早い?速い?
読んでくださっている方々、ありがとうございます!
「………んだよっ! ……つまんねぇな………」
「……んぅ?…………うるさいなぁ……」
周囲がやけに騒がしかったせいで、目を覚ましてしまった。
そういえば部屋に帰った後、疲れですぐに寝たんだった。
ところで、なんで周囲が騒がしいんだ? ここは自分の部屋で、俺以外は誰もいないはずなんだけど……………
「ん?」
「お、ようやく起きたか。もう夜だぞ」
んん? あれ、おかしいな……………俺の部屋にヤンキーさんがいる……?
っていうか、俺のゲーム機で勝手に遊んでるんだけど………
「な、なんで俺の部屋にいるんですかっ!?」
「ヒマな時遊びに行くって言ったろ。それより、夕飯はどうすんだ?」
遊びに来るの早すぎない? 言った当日の夜に来るって早すぎるでしょ!
………まぁ、いいや。それより、夕飯か………
「夕飯は………手軽になんか作るか、コンビニへ買い物に行こうかと思ってます」
「そうか………」
「あー、でも…………そうですね、冷蔵庫に食材が少し余っているのでなんか作っちゃいます」
「わかった、じゃあ私の分も頼む」
「えっ?」
もしかして、ヤンキーさんの分も作れってことか?
てっきり夕飯は食べてきたものだと思ってたけど…………
「ダメか?」
「いいえ、大丈夫ですよ。とっとと作っちゃいますね」
「ありがとな」
「いえいえ……………あ、ところで」
「ん、なんだ?」
料理を作るのはいいんだけど、大事なこと聞いてなかった。
今更だけど、聞いておかないと。
「お名前、教えてもらってもいいですか?」
「あ………」
ヤンキーさんは、うっかりしていたという顔をした。
俺もさっきまで気づいてなかったから気持ちはわかる。
「雪那………織田 雪那。しっかり覚えとけ」
「織田さんですね、覚えました」
「雪那でいいよ、私は気にしないから」
「わかりました、雪那さん!」
雪那さんは満足そうに微笑んでいた。
…………その笑顔に、俺はうっかり見惚れてしまった。
「どうした?」
「い、いえ………じゃあ、なんか作ってきます」
「おう、悪いな」
さて、とっとと料理を作っちゃいますか!
次話はならべく早めに投稿します。




