#161 寂しい?
「「お邪魔しましたぁー♪」」
嵐が去ったかの様な気分だ。
奏太の家でたっぷりと勉強すると竜と叶は帰っていった。
『竜があそこあでバカだったとは・・・』
奏太の部屋に残った優弥はため息まじりに呟く。
奏太も疲れきった様子で優弥の隣に座った。
「普段のあいつ見てればわかるだろ」
『まぁね。・・・にしても、まさか勉強してるとは』
「・・・受験生だし」
そういえば受験生だ。
優弥は勉強が面倒なので勉強しなくても実力で十分いけるような大学を志望校にしている。
その為、受験生ということもすっかり忘れていた。
『・・・そっか。じゃあ、あんまり遊べなくなるの?』
「かもね」
『・・・』
寂しい、口には出さないがそう思わないわけが無い。
家が隣でよかったと改めて思う。
優弥がチラリと奏太を見上げる。
その視線に気付いた奏太も、チラリと優弥を見た。
「・・・?」
『いやっ、別に・・・』
優弥が目を逸らそうとした瞬間、奏太は優弥と唇を重ねた。
『っ・・・///』
いつもより長く、深い。
こういうキスは、未だに慣れない。
優弥が奏太の服をぎゅっとつかむと、奏太はそっと唇を離し、目を逸らした。
「・・・受験終わったら、続きすればいいじゃん」
『続っ・・・』
それ以降は、奏太は目を合わせてくれなかったので優弥も自分の家に戻った。




