表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Love Addiction  作者:
155/171

#155 本気?

放課後。教室には悠希と千秋と静香だけが残っている。

沈黙の中、先に口を開いたのは悠希だった。

「・・・優弥、私と付き合うってさ」

「別にいいんじゃない?どうせまだ奏太は好きだろうし。作戦は上手くいくよ」

千秋が鞄を持ちながら言った。

「そんなに上手くいくかな、あんたの作戦」

「どういう意味だよ」

「僕、結構本気なんだよね」

「は・・・?」

そして悠希は、意味深な笑顔を見せ、帰っていった。


気が付けば、12月23日。クリスマスイブの前日。

24日と25日の悠希は都合が悪いらしいので23日の今日、優弥は悠希の家に遊びに来ていた。

『メリークリスマース♪』

「・・・優弥」

他愛も無い話をして優弥がはしゃいでいると、悠希は突然優弥の肩をつかんだ。

『・・・?何?』

悠希は、心配そうな表情で優弥を見つめる。

『何、どうしたの?!悠希?』

悠希はそっと優弥に顔を近付け、キスをした。

『――――?!嫌っ・・・』

優弥は思わず、悠希を突き飛ばしてしまった。

『あ・・・』

そして、後悔する。

奏太の事は忘れると決めたのに、申し訳ないという気持ちがこみ上げてくる。

悠希は、優弥を睨みつけた。

「あんた、まだ奏太君好きなんでしょ」

『それはっ・・・』

「忘れるために私を利用しただけ?」

『っ・・・ごめんなさい』

「そんな中途半端な気持ちで付き合ってほしくない!」

悠希が叫んだ直後、優弥のケータイが鳴り響く。

千秋からの電話だった。

『あ、ちょっとごめん・・・・・・もしもし?』

電話の向こうからは、慌てた様子の千秋の声。

そして優弥は、耳を疑った。

『え、千秋、今・・・何て?』

「だからっ・・・奏太が駅前で事故ったって・・・」

優弥はすぐにケータイを鞄に放り投げ、チラリと悠希を見た。

「いいよ。どうせ奏太君のところでしょ」

『っ・・・ごめんねっ!!』

優弥は悠希の家を飛び出し、駅前に向かった。

外は雨が降っている。確か今日は雷だと聞いた気がする。

優弥は傘も差さずに、駅前に向かって、走り続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ