#99 朝早くのメール。
お風呂場のドアの開く音が聞こえたので優弥はとっさに振り向いた。
そこにいたのは、下はスウェットで上は何も着ずにいつもつけているネックレスだけの、上半身裸の奏太が現れた。
『ちょ、何て格好してんの!!!』
「勝手に来るお前が悪いんだろ」
そういって奏太は一番窓際のベッドの上にあったTシャツを着て、タオルを鞄から取り出した。
『あ、そうだ。今日の班長会議のさ、内容千秋に聞いてきてって頼まれたんだけど』
「明日の集合時間の訂正」
『何時?』
優弥はその辺にあったメモ帳を1枚取ってメモ帳の隣に置いてあったペンを取り、メモろうとした途端、頭の上にタオルが乗せられた
『ふわぁ!!何?!』
見上げるとどうやら奏太のタオルのようだ
「お前まだ髪濡れてんじゃん」
『あぁ、今お風呂から上がったとっ・・・』
突然、奏太にタオルをくしゃくしゃとされた。
髪の毛を拭いてるつもりなのだろうか?
『ちょっと!髪の毛ボサボサになったじゃない!』
奏太はタオルを自分の肩にかけて優弥の持っていたペンとメモ帳を奪った
「おい、カナ。何時になったんだっけ?」
優弥が必死にボサボサになった髪の毛を戻している間、奏太は班長会議の内容をメモしていた
「・・・はい」
奏太がメモした紙は突然優弥の顔に押し付けられた
『痛っ!!』
奏太は自分の、一番窓際のベッドに戻り、服を着てケータイをいじり始めた
用がないならもう帰れってか?
その後、メモに書かれていた明日の朝の集合時間が予定より1時間も遅くなっていた
時刻の下には「先生が、朝食を食う場所の開店時刻を間違えた。」と、奏太の字で書かれていた
『んなあほな』
優弥は廊下で一人で呟きながら部屋へと戻った。
♪~♪~♪
翌朝、優弥は突然鳴り出したケータイの音楽で目が覚めた。
『んん~・・・』
ケータイで時刻を見てみると集合時刻の2時間前だった。
集合時間が変更になった後、めざましの時間を変えるのを忘れてしまっていたのだ。
今の音楽で千秋と静香も目が覚めた様子だった。
千秋は不機嫌な顔をしている。
『ごめん、ごめん。時間変えるの忘れてた』
「おはよーう・・・」
静香も眠そうにしている。申し訳ない。
と、突然携帯の音楽が鳴り始めた。メールだ。
『こんな時間に・・・?』
見てみると奏太からだった
内容は「今起きてる?」という一言だけだった
『・・・?』




