでしまうのです。


 私だけが死ぬなら、まだ良いのです。


 私は人を殺し過ぎました。死んだら地獄ゲヘナへ行くのは確定です。ですが、キョウコは私のために辛い思いをしながら人を殺していました。辛そうに顔を歪め、感情を押し殺しながら処刑を手伝ってくれました。私一人が戦場に立たなくて良いように、そう考えてくれたのでしょう。優しい人です。ネージュ君は私の大好きな人です。心優しい、こんな所でなければ皆の希望になれる逸材です。友人も多く、誰にでも優しくて、争い事だって誰も傷付けずに簡単に解決してくれる程凄い人です。


 そんな人達が、私が死ぬ事で死んでしまうのです。


「そんなのっ!」


 そんなのはっ!


「許されるわけがないでしょうっ!」


 瞬間、レイジングブルの銃口を突き刺さった薙刀へと向け、引き金を引けば、どすん、という鈍い音と共に薙刀が折れました。


「そう―――そうこなくてはっ!」


 刃を失った薙刀を―――その容姿にはそぐわない程に強く―――横に薙ぎました。


 ですが、そんな単調な攻撃に当たるわけがありませんっ。


 雪原を転がり、起き上がり様に銃口をその顔面へと向け、引き金を。


 どすん、どすん、どすん。


 三連射。


 今度は狙いも正確でした。


 焦りはもはやありません。


 焦る様な相手ではありません。


 私が冷静に、冷静にただ殺す機械マシーンのように相手をすれば時間の余裕なんていくらでもある。


 そう。


 だから、殺しましょう。


 神を冒涜する修道女の如く。


 悪魔を殺しましょう。


 あぁ、そうです。


 悪魔を殺すのですから、神を冒涜しているわけじゃない。


 だったら―――神様も私の味方でしょう。


 主よ、精々、憐れみ給え。


「キリエ・エレイソン」


 戯言の様に神に祈りを捧げながら、弾丸を射出していきます。


 腕の傷を回復する程余裕はありません。


 だから、代わりに延々と弾丸を放ちます。幾らこの悪魔のレベルが高かろうと、弾丸の早さに対応できるはずもありません。幽霊染みた姿とはいえ、攻撃は通っているようです。だったら―――押し切れます。


「さっさと、さっさとここからいなくなれぇぇ」


 散弾銃、SMG、ライフル、拳銃。いつもの如く、いつものように連続で武器の弾丸を撃ち尽くし、次から次へと武器を変更して行きます。


「このっ!子癪なっ!」


 幽霊染みた女の甲冑に穴があいていきます。次第、次第と甲冑がぼろぼろになっていきます。この甲冑はそこまで防御力の高いものではなかったのでしょう。


 だったら、このまま……


 ―――殺気或いは空気の流れを感じた瞬間、私はその場を飛び跳ねるように後ろへと。


 刹那、


「おいおい、俺の事を忘れるなよ、寂しいじゃないか、SISTER」


 上空からDEMON LORDが落ちて来ました。


 どすん、という鈍い音と共に今さっきまで私がいた場所に、DEMON LORDごと分厚い剣が落下してきました。


 ぞっとします。


 あんなものを頭から喰らえば、割れてもおかしくありません。


 DEMON LORDのステータスは恐らくVIT特化でしょうけれども、それでも……。


 このゲームの厭らしい所は武器が強そうに見えても実際の攻撃力が強いかどうかが分からない事です。実際に喰らってみなければその攻撃力は分かりません。けれど、もし喰らって怪我をしたら、腕を失ってしまったら、死んでしまったら、そう思えば軽々しくそんな事はできません。きっと、たぶん、この男の攻撃はそれほど強くはないだろう。そう思っていても、攻撃を受ける事はできませんでした。


 DEMON LORDを空に運んだ羽付きの悪魔を、ショットガンで撃ち抜きながら、そんな分析にもならない分析を終えて、私は対峙します。


 二対一。


 流石にDEMON LORDの横に並んでいただけあって幽霊の体力は高いようでした。ふぅと深く息をついてはいるももの、まだまだ十分戦えそうでした。


 二対一のこの状況。このままではじり貧になりかねません。一瞬、ちらりとキョウコの方に目を向ければ、所々服が破れているのが見えました。血が滲んでいるのが見えました。それに対して死神は何の傷もなくキョウコの相手をしています。遊んでいるようにも見えます。


 まずい、と冷静に思いました。


 焦りはありません。ですが、冷静に分析した結果、このままでは私達が負けてしまう事が分かりました。


 幸いな事にNPC達は優性です。無理をしてもらって集めただけはありました。それなりに被害は出ていますが、まだまだどうにでもなる具合でした。そもそも、彼らには時間稼ぎをして貰っていれば良いのです。DEMON LORDさえ倒してしまえば、ソレを率いるものがいなくなるので勝手に散開して行くことでしょう。ですから、最初から倒すべきはDEMON LORDただ一人なのです。


「ニア、被害は?」


「そこそこですね。大枚を叩いて高レベルのNPCを連れて来たのでしょう。中々に厄介です。切り崩すには聊か時間が―――っ」


 優位に立ったが故の余裕でしょうか。眼前の二人が小声で状況を確認していました。


 しかし、なぜDEMON LORDはこの悪魔にそれを問いかけたのでしょう?


 『目の見えない』はずの悪魔にそれを問う事に何の意味があるのでしょう?見えているのでしょうか?それとも……。


 そして、なぜこの悪魔は今、しまったという表情を浮かべたのでしょうか。


 考える前にその視線の先に、私も一瞬、視線をそちらに向けました。


 そして全て納得しました。


 やはり優位であるが故の余裕だったのでしょう。そんな大事な情報を敵に与えてくれるなんて、余裕を持ちすぎでしょう。傲慢が過ぎるでしょう。いいえ、悪魔ならば傲慢で不遜なのは当然でしょうか。


 視線の先、そこでは悪魔が悪魔を襲っていました。


 統制がとれていないのです。


 そして、それを確認したのがDEMON LORDではなく、この女悪魔であるというのが重要です。どういった仕組みで悪魔を仲魔にしているかは知りません。ですが、この幽霊がその助けをしているのは間違いないようでした。


 DEMON LORDを殺すのも重要です。ですが、この女悪魔が司令塔ならば、これを殺せば悪魔達は瓦解し、NPC達をこちらの戦力とする事もできるという事。


 なれば……先にやるべきはこの幽霊です。


 ですが、DEMON LORDがいる以上、早々に殺す事はできません。


 彼らから視線を逸らさずに一旦距離を取り、周囲を見渡します。


 後方で悪魔とNPCが戦っています。側方で悪魔とNPCが戦っています。その両者で悪魔が悪魔を襲っています。乱戦の形を呈していました。


 そんな私を無駄な足掻きとばかりにゆっくりとDEMON LORDと幽霊が追ってきました。キョウコの事は死神にまかせっきりのようです。


 もう一度、キョウコに視線を向ければ、視線に気付いたのかキョウコが一瞬、こちらを見て、頷きました。


 私にアレを『使うべきだ』と。


 しかし、その頷きがキョウコに隙を作ってしまいました。


『余所見なんて良い度胸だわ。いつまでも手加減して貰えると思ったら間違いよ。貴女には嘘を吐かれてもいるのだから……私の―――』


 遠く離れていても聞こえる轟音。


 死神が剣を振ります。


 それをキョウコが背面跳びで避け、着地と同時に死神の胸元へ飛び込み、アロンダイトで貫こうとしたのを、強引に軌道を変えた死神の剣に止められていました。即座に、跳ねるように後退し、今度は側方を狙おうと位置を変えれば、当然、死神もそちらに向きます。じり、じりと距離を詰めたり、離したり。そんな行為に焦れたのか死神が骨で出来た手から蒼い炎を産み出しました。


「ちぃ―――イクス!さっさと使いなさいっ!」


 声高に。


 言外に。


 余裕がないと告げた。だったら、ありがたく使わせてもらうとしよう。この二人の狙いは私なのだから付いて来てくれるだろう。NPCを何匹殺してもこの二人の勝利ではありません。私を殺さなければ終わりません。ですから、必ず追って来てくれるでしょう。


 地面を蹴り、跳ねるように後退します。


 そして、そのまま悪魔とNPCが戦っている場所へと。乱戦の中へと向かいます。


「なにをっ!」


「子癪っ!---主様!このまま追えば仲魔を巻き込んでしまいます」


 悠長な台詞だと思います。


 悪魔の楽園を作るためには悪魔を殺してはならない。そんな事をもし思っているのだとしたら馬鹿です。


 余計な思考。


 それに気を取られている間に、今まさにNPCを切り倒した悪魔が、私に向かってその巨大な爪を振りかぶりました。熊のように大きなワニでした。爬虫類がこんな寒い所で生きていられるのも皮膚が熊の様だったからでしょう。顔はまるっきりワニでしたが。


 その巨大なワニの口に向けてMP5の引き金を引きました。ぱらぱらと軽い射出音と共にその顔が飛び散ります。ざぱっと滝のように、噴水のように血が飛び出し、私のシスター服を汚しました。


 藍色を基調としたシスター服が赤く染まり、どす黒くなってしまいました。いつもの事なので慣れたものですが、また洗わないといけません。手間な事です。


 などと考える余裕もなく次、次、次と悪魔が襲ってきます。


 弾倉が空になったMP5を投げ捨て、代わりにグロック17を取り出し、両手で持ち、両腕を伸ばし、ソレら一匹、一匹に向けて引き金を引きます。9x19mmパラベラム弾によって悪魔の身体が穿たれ、更に血が沸きます。私の周りだけ、雪が溶けて血塗れになりそうでした。


 いいえ、これからもっと血で出来た道を作り上げるつもりなのですから、血塗れどころではありません。


「SISTER!何、逃げてんだよ!大人しく俺に殺されるためにこっちに来やがれ!」


「主様!追い掛けてはなりません。冷静になって下さい。ここはあちらの女を掴まえてから行動した方が―――」


 彼がもっと冷静だったのならば、また少し形は違ったのかもしれません。


 ですが、私は、この戦争が始まる前に二つ用意しました。一つはこの地に設置したもの。そしてもう一つは戦争直前に、彼の大事な天使たからものに向けて攻撃した事です。


 儚く脆い天使たからものを狙撃したのです。


 彼らを呼び寄せるついでに、あの天使たからものはいつでも壊せると示したのです。


 意味があるかは分かりませんでしたが、今の状況を思えばやっておいて良かったと思う所です。


 追ってくるDEMON LORD。


 悪魔達に命令してその場を退かせ、NPCに剣を叩き込みながら私を追ってきます。


 その間に、私は最も戦闘がきつい場所へと向かって行きます。


 右手で拳銃を握りながら、左手にSMGを持ちながら。


 弾丸を撒き散らし、血を撒き散らしなら、この白い大地を赤く染めながら進んで行きます。


 そして。


点火ファイア


 その言葉と同時に、事前に雪原に埋め込んだ―――


 ―――幾千の爆弾に向かって銃弾をばら撒きました。


 瞬間。


 世界が明滅しました。


 世界が爆発音だけに支配されました。


 私が起因となった攻撃です。


 私以外のその全てが、その攻撃から逃れる事はできません。DEMON LORDも、幽霊も、その他雑多な悪魔達も……勿論、NPCも。


 呻き声に耳が馬鹿になりそうでした。血と肉の匂いに鼻が曲がりそうでした。


 これと同じ事をWIZARDが人間相手にやっていました。どういう心境だったのでしょうか。今の私と同じのような気がしました。なぜだか、そう思いました。あんな魔女と一緒というのは業腹ですけれど、同じだと思います。


 そう。


 私と同じく、WIZARDは何の感慨もなかったのではないでしょうか。


「が……あぐっ……」


 そんな私の耳に幽霊の呻き声が聞こえて来ました。


「存外、しぶといですね」


 DEMON LORDを追う様な形で無防備な格好をしていた所為でしょう。爆発をまともに受けた腕が飛び、足が飛び、腹が裂け、内臓を垂れ流していました。幽霊の方はもはや死に体でした。死に体のその幽霊に追い打ちを掛けるようにアサルトライフルを撃ち込み、その存在を世界から消しました。


 一方でDEMON LORDはやはりVIT特化。


 まだまだ余裕がありそうでした。とはいえ流石にこの攻撃によって棘々した鎧は割れ、もはや張り子でしかありません。そして、彼を守る物、いいえ、彼のあくま達も相当数、数を減らしました。NPCも減りましたけれど、勘の良い―――という言葉はおかしいですが―――NPCは戦闘を継続しながらも、私から逃げるように離れていましたので、大部分は大丈夫です。


 勿論、キョウコも無事です。残念ながら死神も無事でしたが……。


 もっとも、死神が無事だろうと関係ありません。


 これで終わりです。


「悪魔なんかを守ろうとするから、こんな事になるんですよ。貴方は人間らしく、人間を守るべきでした。そうであれば私達は協力できたでしょうに。その事が少しばかり残念ですよ」


 仮想ストレージからスタームルガー・スーパーレッドホークを取り出し、DEMON LORDに向けて454カスール弾を射出しました。


 轟。


 正直、この拳銃は強力過ぎて、一発撃つ事に腕が痺れそうになります。ですが、今はそんな事気にしていられません。さっさとHPを削りつくすのが先です。回復されたら元も子もありません。


 キョウコが、あの死神を押さえている間に。


 DEMON LORDの防御力を考慮して、攻撃力の高い武器であるスーパーレッドホークを選びましたけれど、装弾数が6発と言うのが頂けません。スピードローダーがない以上、弾丸は自分で詰め込む必要があります。自分で言うのも何ですが、かなり慣れているのでそれ程時間が掛るわけではありません。とはいえ、0ではないのがネックではあります。同じく454カスール弾を射出出来るレイジングブルの二丁で撃つ事ができればもっと早いのですが、同時に弾丸を入れ変える事ができない以上、ないものねだりでした。


 ドスン、ドスンという鈍い音と共にDEMON LORDが欠けて行きます。


 まずは足。


 同じ個所に六発撃ち込めば、膝から下が身体から離れて行きました。


「があぁぁぁっ!?」


 その悲鳴を聞きながら、シリンダーをスライドさせ、空薬莢を捨て、即座に弾丸を詰め込み、グリップ操作でシリンダーを元に戻します。


 続けて、もう片方の足。


「貴方の王道は始まる前に終わりです。私が終わらせます。さようなら、DEMON LORD。精々、地獄ゲヘナ天使あくまと戯れていて下さい。……いずれ私も行きますから、何か言いたい事があればその時に聞きますね」


 言葉を告げながら、引き金を引き絞り、弾丸を詰め込み直して更に引き金を引く。そんな機械でも出来るような事を続けます。


 それにしても……しぶとい。


 普通の敵ならここまでやれば、死に至るのに……そんな考えが思考を過りました。過った瞬間、多少攻撃力が下がったとしても、弾丸を詰め込む作業時間すら惜しいと考え、仮想ストレージから空中に拳銃・SMG・アサルトライフル等々持ちうる全ての銃を射出し、手に取った先から弾丸をDEMON LORDへおみまいします。


 腹を守っていた部分の鎧が壊れ、その内に隠れる肉へと弾丸の雨が降り注ぎました。


「あぁ、貴方が地獄へ行く前に一つ聞きたい事がありました。……なんでキョウコを『裏切り者』と呼んだのでしょう?」


「がはっ……おし……える……かよ、ざまあねぇな、修道女ビッチ


 大して答えを期待していたわけではありませんでした。となれば、もうその小煩い口を閉じるべきでしょう。


 口腔に向かって、弾丸を射出しようとしたその時でした。


「っ!?」


 先程、DEMON LORDが降って来た時のような殺気を感じ、その場でバックステップ。


 直後、地面を抉る鈍い音と共に剣が、私がいた場所に刺さりました。


 爆弾に侵され、血に侵された土埃が、舞いあがっていきます。


 何事、と上空を見上げれば―――


 太陽を背に。


 天使がそこにいました。


 天上から地上へと堕ち、悪魔の王に付き従う天使がそこにいました。


「なんで……なんで……リディスぅぅぅぅ!!!げはぁっ……何故、きたぁっ!」


 驚愕を浮かべながら、血を吐きながら、言葉に詰まりながらもDEMON LORDは絶叫しました。


 そんなDEMON LORDを見下ろしながら、天使は皮肉気に笑いました。


「アキラ様を守るのが私の役目ですから。まぁ、今となっては守られるばっかりで何ともですけれど」


 土埃が収まると共に、白い翼の生えた天使が天から舞い降りて来ました。


 バイザーを付け、戦女神のような鎧を身に纏った愛らしい天使でした。


 残念ながら、神様の使いではありませんが……。


 或いは、神を冒涜いのるする私に神が怒ったのでしょうか。


 分かりませんが---今更、こんな天使あくまが増えた所で何が変わると言うのでしょう。


「―――邪魔です」


 銃口を向けました。


 が、そんなものどうでも良いとばかりにそれを無視して、天使あくまは口角をあげ、眉を歪め、見下すように私に向かって、


「貴女こそ邪魔です。仲睦まじい私達に嫉妬して、その仲を裂こうとする腐れ修道女ビッチが、私達の仲を邪魔するな。大人しく穴倉きょうかい神様おとこに慰めて貰っていろ」


 そう言いました。


 瞬間、がり、という音が周囲に響きました。


 私の歯でした。


「あぁ、でもそうですね。貴女みたいな殺人狂の修道女ビッチに懸想されても殿方は嬉しくないでしょうね。ただでさえ修道女ビッチなのに、戦争狂ウォーモンガーなんて持て余すにも程があります。その殿方が可哀そうで仕方ありません。そうですね、その人には天使の祝福をあげないといけませんね」


 汚い言葉でした。


 常日頃からそんな言葉を口にしているかのような、そんな印象さえ受けるほどに汚い言葉でした。


 ですが、そんな言葉を貰った所で私がどうなるわけもありません。この状況を変えられるわけがありません。


 天へと。


 天使へと銃口を向け、引き金を引けば、瞬間、


「っ……馬鹿の一つ覚えですね。本当、言葉で敵わないからって暴力を振るうなんて、修道女シスターの鑑ですね!全く。育ての親に一言文句言いたいですねぇ!天使ひとの男を嫉妬で殺すような娘に育てるんじゃないって」


 愚にも付かない汚い言葉を言いながら、天使が私に向かって飛んできました―――背の翼で力強く空を切り、弾丸を避ける素振りも見せず、翼を弾丸で貫かれても、ただただ私に向かって。


 驚きに、一瞬、思考が停止しました。


「リディ……な、なにをっ!」


 DEMON LORDですらそうなのですから、私の思考が止まってもおかしくはありません。等と考える間もなく、天使が両手で私を抱きしめるように……捕えました。


「ぐっ……」


 大してレベルも高くない天使の拘束に、何ほどの力があるというのでしょうか。ですが、私はその場を一歩も動けませんでした。


 愛の力だとかそんな馬鹿な事なんて、デジタルなこの世界にあるわけがありません。だから、何某かの力が働いているのは間違いありません。己が持つ命すらかけて私を拘束しようとしているからとかかもしれません。あるいはこの天使あくまのスキルかもしれません。全く原因が分かりません。暴れても逃げられません。理由が全く分かりませんでした。分かるのは、私の身動きが取れないと言う事だけです。


「は、離し―――」


「誰が離すものですか。こんな私が、漸く、アキラ様の役に立てるというのに」


 眼前の天使。


 笑っていました。


 バイザー越しに見える瞳、それもまた、穏やかでした。


 穏やかに、笑いながら、とてもとても嬉しそうに私を捕えていました。


 慈愛に満ちた、まさに天使と言わんばかりに。


 悪魔なのに。


 神様に作られた玩具デジタルデータでしかないのに。NPCと何ら変わらない存在デジタルデータでしかないのに……何故、こんなにも、こんなにも……


「悪魔が……なんでそこまで人間を……」


 気付けば、そんな事を口にしていました。


「私は、アキラ様の事を愛していますから」


「――――」


 言葉に詰まりました。


「可哀そうな貴女。貴女には愛し愛される者はいないのですね。ふふっ。ざまぁないですね、人間プレイヤー


 嗤われた。


「わ、私にはっ!」


 反射的に否定しようとした所で、言葉は続きませんでした。


 人に作られた者に、馬鹿にされたというのに。『私の方がよっぽど人間らしいわよ』とでも言わんばかりの、その言葉に私は何一つ言えず、何も応えられる事なく。さらには少しの間を置かれました。考える時間をあげる、と。それでも答えられなかった私を侮蔑するように、見下すように見てから、天使あくまはキョウコ達の方へと顔を向けました。


「キリエ!そんな相手、さっさとどうにかしてこっちに来なさい!いつまで遊んでいるつもりですかっ!」


 その叫びと共に、キョウコの悲鳴が聞こえました。


 そして、数瞬。


「良くやったわ、リディス。今すぐ貴女ごと切ってあげるから安心なさい」


「えぇ。キリエ。アキラ様の事。そして、後はお願いね。この人、見ていないと無茶するから。いいえ、無茶苦茶と言った方が良いかも」


「貴女に言われる筋合いはないけれど、死に逝く者には寛容であるべきね。分かったわ。貴女は大人しく天界だかあの世にでも行って私達の仲睦まじさを堪能していなさい」


「ふん。私を愛しているアキラ様が、そんな簡単にキリエに靡くわけないじゃない。と……戯言はこれぐらいね。……ほら、さっさとやりなさい。アキラ様。先に逝く事、お許しください」


 その言葉を告げた時もまた、笑顔だった。


 慈愛に満ちた、さながら母の如く。いつか見た、ネージュ君のような、そんな優しい笑顔だった。


 あぁ。


 私は、私は……こんな所で。


 逃れることはできそうになかった。


 人を愛し、人に愛される天使あくまに羽交い締めにされて、馬鹿にされて、可哀そうな奴だと言われ、そして、死神に切り刻まれる。


 それが私の最後。


 あぁ……嫌だなぁ。


 こんな終わり方は嫌だなぁ……


 分厚い剣。


 切れ味が悪そうで、とても痛そうな剣が大上段に掲げられる。


 そんな大仰に構えなくても逃げられないのに。


 きっと痛いんだろうな。


 きっと―――


 ぶぅん、という風を切る音がした。






 いつまで経っても、痛みは来なかった。


「な、なにを……何をされているのですか?……主様」


 呆然と呟くのはその下手人だった。


「許す……かよ……リ……リディスは……殺させ……お、俺が……」


 零れ落ちるような声でした。


 私を……いいえ、天使を庇う様に、私の代わりにその剣を受けたのはDEMON LORDでした。


 そして。


 眼下には―――


 穴だらけの血に塗れた腕で、最愛の天使の身を抱きしめる人間の上半身だったものと、


「ほんと……馬鹿なんですか―――ら」


 最愛の人に抱き締められた天使の上半身だったものが……


 ――――抱き合ったまま、地面に落ちていました。




 


『北海道 現城主 アキラ が打倒されました。ギルド LAST JUDGEMENT が 北海道 の城主となりました。以後、 北海道 はギルドの設定した法令に従い運営されます』






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