第35話 醜い夢《後編》
醜い夢~最終章
シャルロット VS メア
初めから折っておく。
諦めておけば、そうすれば人は失敗した時ダメージなく今日を生きること出来る。
諦めない。
言葉で発するのは簡単だ。
それは蟻や真夏の蚊のように何処にでもあって、世界にあふれている言葉だと思う。
誰しもが口に出来る安い言葉だと思う。
だから――初めから折っておく。
そういうヤツもいる。
シャルロット=デイオールという少女はいわゆる、そういう人間だった。
生まれた境遇が嫌で。
誰にも愛されないのは当然で。
内気な自分が大嫌いだった。
だけど、今は少しだけ違うとも思う。
マリィが、マリアが教えてくれたのだから――天を見ろと。
大好きな先生が繋いでくれた掌。
撫ででくれた掌。
家族だと言ってくれた言葉。
「頼む」と、この場を任せてくれたのだから。
少なくとも、今は違うと言える。
暗転しかけた視界で見た。
メアの、友達の顔。
眉間にシワを寄せ、祈るようにタイタロスを駆る少女をみて思う。自分を止めてくれと涙を流しながら笑う、暗黒の気を醜いと称した友達を見て思う。
自らの小さな手のひらを見て思う。
「あぁ……嫌だなぁ」
このまま折るのは、諦めるのは。
因子核の中から声がする。
『黄金は消えない。私達の武装気は夢を絆ぐ力』
「……マリィさん」
『あの子は過去の私。強過ぎる力を持って生まれたのに、使い方が解らない過去の』
「……マリアさん」
だから二人は言う。
視線を上げて天を見ろと。
そして貫けと言う。
闇を、目の前の暗黒を。
自分を、初めで最後の友達だと言った少女の心を。
受け継いだ心。
生まれ変わった全ての過去達から繋いできた特型武装気――それら全て同時に打ち出す事が出来れば天上天下全ての結界を貫けはず。
震える唇を噛んだ。
再び下がりそうになっていた視線。
再び折れそうになった心。
開きそうになっていた小さな掌をグッと再び握り直す。
『『「あの子の夢は叶えられる」』』
そう信じ、心を燃やし、黄金の姫は顎を上げた。
◆◇◆◇
上空より炎で焼けただれながら落ちるリィナ。
堕ちていくその女を見て、涙で真っ赤になった瞳を拭いシャルロットに向かって急降下するアヤノ。空に向かって、天を裂くほどの砲撃を放ったメア。それはまるで天空へ浮かぶ月に喧嘩を売っているかのような神をも殺す兵器――巨人タイタロス。
巨人から溢れる暗黒は、王都どころか宇宙空間にまで侵食し世界を真っ暗に染め上げつつあった。
しかし――
「P……ちゃん。来てくれたんだ」
黄金の翼を折られ、傷ついたシャルロットを支える存在が居た。
『遅なったわお嬢、すまんかったな』
七色に輝く水晶のツノと、衣をまとった存在が。
『オラとしたことが、ちょっとヘタレとった』
シャルロットは小さく微笑む。
「うん、ボクも」
幼い竜人も自嘲気味に笑う。
『なんやお嬢、オラがおらんなって寂しかったんかいな』
シャルロットは目を丸くする。
その言葉の意味と、少し恥ずかしそうなプリューナグの表情に驚いたからだ。
「Pちゃんって、先生にちょっと似てるかも」
『あん? オラとあのムッツリスケベのどこが似てるっていうねん』
そこまで言って「しまった」と身を屈める。
『ユウィン先生を悪く言ってすみません! だから捨てんといてぇぇぇ!』
恐々薄目を開けたプリューナグが今度は目を丸くした。主人が笑っていたからだ。
「ウフフそうだねっ、先生って罪なヒトだよ」
『お、お嬢……』
変わった。
今迄のシャルロットではない違う何かに。
崇拝していた者から並び立つ者に変化しようといている。
プリューナグはその変化に少し寂しさを覚えつつも微笑み、地上から空を見上げた。
『さぁリベンジや、オラとお嬢で終わらせるで』
「うん行こう、メアちゃんの夢を救い上げるんだ」
――ゴゥ!
浮遊するタイタロスを見据えるシャルロットの身体に再び黄金のオーラが、金色の翼が燃えあがった。
「シャルロット……まだ戦うの? アヤノお姉ちゃんが此処に来るまで小さくなっていたら良かったのに」
神呪殺鎧からメアの声。
「これはメアちゃんとボクの喧嘩だから」
「喧嘩にならないよメアの力を見たでしょ? アヤノお姉ちゃんと君の先生が居たとしても同じコトだよ」
タイタロスは砕けないし、ロードオブ=ナイトメアには誰も勝てない。
「そんな事ないよ」
「正気?」
「うんだから、もうちょっと付き合ってね」
同時にプリューナグの一本ツノが黄金色に変化していく。
オリハルコンを体内に取り込み、進化した者の証。
今迄諦めによって平らになっていたメアの顔に驚きが浮かぶ。
『アウローラ、お前の兄貴が教えてくれたんやないか……黄金武装気を人体の限界を超えて高める方法を』
「そうか……31番のお兄ちゃんが言っていたのは本当だったのかもしれない」
――――――――ドあ!
同時に放たれる闇色の波動。
刻印開放によって今や地上を割るどころか世界を両断しかねない威力であるソレ――しかし、それがシャルロットに届く事は無かった。両者の間で停止したエネルギーが行き場をなくしせめぎ合い、球状になって停止する。
魔法粒子エーテル振動の共振。
それは二人の力が全く同じでないと起こりえない現象。
「デバイス=オペレーション=システム……そう、それが本来の使い方」
「ありがとうメアちゃん。そしてごめんね、ずっと教えてくれてたのに気付かなくて」
「ありがとうシャルロット、メアの声を聴いてくれて」
「君は止めてほしかったんだね。自らの夢の為ではなく、他人の夢に向かうしかない自分を」
「人体強化術武装気――詰まる所その正体は、魔法言語を外部空間ではなく、肉体内部で投影させる事の出来る存在の象徴なの」
「人間には元々ない魔法粒子を体内に蓄積させた事によって生まれた……」
「そう、人の最も強い感情……嫉妬や恨みの感情迄もが魔法粒子によって強化され、真っ黒に染まった陰の感情と言う名のバグ」
「……それが暗黒武装気」
「そしてそれを一身に背負ったのが私、メア=アウローラ」
自分は一体何の為に生まれて来たのか?
生まれて来た意味を知りたかった悲しい老婆が創り出した存在あり、創造神メインユーザーが予知しなかった、人間の遺伝子と魔法粒子が掛け合わさった為に出来たプログラムエラーの集合体。
「メアに勝つには、この王都に住む数十万の人間の憎悪に打ち勝つという事……自信あるの?」
シャルロット。
「正直言うと解らない」
でもね。
シャルロットの姿が変化していく。
「ボクも、ボク達という存在もね」
まだ見ぬプレイヤーの為に生まれ変わり続け、その全ての人生を気高く生きたマリィが。ユウィン=リバーエンドを守り切れず、その後悔によって誕生したマリアが。
「紡いだ道の集大成がこの掌に乘っている……そう思うと」
ボロボロになった魔法学園の制服が変化していく。
黄金色の装甲――そして、シャルロットの全骨格迄もが蒼く金色に輝く火廣金となって駆動する。
「ボクって存在も案外、伊達じゃないのかなって思うんだ」
神・龍魔融合因子暴走。
マリィが引いた黄金の道と、オリハルコンを取り込んだ神龍プリューナグが完全同調する事によって顕現する、世界の理を限界突破した権限者――シャルロット=ディオールの左手に宿った巨大な手甲が火を噴いた。
『乗倍率強化弾――』
「――装填」
――――ガコム!
スライドしたガントレット後部が爆発――地面をえぐり飛ばした。
黄金色の爆炎は漆黒に染まった世界を切り裂いていく。
「もう一度言うよメアちゃん」
「うん」
俯いて大きく息を吸い込む。
そして、とびきり頑張って作った怒った顔を上げた。
「ボクは友達の夢を絶対に笑わない!」
「そぅ……………うんっ」
メアの瞳に涙がにじむ。
「そこから叩き出してやる!」
停滞していた球状エネルギーが弾けると同時に、両者の拳が激突する。
「黄金拳三十乗倍!」
「闇星之海大拳!」
二人の拳が軋み、割れる、が。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、あ!」
タイタロスの鉄拳が砕け散り、そのまま撃ち抜いたシャルロットの拳撃の余波で、巨人の胸部装甲に亀裂が走った。
「醜い醜い……メアの夢」
「醜くない!」
拳の痛みを必死に我慢する。
友達の心の叫びを真っ向から否定して。
「メア……お姉ちゃん達の命を吸って……こんなに強く生まれて来たのに、今日全部壊して、全部殺して死ななきゃいけないのに……」
「メアちゃんが全て背負う事ない!」
巨人から放たれる無数を光線を全て空へ弾き飛ばす。
一発一発が核爆発に匹敵する威力を誇り、酷く重い。
「なのに何で、何でこんなにも、メアはこんなにも王様に逢いたいんだよぉぉっ」
姉達の死。
後悔と憎悪を黄金武装気が受け継いだ集大成として生まれて来たメア。姉達よりも遥かに幸せに生まれて来た筈。そんな自分がこれ以上望んで良い訳がないという業。
「メアは醜い……醜いんだよぉ!!!」
「わっかんない、子だなぁ!!!」
自分の境遇は目の前の少女より軽いかもしれない――でも。
「ボクだって怖い!」
「何が!?」
不意に振り回したタイタロスの砕けた方の腕がシャルロットのコメカミに突き刺さった。
「っ……先生がボクを、本当に受け入れてくれるか、どうか」
足の止まったシャルロットに無数の光弾が着弾。
さしもの火廣金装甲にも亀裂が入り破片が飛び散り四散する衝撃。四肢を硬強化されているとはいえ、肉が裂け血が噴き出すが、超高温の光弾によって瞬時に蒸発している。
「解るわけない!? シャルロットは、シャルロットは綺麗だもの! 可愛いものぉ!」
「わか…らない、よ、ボクはメアちゃんじゃないんだから」
「じゃあ!」
何でそんなこと言うんだよ。
自分は醜くて醜くて醜くて、こんなにも怖がりなのに。
「メアちゃん、人はね、こうしたいんだって答えを心の中に必ずもって、いるの」
火傷と裂傷の上に、更に巨人の蹴りがシャルロットの腹部を薙ぎ、オリハルコン製の外装が砕け散ったが、その巨体をそのまま抱え込んで投げ飛ばした。
「はぁ…はぁ…た、他人が、何を言おうと、心の中では答えは決まって、いるんだ……ゴフッ」
「だから言ってるじゃない!? メアは醜いって」
折れたあばらが肺に刺さった事による吐血。
「醜く……ないよ」
メアは息をのんだ。
相手は躱そうとしたら躱せたはず、受けようとしたら受けれたはずだ。そして今もなお、もの凄い痛みな筈だ。なのに何故、そんな必死な顔で自分を「醜くない」と言うのか。
「じゃあ何でだよ!? 無駄な事を言ってない早く――」
メアはこれから先を言うのを止めた。
もしかしたら、もしかしたら目の前の相手は自分には無いあの感情を引き出してくれるのではないか。
(お嬢……お前って女はなんて。こりゃオラとしたことが本気で惚れてまいそうやで)
「本気を出せ」と割って入ろうとしたプリューナグだったが、主人の心情を察して何も言わず黙った。ワザと攻撃と言葉を受け止めながら戦う主人の気持ちが解ってしまい黙った。彼女は言った「そこから叩き出してやる」と。その意図が解ってしまったが為の沈黙である。
「メアちゃんの中では、諦めるって事が決まっている」
「……何、を」
「自分の夢」
醜い夢と称した自分の夢を。
「シャルロット……でも、でもメアは」
そこまで言ってメアは再び黙る。
シャルロットの砕け散った黄金の装甲から見えた、おびただしい数の古傷に気付いたから。
「この身体を先生は綺麗だと言ってくれるかは、ボクにも解らない……怖いよ、でもね」
亀裂だらけのオリハルコン装甲。古傷と新しく出来た傷でドロドロになった体から放出される黄金色はどんどんと光を増していく。
「だからって諦められないでしょ!? だって好きなんだからぁ!」
燃える黄金。
その眼差しに折れぬ信念を乗せて。
「メアちゃんの言う醜い夢!」
「でも、でもメアは作られて……普通じゃなくて」
「誰かに愛されたいという渇望が! 何よりも強い人の証が!」
それが。
「醜くあってたまるか!」
再び激突する拳と鉄拳。
激突の衝撃と共に、遂にメアの涙が無機質な操縦席に滴った。
「どうしてぇ? なんで諦めさせてくれないの……何でこのままお姉ちゃんお兄ちゃんの所に行かせてくれないんだよぉ」
大きく息を吸い込む、されど万力のような力を込めて。
「友達だからだろぉ!?」
タイタロスの左手が砕け散った。
眼からでる水、鼻からもれる体液。
醜く歪んでビシャビシャになっているだろうこの顔を、あの人が綺麗だと言ってくれたら。そしてあの時の約束をもう一度――
メアの喉から嗚咽が漏れる。
「醜い醜い……メアの、夢」
「絶対に絶対に折らせない! 教えてメアちゃん、声に出してメアちゃん、君の心の閉まっちゃった願いを!」
たった一人の友達の言葉で少女は思い出す。
兄が最後に言った言葉。
『そうするしかないと……諦めたのか』
でもたった一人の友達が言ってくれたのだ。
自分の夢を諦めるなと。
メアは思う、兄の言葉は正しかったと。
『お前はシャルロット嬢には勝てないよ』
だから安心しろ。
「メア…王様と一緒に苺…食べたかったなぁ」
漆黒の武装気がタイタロスを包み込んで焔を灯す。
暗闇色の爆炎――最強最大出力充填。
「食べたら良い……先生と似ているその人ならきっと」
綺麗な夢だと言ってくれるから。
「そう、かもしれない……」
タイタロスのコクピットが開いた。
座席に立ち尽くすメアには思う。
死んでいった姉は、兄は、自分を恨むかもしれない。
自分達は何の為にお前の餌となって死んだのだと。
涙でクシャクシャになった顔を拭きもせず、笑う。
だってしょうがないじゃないか。
だから、最後に問う。
「君も道具として生まれて来た」
「そうだね」
「なのに……何でそんな眼をするの?」
「言ってくれたんだ先生は」
「その姿……」
「ボクが産まれて、嬉しいって」
これが一筋の光の雫――輝ける黄金。
「黄金覇王……オーバーロードか」
「シャルロット行きます!」
左手のガントレットから天に向かって燃え上がるそれは、一振りの剣のようだ。
『待っとったでお嬢! 後ろの街は気にすんなオラが何とかする!』
「うんお願い!」
『だから、思いっきりブチかませぇ!』
黄金色の爆炎――最大最高出力を持って迎え撃つ。
(お兄ちゃん……お姉ちゃんごめんね)
だって、しょうがないじゃないか。
こんなに諦めの悪い友達が出来ちゃったんだから。
100番目に創られ、兄と姉の無惨な死骸達から産まれ落ちた哀しい少女に初めて生まれた感情――それは希望だ。
「そうかもしれない……あの人なら言ってくれるかもしれない」
私の望む、あの言葉を。
「壊してシャルロット……」
「全力全開で」
「このタイタロスを」
「叩き壊す!――行くよメアちゃん」
大地が震える。
金色の剣で暗闇色の空が切り裂かれ、恐ろしい迄に輝く月光が差す夜。
過去にこんな女がいた。
白い世界にただ一人たたずみ、何度となくも生まれ変わった那由多の時――待って待って待ち続けた女がいた。
「マリィさん使うよ」
『随分とかかっちゃたねぇ、でもまっ…ようやく咲いたか』
見上げるシャルロット。
月の傍らで輝く星――天涯極星が優しく微笑んだ気がした。
「マリアさんボクを導いて」
『狙うは胸の中心だ……あの憎欲の塊だ。博士に、あの人にも教えてあげよう』
ごちゃごちゃ手を加えなくても、花は勝手に咲くのだという事を。
「強化権限――満開!」
黄金の極光が宇宙空間まで広がっていた闇のオーラを消し飛ばしていく。それどころか月面のマザーコンピュータに迄到達し、とあるプログラムを書き加えていった――このデスゲームの本質に関わる、重大な制約を。
「最大出力四重乗倍率強化弾リロード!」
シャルロットは見た。
大好きなあの人が握ってくれた掌を。
そして握りしめる――
「突き破れ、ボクの黄金……」
マリィが引いた道、マリアが受け継ぎ昇華させた、全ての特型武装気をこの一撃に込めて。
それは、もう散る事のない、永久の花。
「タイタロスは砕けない……だけど、もしかしたら」
リィナ=ランスロットが生涯をかけて作り上げた、対月ノ使徒迎撃外骨格兵装タイタロス――巨人の両足両腕から”黒”が胸に収束していき、ソレは発射された。音よりも速く、光よりも速く、大質量で巨大な闇が放たれた。
それは創造神によって、この世界で無責任に産み落とされた人間達の憎悪と迷いが乗っているかのようにどす黒く、汚れて見えた。しかし、その中に一粒だけ混じった光。それは少女が「醜い」と称した一粒の雫――その光に向かって。
さぁ、今こそ放て――
「金色の無限桜ぁ!」
シャルロットが打ち込んだ極光は――闇を貫いた。
女が地上に降り立った。
彼女は周りを見渡して確認する。
此処があの人間領最大の国家であったのが物悲しくなる程に破壊され、周囲には瓦礫と倒壊した建物が目に付く。
そもそもこの国この場所は、創世記に一度は完全に廃墟となり、数百年前に全く同じ場所に再度建国されたトロンリネージュの都である。再建国の際には全く関わっていないにせよ、自分にとっても多少思い入れのある歴史のある街が、このような状態になっているのは、見ていてあまり良い気分のするものではなかった。
少し柄にもなく干渉に浸っていたが、近くと遠くでかすかに声――近くでは、早くコレどかしなさいよバカとかアホだのギャーギャー言っている若い声は学生であろうか。遠くのは恐らく、城から派遣された救助部隊であろう。女は口元を緩めた。この対応の素早さ。恐らくは頭でっかちで口煩い方の妹、この国の皇女の采配であろうと。
おっとしまった。
女は急いでもう一人の妹に駆け寄った。
全てを出し尽くした少女が地面に倒れ込む前に、優しく受け止めて一言。
「終わった」
長かったなぁ…助手。
アヤノからの哀しいとも怒りともとれる一言の先には、横たわる、体の大半が炭化した女と――末っ子と同じくらいの少女が一人。
「タイタロスは砕けない……か」
同じく地に堕ち、動かなくなった巨大な鎧の上で少女は呟く。
「メア達が間違っていたね……」
お母さん




